個別指導塾の講師での主な仕事内容
小1から高3までの生徒の学力を上げることを目的とし、授業を行うことが仕事でした。私は英語を専門として勉強してきたため英語を見ることが多かったです。塾から定められた教材を購入してもらい、それに従って学校英語を指導します。ただ、発達障害グレーゾーンなどが多いため、授業というよりは学童まがいなことをさせられることも多く、非常にストレスが溜まる仕事でした。また、私は事務的な役割も担っていました。中学生から定期テストを回収してコピーし、過去問として作っておいたり、それそぞれの生徒のテスト結果を集計し、何点上がったか、点数に応じてノートや図書券を配布したりしました。雑用も多く、計算用紙として使える裏紙を切って教室内のブースに置いておいたり、掃除機をかけたり、生徒のファイルがパンパンになってきたらいらない紙を抜いてスリムにしたり、真夏の炎天下の中、スーツで汗だくになりながら雑草取りを命じられたりしていました。
個別指導塾の講師ならではのやりがい
やりがいを感じていたときは、生徒が「〇〇先生がいい」と電話をくれたり、親経由で私を指名してくれた時でした。個別指導塾のうちでは先生の指名ができます。あまり積極的に使う人はいませんが、それでも時折指名が来るのでその時はとても嬉しく思いました。世の中で、私を必要としてくれる人がいるのだと強く思える唯一の出来事だったからです。存在意義を感じられる仕事はいいなと思いました。よく、生徒のテストの点数が上がった時にやりがいを感じるのではと思われるのですが、私としてはまったくと言っていいほど気にしていません。点数が下がった時にもスルーで、特にイライラしません。やりがいは生徒に求められた時であり、あの時はそこそこ幸せだったなと感じます。中には、塾側の理由で私の生徒が変わった後、親から「子供が時間をずらすので〇〇先生がいいと言っています」と言われたこともありました。
個別指導塾の講師のマイナスポイント
マイナス面はたくさんあります。先ほども少し触れましたが、とにかく生徒の学力というか、知能そのものが低すぎます。比喩ではなく、日本語が理解できないため言葉が通じません。自分の名前が書けません。数字の2と0の違いがわかりません。そういう中3がたくさんいます。よって、学力テストはまともな状態でなくなります。受験番号が違う、自分が男か女かわからない、名前を書けと口酸っぱく言ってもわからない。そんなカオスです。また、モンペアが多いです。子供がどれだけいけないことをしたとしても、叱れば「うちの子に何をする!」と塾に殴り込みに来ます。理不尽に私が攻撃され、生徒が塾を辞めたことも今までに2度ありました。つらかったです。
個別指導塾の講師の仕事に活かせる経験・スキル・資格
個別指導塾は大学生でもアルバイトで働いているので、特に資格や経験はなくても採用されます。しかし、最低限の頭がなければ雇ってもらえないところもあるので、まずは学力が必要だと思います。あとは、数検や英検でしょうか。
個別指導塾の講師の仕事に向いている人・向かない人
個別指導塾の塾講師に向いているのは、自分が子供のころバカで常識がなかった人です。講師をしていると生徒を褒めるのですが、私の場合全部当時の自分より劣っているため嘘となります。心からすごいと思えないためビジネス褒めになったり、塾に来ただけで褒めなければなりません。中には無断欠席を50回繰り返した生徒もいるのですが、それでも褒めなければならないためストレスです。当時の自分と比べてどうしてこんなこともできないのかと思ってしまうため、できれば当時の自分がバカであればあるほど良いと思います。塾講師に向かない人は、コミュニケーション能力が低い人です。教えるだけでなく、あらゆる性格を持つ生徒との雑談に応じる必要があるからです。
個別指導塾の講師仕事でのキャリアパス
塾講師にあまり出世という概念はないと思います。少なくともうちのような個別指導塾では、社員でもアルバイトと同じ仕事内容ですし、部署や役職もありません。上と言えば教室長ですから、教室長を狙いたいというのであればそれが出世となるのだと思います。しかし、教室長は学校の校長と同じで授業をしません。講師ではなくなり、塾の運営と保護者のご機嫌取りが主な仕事となるのですから仕事内容がまったく違います。出世ではありませんが、他には自分が得意とする分野を生かして教える幅を広げるという選択肢もあるかもしれません。もちろん一講師が口を出せるはずもないので可能性は低いですが、例えばプログラミングスクールも始めるなど、あるにはあります。
個別指導塾の講師業界の最近の動向
一般的には、少子高齢化の影響で子供自体が少なくなり、塾業界、教育業界はあま潤わないと言われています。実際のところは、その土地によると思います。うちは繁盛していましたが、それはおそらくベッドタウンであったり、近くに中学校が2,3あったり、住宅街に住み始めた人たちの子供がそこそこの年齢となったことなどが原因となっているように思います。また、私なんかは塾なんて必要なく、動画を見ればいいじゃないかと思っていますし、動画なら何度も見放題だし通わなくていいし料金も激安で、塾に勝ち目などないと思っていました。しかし、実際は上記で書いたように学習障害グレーゾーンや発達障害グレーゾーン、注意力欠陥障害など、誰かいないと何もできない生徒があまりに多いことを知って愕然としたことから、知能が著しく低い生徒のために塾は存続し続けるのだと思いました。あのような生徒が動画を見て理解できるはずもなく、というか、動画を見ることもできないと確信していますから、いくらAIが発達しても、実はそういった生徒がいるかぎりあり続けると思います。
個別指導塾の講師仕事を未経験で目指すには?
どの仕事もそうかもしれませんが、とにかく忍耐強くいないと後が怖いと言っておきたいです。誰が見ても正当な理由で叱ったとしても、その後その生徒の親から何を言われるかわかったもんじゃなりません。腫れ物に触るように、何をされても我慢して注意せず、そうした行いをしていかないとモンペアに心を指されて終わりです。塾は特殊なサービス業で、生徒のバックに見えない親というさらなるサービス提供者がいるということが怖いのです。大学生のアルバイト程度なら良いと思いますが、社員として働くならこういった点も見ておかないといけないと思います。
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