旅行会社での主な仕事内容
短大を卒業して、アルバイトを含め四社の旅行会社にのべ30年程働きました。大手、小売業の旅行カウンター、従業員6.7人の小さな会社、最後は旅行会社を立ち上げたいという求人に応募した会社の立ち上げに採用され社員1号として奮闘しました。新入社員で入社した大手旅行会社は、とにかく忙しく落ち着いて教えて貰う環境ではなく、現場で経験して覚えるという感じでした。最初は、電話応対もドキドキして何か聞かれる度に「少々お待ち下さい」とお客様を待たせては、誰か聞けそうな人はいないかとキョロキョロしますが、みんな忙しいそうにしていて、話しかけられる状況でなく大変でした。そんな中、JRの切符や、旅館クーポンの発券、予約手配と、海外の仕事まで一通りやりました。あまりの残業続きで疲れて、退職し、小さな旅行会社でアルバイトをしながら、転職先を探して、大手スーパーの旅行会社に入社。そこでは、海外旅行の安いパッケージツアーの販売に力を入れていました。ハネムーンも対応しました。最後は、小さな旅行会社の立ち上げに関わり、インターネットで旅館予約をするサイトの運営から始め、パッケージやツアーのネット販売、手配などを担当しました。
旅行会社ならではのやりがい
目に見えない商品なので、お客様の満足度が商品価値になります。旅行計画の相談から始まり、情報提供をして、スケジュールを練り、宿泊場所、観光スポット、移動手段を組み合わせて、予算内でひとつの旅行計画を作成するのは、膨大な手間がかかります。昔は、時刻表をめくりめくり確認しながらの手作業でしたから
それはもう大変でした。しかし、旅行から帰って来られたお客様が、来店されて「すごく楽しかった。ありがとう。又頼みます。」などと言われると、それまでの苦労が報われて「あ〜良かった」と頂いたお土産のお菓子なんかで、職場のみんなとお茶しながら達成感を感じていました。又、たまにですが、ツアーの添乗も少し経験しました。新人の頃、支店長に「沖縄に一人で行って来い」と言われた時は、無理だと思いましたが、お客様がいい方ばかりで、帰り際にありがとうと言われて涙が出そうになりました。
旅行会社のマイナスポイント
旅行会社はとにかく忙しい業種でした。私はコロナの影響が出る大分前に退職しましたので、コロナ禍の旅行会社の状況は詳しくはわかりません。昔はコンピューターがまだ1人一台という時代ではなく、何でも手作業で、トラブルエージェンシーという位、色んなミスが発生しやすい環境でした。
収益率もメーカーなどの業種に比べると大変低くて、少しミスすれば、儲けなどすぐ吹っ飛んでしまいます。クーポン発券や、予約手配など、ミスらないよう何回も確認するのですが、やはり人間のやる事ミスがでます。そして、そのミスを挽回するのに、精神的にも、体力的にも、かなりストレスがかかり、時間内に業務が終わらず毎日残業というパターンが多かったです。
旅行会社の仕事に活かせる経験・スキル・資格
旅行業務取扱管理者資格があります。資格は全国で通用し、一度取得すれば生涯有効です。旅行会社の各営業所には1名以上の旅行業務取扱管理者を配置することが法律で義務付けられていますので、旅行業界への就職に有利になります。
旅行会社の仕事に向いている人・向かない人
サービス業ですから、やはり気の利く人が向いているでしょう。おか客様のニーズを察してアドバイスできる方がお客様も嬉しいはずです。自身も旅好きで、日々情報を集めたり、プライベートで旅行したところをお客様にご案内できれば、よりよいサービスになります。添乗があれば、世話を焼くのが好きな人が向いているでしょう。ですので、旅行会社での仕事は、基本的に人間相手ですので、ツアーの企画をコツコツとパソコン見て考えるようなてデスクワークオンリーの業務は、大手の一部の部署に限られてああますから、基本的にお客様に接する仕事なので、人間嫌いなひとには向かない仕事だと思います。お客様を喜ばせてワクワクさせたい、感動を共有したいという意識がある人に向いています。
旅行会社仕事でのキャリアパス
お客様に好かれて、カウンターや添乗でも指名がくるような人気がでれば、会社でも一目置かれる存在になるかと思います。
そんな社外的な派手さがなくても、社内的に地道に実力をつければ、出世のチャンスがあります。旅館や、ホテル、交通機関、観光施設など、取引先と良い関係を築くのも大事な仕事です。お互いWinwinになるように、利潤を追求しなくてはなりません。ツアーを組むにもいかに利益を産むか、仕入れにシビアにお客様には満足度アップで日々努力が求められます。そんな活躍を地道にしていれば、上司も目をかけて管理職へ引き上げてくれるかと思います。実際、そうやって実力をつけて出世していった同期がいますので、日々の仕事が大事だなと思いました。
旅行会社業界の最近の動向
2019年12月に中国で最初の新型コロナウィルス感染者が発生してから。旅行会社にとって苦難の日々が始まりました。それまで海外旅行者のインバウンドの増加で、成長率を伸ばしていた旅行会社もぱったり仕事がなくなり、国内も移動が自粛され、旅行を販売することが困難になりました。私は既に退職していましたが、勤務していた会社は大変な状況で、同業他社も次々に店を閉めたり社員も減らされたりしていたようです。旅行したい人は沢山いるのに、旅行できないし、販売もできないというこの業界始まって以来初めての深刻な状態でした。
そんな中、移動が自粛要請されているならバーチャルで旅行をという動きがブームになり、ネット上で、疑似体験のツアーに参加して貰うという商品も販売されました。
最近は、コロナが収束したという訳ではありませんが、扱いがインフルエンザと同等程度になるらしいので、コロナと共存しながら旅行業界も新しい一歩を踏み出さなくてはなりません。お客様も、用心しながらも旅行したいという気持ちを今まで我慢してきた分、一層強く思っているはずですから、上手く需要を取り込んで販売に繋げる工夫が求められています。
旅行会社仕事を未経験で目指すには?
新入社員ならある程度の不慣れさや、失敗も許されるかもしれませんが、中途採用で社会経験もある人なら、即戦力が求められるでしょう。接客が得意ならそれも技ですし、どういう仕事がしたいのかによりますが、具体的その会社の求める人材がわかれば
その期待に応えられるように、予めある程度の知識や情報を身につけておいた方が武器になってくれるでしょう。
今はお客様の方がネットで、熱心に情報を得ていますので、その対応力も求められるでしょう。添乗業務につきたいなら、人間力を磨けば良いと思います。お客様を惹きつけるのは、やはり人間として魅力的な人だからです。
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