新卒採用事務の請負~人生で一番印象に残っている恋愛~
誰もが知っている大手企業の新卒採用事務の請負をやっていました。
あまり馴染みのない業務ですが、大手企業の新卒採用は短期勝負となるため、一時的に業務量が激増します。
その中で、新卒採用担当者がコア業務に集中できるよう、誰でもできる事務を外部に発注しているのです。
コア業務としては説明会・選考(面接)・内定後フォローとなります。
企業によってはインターンシップ事務も外注しています。
外注されている事務業務は、自社採用管理システムの更新、イベント日時の更新、エントリー者への説明会呼び込みメッセージの作成・送信、採否メール、電話受付、説明会・選考参加予定者のリスト納品など多岐に渡ります。
自社採用管理システムの更新は特にボリュームがありました。
とは言ってもWebの専門的な知識は不要です。
業務そのものの量が多いわけではなく、案内文をどう書けば予約につながるか、クライアントのニーズを満たせるかなど創作的な部分が多く、最も時間をかけた業務だったと思います。
新卒採用事務の請負~一番嬉しかったこと~
自社採用管理システムの更新は、前述した通り創作的な部分が大きく、面白い業務でした。
ブログのように目立たせる文字を変えてみたり、表現方法を工夫したり、自由度が高く楽しく行いました。
また、複数の会社の採用事務を担当するため、色々な会社の考え方や工夫を見ることができ、将来に活かせる部分も大きくありました。
インターンシップの感想を見たり、専門職種の面接会場で才色兼備の応募者を見ながら評価を打ち込んだり、一つの企業に勤めていては見られない部分を短い期間で多く体験できたと思います。
通年の採用業務や採用・就活のトレンドについて自然と知識が身につき、新しいことばかりでとても面白く感じました。
元々事務業務未経験だったため、事務ミスが大きく減り、事務業務に対する正確性が上がったことも結果的には良い経験ができたと感じています。
新卒採用事務の請負~印象的な喧嘩の内容~
請負だったため、相手の都合に合わせて残業が発生することが多くありました。当日対応は○時までということでしたが、頼まれると断り切れず、突発的な残業でプライベートの予定をドタキャンしたことが何回もあります。
一番驚いた残業依頼は、知らない人はいない大手メーカーからの採否連絡を本日中にしてほしいという依頼でした。採否が決まるまで待ってほしいというものでした。採否が決定していたにもかかわらず急遽採用したい人が出たため、誰かを不採用にしなければならなくなりました。応募者に採否連絡日を伝えていたため、今日中に連絡しなければならないということでした。結果、採否が決まったのはその金曜日の22時頃でした。
ブラック企業と思われることを防ぐため、多くの企業は遅い時間のメールを避けるため、印象に残った出来事でした。
新卒採用事務の請負~一番悩んだこと~
採用といっても、やはり事務ですので、資格はいりませんが、事務能力が求められます。
他社の請負のため、電話応対能力も平均以上を求められますし、学生の一生にかかわるところですので、ミスも許されません。
事務経験があり、スピーディにミスなく事務をこなせる能力があれば、活かせると思います。
新卒採用事務の請負~その悩みをどうやって解決したか~
ルーティンワークをひたすらこなし、事務作業でそこそこの給与をもらいたい方には向いています。
1年もすればおおむね覚えられる業務であり、指示に従って行う業務のため、飽きっぽい方やルーチン作業よりも企画が好きな方は続けていくことが難しいと思います。
ずっと社内で行う仕事のため、外回りが好きな人には向いていませんし、内勤が好きな方には向いています。こちらはその人の経験や志向によります。
突発的な残業も多いため、子育て中の方や家庭がある方、ライフワークバランスを重視する方には向かないと思います。
他社の個人情報を多く扱うため、個人情報に関する資格の取得は必須となります。個人情報に関する知識の習得や、意識が低い方は向きません。
新卒採用事務の請負~その相手との後日談~
自社採用に関わるため、事務だけでなく自社採用業務の知識・経験を積むことができます。
面接の方法を学び、面接で経験を積むだけでなく、他社転職サイトの使い方や転職業者との打ち合わせ、未経験で入社しても1年以内にそのような業務に携わり、経験を積むことができます。
ただし、どうしても請負という面があるため、経験を積んだからコア業務をメインとすることができない点が残念です。
また、個人情報に関する意識やコンプライアンスが高まり、業務中は携帯を鍵付きロッカーに入れるというルールなどを身につけることが可能です。
社内で管理職(とはいえ、プレイングマネージャー)を目指すか、他社に転職してコア業務の担当を目指すかという2つが現実的なキャリアパスです。
新卒採用事務の請負~長く付き合っていくためのアドバイス~
どのような仕事でも外注業者が多く存在するということは、新卒採用事務の請負も拡大しているという印象です。
新卒採用事務を外注しているかという統計は見当たりませんが、近年の動向を見ていると拡大していると感じています。
インターンシップや通年採用が一般化し、採用担当者の業務が増える一方で、人員や予算は増えないのが多くの企業の現状です。
残業規制も厳しくなり、働き方改革も進んできています。
そのため、今後も新卒採用事務の外注ニーズは増えていくと考えられますし、競争が激化し外注に関する価格も下がっていくと思います。
競争激化により対応時間が延び、外注を請け負っている側の給与は減少し、発注者と請負の給与格差が激しくなっていくと感じました。
そのため、発注者は外注した方がコストが安いとなっているのですが、
少子化の影響として若年者(新卒)が減少し、少ないパイを奪い合う状況はアフターコロナ以降も大きく変わることはないでしょう。
そのような新卒市場においてコストを削るため、外注業者のニーズはますます高まっていくことが予想されます。
新卒採用事務の請負~今当時を振り返って、過去の自分や同じような状況の方にかけたい言葉~
別職種から採用・人事へのキャリアチェンジを狙うのであれば、経験を積むために有用です。
採用・人事は、経験者が少ない割に中途で未経験者をあまり雇わない印象があります。これは、自社の他部署から採用担当に異動するケースが多いためです。採用・人事を募集している企業というのは、その業務ができる人、業務ができるように育てられる人が社内にいないからだと考えています。そのため、経験者しか雇わないという現象が起きます。
採用・人事へのファーストステップとして、多岐にわたるいい経験が積め、基本的な知識と事務スキルを手に入れることができます。