介護での主な仕事内容
生活介護事業所のパート支援員をしておりました。
障害のある方の生活上の介護全般と、一人一人の障害の程度に合わせた内容の作業補助です。入浴介助もありました。
・午前10時ごろ送迎者にて利用者さんが到着します
・当着順にまず上着を脱いでもらい(着脱介助)バイタルチェックを行う
・水分補給。利用者さんの状態に合わせて、スプーンで介助したりとろみをつけて誤嚥のないように慎重に行います
・朝の会(話すことができない方は気持ちを汲み取り代わりに発表する)
・午前の作業(ミシンか軽作業)と休憩中は楽な姿勢になれるようお手伝いします
・お昼ご飯を介助しながら一緒に食べる→口腔ケア
・昼休み後のラジオ体操
・午後の活動
・帰りの準備
・送迎車に乗せる
この一連の流れの中にトイレの介助、おむつ交換、入浴介助・ご家族への連絡帳の記入がありました。
・利用者さんと一緒に送迎者に乗る職員以外はお見送りの後、その日利用したすべての場所を掃除・除菌します
・一人ひとりの今日の様子を細かく介護日誌に記入する
これが通常の1日の業務です。
その他にも、土曜日にあるレクレーションの内容を考えたり、練習、買い出しがあり大変でした。
介護ならではのやりがい
・こころを開いてくれた時
重度の知的障害で多動の方がいました。
常に動き回っています。「アイヤー」と叫ぶことはあっても、会話はできません。そして自傷行為があったり、物を投げる事も多くあるので大変危険でした。
一緒に過ごしていく中で彼の特性について学び、試してみると彼の表情に「うれしそうな顔」や「うれしい雄たけび」があがることも出てきました。その後も彼の興味があることを探し、その興味に付き合う。そんなことを繰り返しているうちに、わずかではありますがこころを開いてくれるようになりました。
・少しづつできるようになったとき
この場所の活動や職員利用者さん、食事にも全く興味を持てなかった彼は、少しづつ変わっていきました。続けて椅子に座っていられるようになったり、同じテーブルでごはんを食べることができるようになったり。
彼の中の世界が少しづつ変わってくれたのかもしれませんね。
介護のマイナスポイント
体がしんどいです。
環境整備の問題が大きいと感じますが、
・入浴介助の機械などなかったので、職員の負担が半端なかった(重量級の利用者さんも抱えて入れていた)
・歩き回る、立ったり座ったりする利用者さんの担当になった時はヒザや足がキツイ
自傷行為・他害行為を止めるために体を張ること
・パニックになってしまうと勢いよくものを投げるので、常に行動をチェックし動きを予測しなければならない
・床に横になっている(自分で動けない)利用者さんのそばを歩き回るので、すごく神経を使う→寝たきり状態である利用者さん静養の部屋か、多動の方がノビノビと歩き回れる場所が必要だったが改善されず
体力と頭を使うので帰るころに毎日へとへとになっていました。
親御さんには言えないが、実はなぐられたりかじられたりすることも結構ある。
介護の仕事に活かせる経験・スキル・資格
初任者研修・介護福祉士の資格がある人が有利だけど、資格はとくに問われないです。
土曜日はレクレーションがあるので、何か特技があるひとは重宝されます。
ギターやキーボードが演奏できたり、お笑いができたり、紙芝居や大型絵本を読むこともありました。
介護の仕事に向いている人・向かない人
誰でもできる仕事ではありますが、利用者さんの気持ちに寄り添える人が支援員なら利用者さんは嬉しいと思います。
介護職といえば高齢者の施設が圧倒的に多いので、一人ひとりの特性が強い「障がい者施設」の仕事は特殊と言えます。
仕事に向いてる人
・根気よく利用者さんと向き合える人
・若くて体力のある男性(自分を含めて中年の女性が多い職場でしたので)
・趣味を持っている人、何かに詳しい人(障害があって、経験が少ない利用者さんに色んな話をしてあげられる)
・芸能界に詳しい人(アイドルオタクの利用者もちらほらいます)
・チームワークで仕事ができる人
向かない人
徐々に慣れるものですが、トイレ介助に抵抗がある人(介護職にはつきもの)
介護仕事でのキャリアパス
介護業界におけるキャリアパスは多岐にわたります。通常は、初任者研修から始まり、経験を積みながら資格取得や研修を受けることになります。
実務者研修資格、介護福祉士の資格を取得するとリーダーシップを発揮できるポジションへの昇進が可能です。チームリーダーや施設管理者などが含まれます。
ケアマネジャーの資格を取得すると、直接介護をする機会はなくなります。介護や支援を必要とする利用者さんの相談を受けたり、ケアプラン作成する事ができるようになります。
また、研究や教育分野に進む道もあります。その他にも、介護技術の専門家やコンサルタント、介護サービスの企画・開発など、様々なキャリアパスがあります。経験や能力、興味に応じて選択肢が広がる業界です。
介護業界の最近の動向
介護業界では、高齢化が進む中、需要が急増しています。これに伴い、介護施設や在宅サービスの需要が増加し、サービスの質や多様性が求められています。また、それを補ってくれるテクノロジーの発展により、介護ロボットやIoTデバイスの導入が進み、効率的なケアが可能になってきています。
しかし、同時に介護労働者の不足も深刻化しており、働き方改革や労働環境の改善が早急に対応するべき課題です。そのため、福利厚生の充実やキャリア支援の強化が求められています。近年では、介護の現場でのストレスや負担軽減のためのマインドフルネスやストレスマネジメントのトレーニングが導入されている事業所も増えてきています。地域レベルでも、コミュニティベースのケアや地域連携が重視され、地域全体での支援体制の構築が進んでいるようです。
政府も介護保険制度の改革や施策の拡充に取り組み、介護業界の発展と社会的な課題の解決を目指しています。このような動向の中、介護業界ではさまざまなキャリアチャンスがありますが、同時に社会的責任も重大です。介護の質と効率性を向上させるために、技術革新や人材育成に力を入れつつ、高齢化社会における生活の質の向上に向けて努力が続けられています。
介護仕事を未経験で目指すには?
未経験から介護業界を目指す方へのアドバイスとしては、自身の興味や向き不向きをしっかりと見極めることが重要。その上でまずは、現場の見学やトライアル制度などを利用し介護のお仕事を経験してみることが大切です。
介護の経験を重ねて職場に慣れてきたら、関連する資格や研修を積極的に取得し、実務経験を積むことをおすすめします。また、介護の現場での実際の体験を通じて、自分に合った職種や環境を探ることも大切です。さらに、コミュニケーション能力や忍耐力、チームワークなどのスキルを磨くことも重要です。最後に、介護業界はやりがいのある仕事ですが、同時に身体的・精神的な負荷も大きいことを理解し、その覚悟を持って挑むことが必要です。
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