介護老人保健施設の介護員での主な仕事内容
まず項目として仕事内容を上げていくと、ご利用者の生活の援助として、入浴介助、食事介助(見守り含む)、排泄介助、日々の着替えや、日常的なリハビリの援助(作業療法士などの本格的なリハビリではないもの)があり、そこから日常の生活記録、支援内容の作成、レクリエーションの考案と実施、ご利用者家族とのやり取りが、おおよその仕事内容です。
何らかの理由で生活に不自由のきたしてしまった方の、できる事・できない事を確認し、そこからどう生活していきたいのか、何を支援して欲しいのか、何を楽しみに生きていきたいのか、といったその方の要望と実際の生活の現状から、施設からできる支援内容を提示し、照らし合わせて、その方がその方らしい生活を出来るように手助けをするお仕事です。また、ご利用者ご本人から要望を確認できない場合もあるので、その場合は家族の方からの要望をききながら、家族の介護の負担を減らせるように、ご本人のケアだけでなくそのご家族のケアにも繋がるお仕事となっております。
介護老人保健施設の介護員ならではのやりがい
肉体的に精神的に、大変、つらい、厳しい、そう感じる事は多くの場面でありますが、ご利用者からの「ありがとう」という言葉と笑顔が何よりの励みとなります。人の生活を支援するうえでどうしても人に汚いと思われてしまうこと(排泄等)に触れるので本人が「申し訳ない」「恥ずかしい」「自分が情けない」といった負の感情を持つことがほとんどです。不安などからスタッフに厳しい発言や乱暴な言葉を使う方も少なくありません。表面だけであれば、あまり綺麗とは言えない仕事であるかもしれません。しかし、介護士がつらいと感じている以上にご利用者もつらいと感じているのかもしれない、そんなご利用者の目には見えない憤りや不安の心情を理解したうえで、そんな相手から「ありがとう」と言葉や安堵を感じる笑顔などの表情を見せてもらえると、自分のしている事の意義とやりがいを強く感じる事が出来るのです。
介護老人保健施設の介護員のマイナスポイント
ご利用者によっては、身体的機能の回復から、自宅に戻れたり、ご利用者の要望が変わってきたので要望に合った施設へ移ったり、生活の変化でその方との別れがあります。しかし、高齢の方が多い現場ですので、どうしてもその人との永遠的な別れがあることはつらいことだと思います。どんな人にも例外なくあるものではありますが、仕事としてみれば、その場面に立ち会うことの多い職場とも言えます。「能力を維持して(向上させて)生きて生活して欲しい」という思いのもとでご利用者の支援をさせてもらっているので、その方に対して思いが強ければ強いほど、別れに立ち会う瞬間はとてもつらいものになります。どんなに頑張ったとしても訪れる別れは優しい人であればあるほどこの業種のマイナスな面だと言えるのかもしれません。
介護老人保健施設の介護員の仕事に活かせる経験・スキル・資格
仕事をするうえで、身体的介護をするために初任者研修という資格は絶対的に必要となります。この資格が無いと、まず介護員としては働くことが出来ません。そのほかには、介護福祉士、社会福祉士、などの国家資格もあり、「仕事のスキルアップをしたい」「会社のお給料をアップさせたい」「介護士から上の職種に就きたい」という方はそれらの資格が必要となってくるかと思います。しかし、「介護士として生かせるもの」でしたら、パソコンスキルも介護士にも事務作業はあるのでもちろん生かせますし、音楽スキルでも、レクリエーションでご利用者と歌うこともリハビリの一環となります。本を好きな方も、ご利用者が話の好きな方でしたら、話のタネにもなります。どんな経験でも生かすことが出来るのが介護というお仕事です。
介護老人保健施設の介護員の仕事に向いている人・向かない人
介護は体力勝負な面もあるお仕事力です。なので体力がある人はとても重宝されます。また、人と関わることが好きな方も大事ですが、あまり深くかかわりすぎた為につらくなってしまう場面もあるため、ある程度人との関わりに線引きを出来る方なんかも向いていると思います。人に注意を向ける事が出来る方も、ご利用者の危機回避のためにとても重要な能力の一つなので、注意力のある方もとても向いていると思います。
向いてない方は、第一に「汚い」と思われる仕事ができない人です。他人の排せつ物を掃除したり、入浴の介助で体を代わりに洗ったり、そういうことを想像でもできない方はまず向いていないと思います。また、優しすぎる方も向いていないかと思います。向いている人に「人との関わりに線引きのできる方」を上げましたが、優しすぎるがゆえに、ご利用者からの厳しい発言に耐えられなかったり、その方の為の厳しい発言(リハビリの促し等)が出来なかったり、ご利用者からされる可能性のある嫌な事(セクハラや暴力)を耐えてしまったり、そういった可能性もあることから、優しすぎる方にもあまりお勧めは出来ない業種と思われます。
介護老人保健施設の介護員仕事でのキャリアパス
まず、学生から介護を目指している方は、専門学校を通うことで、卒業とともに介護福祉士の資格も取れるため、その後は業務経験を積むことでケアマネージャーをや社会福祉士を目指す方が多いです。男性は特に介護士よりもケアマネージャーの方が、お給金が良いという都合等で目指す方も多いようです。
社会人から介護士を目指すという方は、始めの初任者研修の資格は数か月で取れたり、ハローワークで資格を取ることもできるので、始めることはそう難しい事では無いのかなと思います。しかし、介護福祉士をとるとなりますと、3年以上の業務経験と実務者研修と筆記試験が必要となってきますので、時間とお金がかかってくるので要注意です。
介護士として肉体労働から始め、ケアマネージャーを目指し事務仕事へ移行していくというのが、特に多い出世ルートかと思います。
介護老人保健施設の介護員業界の最近の動向
初期の介護業界の決まりと比べて、現在は色んな項目で細かく介護業務が制定されています。肉体的暴力、精神的暴力、拘束介護、過去にあった問題からご利用者を守るために改正されたものがほとんどですが、実際働いてみると、「ここはもっとこうさせてほしい」「これが出来た方がご利用者はもっと安全なのに」と感じる部分が多少なりともあり、働く分には疑問に感じてしまう部分もあるかもしれません。また、改正してなお、介護に関する事件や事故のニュースは絶えることがありません。高齢者が増えていく一方で、介護側の手が圧倒的に足りていないからです。今後も介護士を目指す方が増えることはあまり望めないと思います。どの業界も人手が足りないと声が上がりますが、この業界もそのうちの一つです。今後も、問題が起きるたびに、やらなくてはいけない業務が増えていく。そんな仕事かと思います。その反面、人手が少ない分、ご利用者を支える仕組みを変えていこう、という研究も日々重ねられています。介護アシストのできる機械の開発、嚥下機能が悪い方でも楽しめる食事の開発、ケアの頻度を減らせるようなご利用者の負担を減らせるベットや車いすの開発、人の手が足りない分、いろいろな面での発展も見られている業界であります。
介護老人保健施設の介護員仕事を未経験で目指すには?
人を支える仕事は、精神的にも肉体的にもつらい面が多いお仕事です。ですが、そこを乗り越えると、確かなやりがいと充実があります。誰しも必ず老いていきます。老化に合わせて体も不自由な事が増え、脳の機能にも不自由が出てくるかと思います。それを支えるのが介護というお仕事です。そしていつか自分も支えてもらう事になるかもしれないお仕事です。この仕事を目指して、理想との違いにやめてしまうかもしれません。つらくて仕事を続けることが出来ないかもしれません。しかし、この仕事を目指そうとしたことはとても価値のある事だと思います。長く生きれば高確率で出会う業種です。もしこの仕事の目標に到達できないことがあっても、どうかこの仕事を誇りあるものだと知っていてほしいです。
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