和菓子屋職人の仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

和菓子屋職人での主な仕事内容

主な仕事内容は、和菓子を製造することです。

ですが、どの様な和菓子屋で働くかによって、作る和菓子の種類がかなり変わってきます。
例えば上生菓子屋だと、茶道で食べるような上生菓子
(練り切り、上用饅頭、きんとん等)を作り、
生菓子屋だと、朝生菓子(朝作ってその日のうちに食べる為にそう呼ばれる)の大福や桜餅などを作ります。

餅に特化した餅屋、金平糖屋、カステラ屋、飴やあられも和菓子屋です。

他には、観光客向けのお土産の饅頭や、スーパーに卸す、卸しの和菓子屋もあります。

私は、その中でも上生菓子屋と朝生菓子屋、卸しの和菓子屋に勤めていました。
上生菓子屋では主にお茶会で使うものを手作りしていました。
お店でも勿論売っていて、百貨店からも注文がありました。

朝生菓子屋や卸しの和菓子屋では、団子やどら焼きを手作りしていました。こちらは機械で製造することもありました。
お客様に見せながら製造することもありました。

客層が違いので面白いところです。

和菓子屋職人ならではのやりがい

和菓子を作りながら、季節を感じることが出来るところです。
春には桜餅、夏には蕨餅、秋には栗の金団、冬には上用饅頭など
一年全て違います。
また行事に使うことが多いので、日本の伝統や文化をより詳しく
知ることになります。自分の国や文化をより誇りに思える職業はそうそうないかと思います。
食べることが好きで、作る事が好きなのもあります。
毎日何か、自分で美味しいものを作っているというのはたまらなく幸せなことです。
和菓子は繊細で美しいです。
色合いをごちゃごちゃ使うのを嫌い、一色だけで表現されたもの
もあります。
また、名前を付けないとそれがなんなのかわからない和菓子すら
あります。多くを語りすぎない、イキな文化が日本らしくて和菓子が好きです。勉強するとますます分からないことが増えて魅力的です。
後は、もちろんお客様に美味しいと喜んで頂けることです

和菓子屋職人のマイナスポイント

お給料が安いことと、休日が少ないことです。
お金は綺麗事ではなく、働いていることの対価です。
自分が働くモチベーションにも繋がりますので、修行だからといって安い給料でも良いと求人に飛びつくのは浅はかだったと思いました。
和菓子の勉強で、食べ歩きをしたり、練習のために材料を買ったりするのであまり資金がないのも考えものです。
また、独立してお店を出したい人はお金がいくらあっても
たりないと思うので…
私はこの年にしては同年代と比べて貯金額がかなり少ないです。
家族を養えないからと、辞めていく人も実際かなりいました。
あとは、体力仕事なので、休日が少ないのは痛いです。
繁忙期はかなりしんどいです。回復する暇がないからです。
腰が悪い人もかなりいました。

和菓子屋職人の仕事に活かせる経験・スキル・資格

無くても和菓子職人として働くことはできます。
しかし、製菓学校にいって製菓衛生師をとって知識をとっておくと、職場の衛生により目がいきますし、重宝されます。
他には働いて腕を磨いて、製菓技能士の試験を受けることが出来るようになりす。これは自分がどれくらい出来るのか、
自信につながる資格となります。

和菓子屋職人の仕事に向いている人・向かない人

和菓子屋を何軒かまわりましたが、大半が休みが少なく、
労働時間が長く、給料が低いというのがリアルな現状です。
和菓子が好きでないと心が折れてしまいます。
また、細かい仕事ですが、不器用な人でもやりたいと思って努力すれば出来るようになりますので、器用かどうかはさほど重要ではありません。
ただ、繊細な作業が多いので、仕事時間外で練習や予習することが必須です。
自分の時間を大事にしたい、残業は嫌だという人は向いていません。
また、主観ですが料理が全く出来ない人はあまり向いていないかなと感じました。
並行同時に仕事を進める事が出来ないと、仕事が回りません。
時間の使い方が下手な人はずっと残業する羽目になります。
包丁が使えない人は話になりません。

和菓子屋職人仕事でのキャリアパス

私が勤めていたところでは、
社長の下に製造の責任者である工場長がおり、他は全て平社員でした。

先輩、後輩の上下関係がかなり厳しいです。
ですが、全て年功序列というわけではなく、仕事が出来るかどうか、全ては自分の腕にかかっています。
仕事が出来ない人は、いくら長くいても簡単な仕事しかやらせてもらえないです。
基本的に、材料の原価が高いので、製造に失敗すると経営にダメージが大きいです。
ですから、信用のおける人にしか製造を任せられません。
最初は掃除、材料の軽量などの簡単な仕事ですが、
それらをきちんとこなし、少しずつ
初心者でもやりやすい仕事を
成功させて信用を獲得していくしかありません。
コツコツと積み重ねていくことです。

和菓子屋職人業界の最近の動向

不況と若い人の和菓子離れが原因です。
行事で使う和菓子も、買わない人が増えてきました。
子供の日の柏餅や粽、お彼岸のぼたもち、おはぎ等です。
働いていた和菓子屋全てでその傾向にありました。

夏は特に売り上げが落ち込みます。
ですが、和菓子屋も何も手を打たないわけではなく、
夏に蕨餅に力を入れてネット通販で販売したり、
和菓子屋に茶寮を設けてかき氷を年中提供したり、
新しいことにどんどんチャレンジしています。
これらはかなり人気が出ていて、メディアでも沢山取り上げられてほぼその売り上げで、もっているということもあるようです。

他には和菓子屋の和菓子屋職人が直接教えてくれる、和菓子作り体験なども各観光地で人気をはくしています。
これは、子供達が和菓子を好きになる、興味を持つという良いキッカケにもなっています。

また、和菓子と洋菓子を同時に販売している店も多々あります。
私も、和洋折衷のお菓子を製造していた経験があります。
それらは美味しくて、和菓子屋にあっても違和感がありませんでした。
和菓子と洋菓子の垣根が無くなる時代が来ると言われています。
和菓子屋も新しい転換期を迎えています。

和菓子屋職人仕事を未経験で目指すには?

和菓子屋を何軒かまわりましたが、大半が休みが少なく、
労働時間が長く、給料が低いというのがリアルな現状です。
また昨今のコロナ禍の影響をもろに受けて、どこもかなり厳しい状態の様です。
世の中に必ず必要な、いわゆるエッセンシャルワーカーではないので、不況の時はかなり悪い影響がでる職種です。
だからこそ、悪い状況を打破しようとする強いメンタルを持つ人
や、新しいアイディアを思いついて乗り切ろうとする人が生き残っていけると思います。

和菓子が好きと言う気持ちがあれば、器用でなくても努力する
気持ちが湧いてくるので大丈夫です。
まず、努力できることが大事です。

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