保育士の仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

保育士での主な仕事内容

子どもと一緒に遊びながら、成長を見守る仕事。一般的にはそんなイメージが強いかと思います。
実際は、子どもたちが遊びやすいように保育室を整備したり、新しく出すおもちゃを決めたりしています。子どもたちが楽しく遊ぶためには、「何が必要か」「より遊びが充実するにはどうするか」を常に考える職業ででした。
書類仕事も多くあります。「1ヶ月の指導計画」「週の指導計画」「1日の指導計画」など、とにかく計画書をよく書きます。子どもの命を守りながら、書かなくてはならないので、かなりの精神力を私は使いました。
それでも、良いところはあります。なにより「子どもたちの笑顔」は本当に可愛いですし、元気をもらえます。子どもって、友達と泣きながらケンカするんですけど、20秒くらいで仲直りして、「さっきはごめんごめん」と言うことがあります。「もう仲直りするんだね」とツッコミを入れたくなりますが、そういうことが多くてとても楽しかったです。

保育士ならではのやりがい

二つあります。一つ目は、子どもの成長を促進するための「環境づくり」にやりがいを感じました。保育室の絵本の内容を決めたり、どういったおもちゃを出すのかを決めたりして、実際に出してみる。そして、子どもの姿をみて、「もっとこうしたらいいかな」「このおもちゃはいらないかもな」などと考えるのにやりがいを感じました。

二つ目は、子どもの笑顔を見られること。毎日、元気に遊ぶ子どもたちの姿を見るだけで、こっちが元気をもらっていました。大変な仕事だとは思いますが、その分やりがいも大いにあると思います。特に行事など、イベントを子どもたちと一緒にやり遂げた時は、達成感に溢れていました。運動会や夏祭り、クリスマス発表会や卒園式など、プレッシャーに打ち勝つ子どもたちは、まるで大人のように凛々しい姿だったと記憶しています。

保育士のマイナスポイント

書類仕事が多く、残業が多いこと。子どもと関わる時間を一番大切にしなければならないのに、書類に追われる日々が続きました。保育業界は、他の業界に比べても「非効率」なことが多いです。たとえば、書類は手書き重視だったり、一度えんぴつで書いてからボールペンで清書したりと、「とにかく手間をかける」ことを良しとする風潮があります。今のベテラン層が30〜50代くらいの方が多いと思うので、保育業界でしかやってこなかった人は、パソコンを使うのが苦手なことが多く、私の務めていた園では「手書きのみ」のルールがありました。そこの園を辞めた理由も、「非効率な書類をするのが嫌だった」ことですが、この風潮はなかなか変わらないと思います。

保育士の仕事に活かせる経験・スキル・資格

保育士資格、幼稚園教諭資格があれば活かせます。今は無資格でも働けるので、取る必要もないと言われたらそこまでですが、給料が上がる園もたくさんなるので、個人的には取ったほうが後々役に立ってくるのかなと思います。

保育士の仕事に向いている人・向かない人

怒りっぽい人は向かないです。子どもを叱ることは、現代ではあまり良しとされていません。保育園は大切な子どもを預かる場所ですので、感情的になってしまう方は向かないと思います。

気配りができる、子どものことを優しく見守ることができる人は向いていると思います。子どもはついイタズラをしたり、やってはいけないことをやったりします。そんな時でも怒鳴ることなく、冷静に対処できる方は向いていると思います。

あとは書類仕事。文章を書くのが苦手な人は辛いかもしれません。それくらい、毎日書類を書いています。連絡帳や計画書、保育日誌や今日の振り返りなど、ー日に数枚書くので、それがストレスにならない方は、向いている方だと思います。

保育士仕事でのキャリアパス

こればっかりは、園の規模によるのでなんとも言えません。私の務めていた保育園では、それなりに大きかったので「主任、園長、リーダーが数人」程度でした。他の会社に比べると、役職のポジションは多くないのかなと思います。どうしても、「会社」などの大規模な組織ではなく、「保育園」という規模になってしまうため、キャリアパスは期待できないでしょう。

園長や主任になることができれば、それなりに給料も上がりますが、普通に保育士をやるだけだとやはり厳しいです。東京は給料が少しずつ良くなっていますが、地方では厳しいのではないでしょうか。今は「幼児教育」が注目されているので、もしかしたらこれから上がってくるのかなとも思いますが、あまり期待はできないでしょう。

保育士業界の最近の動向

最近は給料を見直す動きも出ています。また、保育方法も変わりました。これまでの画一的な一斉保育ではなく、「主体性」「個を尊重する」保育方針が注目されています。注目された背景としては、これからの社会では「指示待ち」ではAIに仕事を取られてしまうから。と言われています。自ら問題を見つけ、それを「解決することができる人間」に育てることを目的としてる園が多いです。
そして、より「個を尊重する」流れが強くなったことで、基本的に「叱る、怒る」はNGになっているところが多いでしょう。自己肯定感を一番に考え、個を尊重する保育方針。これが現代のトレンドです。

保育方針が変わるとともに、日本の教育も変わろうとしています。小学校では「アクティブ・ラーニング」(主体的で、対話的な学び)を重視する傾向が強くなりました。これも、先程の理由と一緒ですね。社会の変化は目まぐるしいです。日本の教育も変革期にきています。この、変革期の波に乗って、保育士の方々の給料や待遇、そして業務内容までもが見直される良い機会になることを願っています。

保育士仕事を未経験で目指すには?

誰でもできる仕事ではないと思います。「子どもが好き」という気持ちを強く持って、怒らない保育をしてほしいです。業務量が多く、体力を使います。ときには投げ出したくなったり、自暴自棄になったりしてしまうこともあると思います。そんな時は「自分を第ー」に考えて、休んでください。心が安定していないと、保育は行えません。一人でも多くの方が、気持ちよく、保育をすることができると良いですね。

新人の頃は、先輩の職員とぶつかることがあるかもしれません。そんな時は、迷わず「園長、主任」に相談してください。新人の時から先輩と揉めると、あとあと大変になってしまうので。

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