BULL/ブル 法廷を操る男の評価

今回紹介する作品タイトル

BULL/ブル 法廷を操る男

あらすじ

このドラマは、主人公である天才心理学者が訴訟コンサルタント業として、法廷で依頼人を勝利に導いていきます。心理学で陪審員の心を読み、裁判をコントロールするという、一般的な法廷ドラマと異なるも、スリルと人情味も満載で娯楽性の高いドラマです。また、ドラマは一話完結型であることから、視聴し易いことはもちろん、依頼人の勝利が逆に分かっているので、ハラハラ、ドキドキの展開があっても、安心して観ることができます。毎回、裁判が勝利した時の痛快感、爽快感は気持ちがよく、ついついこのドラマにのめりこんでしまいます。なお、訴訟コンサルタントはチームで対応します。主人公の心理学者の他、元検事の弁護士、元国土安全保障省職員、元FBI捜査官、敏腕ハッカー、弁護士志望のスタイリストなど、個性溢れるメンバーが更にドラマを盛り上げます。

おすすめする(見どころ)ポイント

ドラマの特徴である、陪審員の心理を読んで、裁判を有利に展開させていくという手法は、法廷ドラマの正統派を求める視聴者にとっては、やや違和感があるかもしれません。しかし、主人公のブルの右腕となる弁護士ベニーの存在は、そうした心配を払拭させてくれます。やはり、法廷ドラマでは弁護士の役割は大きく、どうしても注目してしまいます。正義感溢れ、説得力あるベニーの弁舌には引き込まれます。法廷で発言できないブルが、ベニーの対応に何度もうなずくシーンは、正に二人が一体となった感があり、見応えがあります。

改善してほしいと思ったポイント

裁判科学という見地から、事務所に法廷の陪審員と同じタイプ、考え方を持つ模擬裁判の陪審員を集め、同時進行で裁判を傍聴させる。その模擬裁判の陪審員の心の動きで法廷の陪審員の心理状況が分かり、裁判をコントールしていく。手法として可能なのかもしれませんが、、あまりにも現実離れしており、今一つ共感できません。

やるべき・観るべき

ドラマは、一次的に裁判に不利な立場となる弱者が依頼人となり、依頼人の無実を勝ち取っていく展開となっています。しかし、無実を勝ち取るだけでなく、ブルの優秀なチームメンバーの情報収集により、真の犯人を明らかにしていくところは、法廷ドラマではなく、本格的な刑事ドラマをも彷彿させるものであり、二重の楽しみがあります。

類似似作品

弁護士ドラマとしては、「スーツ」も同様に娯楽性が高くお勧めです。こちらは、一匹狼の敏腕弁護士とその部下となるアソシエイトがドラマの主役で、次々に難題を解決していきます。ただ、アソシエイトは経歴を詐称しており、その秘密を抱えたままの展開がドラマのキーとなります。ニューヨークを舞台にした、スタイリッシュでスマートなところも大きな魅力です。

総評

アメリカの訴訟は裁判の前に和解交渉、司法取引等が多く、真実を明らかにするより、貸し借りで合理的に決着させることが多い印象です。しかし、このドラマは、事実関係をはっきりさせ、正しいこと、間違っていることを明確にするという点で、大いに共感できるドラマです。特に社会的弱者を救うところは、もはや現実の世界でもなかなか見られなくなったところです。最後は正義が勝つ、というメッセージは、世知辛い世の中に生きる者をほっとさせてくれます。

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