営業事務の仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

営業事務での主な仕事内容

営業スタッフの後方支援として、問い合わせ対応や事務処理を行います。用意された席にはパソコンと電話があり、基本的に会社にかかってきた電話に対応しながら事務処理を行います。

電話の内容は様々ですが、主なものは以下の通りです。
・営業担当者への取り継ぎ
会社の代表番号にかかってくるので「営業担当の◯◯さんいらっしゃいますか?」といった電話が多くかかってきます。営業担当者が不在の際は、折り返し先の連絡先を聞き、営業担当者から電話をするよう手配します。

・見積もり・注文依頼
商品を購入を検討しているお客さんから「見積書を提示してほしい」と依頼されることがあります。商品名や数量、希望納期などを確認して、見積書を作成します。その後、注文となれば、出荷の手配をします。

・クレーム対応
時には、クレームの対応をすることもあります。電話でのやりとりで相手の心象を左右することもあるので、きちんとしたビジネスマナーや、先方の要望を正しく汲み取る力が必要となります。

営業事務ならではのやりがい

「事務」と聞くと、地味で単純作業だと思われるかもしれませんが、たくさんのお客さんと日々やりとりするのは、意外と刺激的です。

会社の顔となるのは実際にお客さんのところを訪問する営業担当者ですが、会社にかかってくる問い合わせの窓口となるのは、営業事務です。顔は見えなくても、やり取りを重ねるうちに信頼関係を築き、指名で頼ってもらえたときにはやりがいを感じます。

また、営業担当者は外出している時間が長いため、不在の間にお客さんからの問い合わせや事務処理が溜まってしまうこともあります。営業担当者が不在の間に営業事務が代行して問い合わせ対応や事務処理を行うことで、営業担当者はフットワーク軽く新しい仕事を取りに行けます。

直接セールスを行っている訳ではなくても、会社の売り上げに貢献できるのが営業事務のやりがいだと思います。

営業事務のマイナスポイント

営業事務は基本的に1日中デスクワークなので、肩こりや腰痛がつきものと言えます。椅子にクッションを置いたり、休憩時間にストレッチをしたりするなど、自分なりの対策は必要です。

営業職と比べると事務職は成果が目に見える形で計りにくいので、「がんばっているのに評価されにくい」と感じることもあります。アルバイトの場合だと、どんなに忙しくても時給は変わらないので損をした気分になるかもしれません。

月末や月初は事務処理が増えるため、残業することもあります。時には、営業担当者のミスで営業事務の仕事が増えたり、お客さんから怒られたりすることも。自分1人の力で完全にコントロールできる仕事ではないので、ストレスを感じることもあります。

営業事務の仕事に活かせる経験・スキル・資格

営業事務になるために必須の資格はありませんが、基本的なビジネスマナーは必要です。パソコン操作も不可欠なので、ワードやエクセルなど、基本的な事務スキルもあるといいでしょう。民間の資格だとITパスポートや秘書検定などの内容が活かせます。

営業事務の仕事に向いている人・向かない人

【営業事務に向いている人】
営業事務になるのに特別な資格や経験は必要ありませんが、やはり適性はあると思います。
・デスクワークが好き
・電話応対が好き
・パソコンでの入力作業が好き
・字が綺麗
・同時に複数のタスクを進行させるのが得意
・スケジュール管理が得意
このような素質がある人だと、営業事務の仕事で実力を発揮できるかもしれません。

【営業事務に向いていない人】
反対に、下記のような人が営業事務を仕事にすると、やりがいを感じられないかもしれません。
・自分で営業先を開拓していきたい
・ルーティーンワークよりも日々違うことにチャレンジしたい
・じっと座っているのが苦手
・成果が数字に表れる仕事をしたい
・パソコンでの事務処理が苦手

営業事務仕事でのキャリアパス

営業事務は、見積もりから受注処理、納品、そして請求処理まで、ビジネスの始まりから完結までの各工程に深く関わるため、世の中のビジネスの流れがよく理解できるようになります。そして、営業事務としてのスキルは汎用性が高いので、1つの会社で出世するキャリアパスもありますが、より待遇のいい会社に転職することもできます。

アルバイトや派遣であっても、経験があれば時給や待遇を交渉したり、正社員として採用してもらえるかもしれません。正社員の場合、社歴や職務内容に合わせて基本給も上がっていくでしょう。

また、営業事務で培ったスキルを応用して、接客業や営業職に挑戦する人もいます。自分で仕事をとってきて、事務処理もできるのであれば、起業という選択肢も開かれるでしょう。

営業事務業界の最近の動向

営業事務は比較的産休や育休も取りやすいため、女性に人気の職業です。しかし、産休や育休で欠員が出ても新たに事務員が補充されず、残っている人の負担が大きくなってしまうという課題もあります。雇用形態も、正社員よりアルバイトや派遣など非正規での雇用が多いようです。

近年では新型コロナの影響もあり、オフィスに出勤せず在宅勤務ができる会社も増えているようです。ただし、客先からの注文はオフィスでしか受けられない場合もあり、出社頻度は減らせても完全に在宅勤務だけで完結できる仕事とは言いにくいでしょう。

IT技術の発達により、人ではなく機械がある程度の事務を行えるようになってきたため、営業事務のニーズは以前ほど高くないのかもしれません。

しかし、現状では営業事務のニーズが完全になくなることは考えにくいでしょう。時代の変化やニーズに対応できるよう、既存の仕事だけでなく新たな業務にも対応できる多機能な人材でいられるかが問われています。

IT化の度合いは職場によって差があるので、ペーパレス化・オンライン化された効率的な職場もあれば、アナログな作業で非効率的な職場もあるでしょう。会社の規模や方針によって、働きやすさが左右されやすい職種とも言えます。

営業事務仕事を未経験で目指すには?

事務職の中でも、営業事務はお客さんと営業担当の橋渡して、お客さんがストレスなく取り引きができるようサポートをする重要な仕事です。売り上げにも関わるので、事務をしながら会社の利益に貢献している実感を持ちたい人はぜひ挑戦してみてください。

営業事務はライフワークバランスを取りやすい職種として人気なので、採用試験は難関かもしれません。パソコンの操作スキルは基本として、何か誇れる技術や経験があると有利です。これまでに事務の経験がなくても、接客スキルやパソコンスキルがあれば即戦力となります。

営業事務は社会人としての基礎を学びたい人にもぴったりの職種です。ビジネススキルを飛躍的に高められるので、将来的にキャリアアップしたい人の最初の一歩としてもおすすめです。

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