飲食店(個人店)のキッチン補助の仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

飲食店(個人店)のキッチン補助での主な仕事内容

キッチン補助は、調理師免許を持っているチーフなどのそばで、簡単な作業やサポートを担当するお仕事です。

わたしの勤務していた店舗は、個人店の飲食店だったので、モーニングに始まり、お弁当などを出すランチタイム、その後は夜までデザート類やパスタ、生姜焼きなどを提供していました。

わたしの入っていたのは主に早番でした。モーニングでは、コーヒーと一緒に提供する目玉焼きやホットサンド、サラダなどを作りました。ランチタイムのお弁当や生姜焼きなど、火を使うようなメインメニューはチーフが作ってくれるので、それ以外の、具をのせるだけの丼ものなどを、補助スタッフが担当します。

始めのうちは、主にアイスやパフェなどのデザート類、ドリンク類を覚えます。小規模な店舗では、補助のスタッフが洗い物も同時に進行すると思います。

慣れてくると、休憩中に従業員割引で注文が入るスタッフ用のごはんを作り始めます。徐々に、チーフの休憩時間の間は、火を使うポジションも担当できるようになります。

飲食店(個人店)のキッチン補助ならではのやりがい

キッチン作業の一番のやりがいは、やはりおいしそうに食べてくれて、完食した器が下がってくることだと思います。その店舗の作りでは、全席のお客様は見えませんでしたが、自分がこだわって作ったパフェなどがテーブルに出た瞬間に、「わぁっ、すごーい!」と歓声が上がると、「よしっ!」と思います。デートや友達どうしの一時が、少し彩られたかな?という感じがして、お役に立てた気がします。

個人店であるがゆえのやりがいは、やはりアレンジが自由ということです。チェーン店のキッチンでも少し勤めたことがありますが、チェーン店のメニューは、分量やデザインまですべてがマニュアル化しています。全く同じものを作ればよいという安心感もある反面、独創性のないつまらなさを感じる人もいると思います。私の勤めていた個人店のキッチンは、果物の個数など、基本的な分量を踏まえてさえいれば、デザインは自由だったので、「今日はどんなおしゃれなパフェを作ろうか。」と、やる気が出たのを覚えています。スタッフ間でも、「センスがいい。」とほめてもらえるので、嬉しかったです。

飲食店(個人店)のキッチン補助のマイナスポイント

キッチン作業のマイナス面は、やはりピーク時だと思います。一番大変なのはランチ、次にお休みの日に大人数で入ってきたお客様などがいる時です。

ランチのピーク時は、チーフの方が忙しいです。ですが、ピークが終わって洗い物が全部返って来ると、今度は補助の人が大変になります。個人店は人数が少ないので、洗い物をしながら自分の担当しているオーダーが入ってしまうと、かなり慌ててしまいます。ホールの人はピークが終わってのんびりしているのに、自分だけが最後まで仕事に追われるということも良くあったと思います。

大人数で大量のパフェが入る時なども、かなり大変です。基本的にはひとりで担当しているので、全部のオーダーを差がないように提供するのは、結構経験が必要だと思います。でも個人店は、チーフの方などが優しいと思うので、見かねて助けてくれたりして乗り切っていたと思います。

飲食店(個人店)のキッチン補助の仕事に活かせる経験・スキル・資格

キッチン作業でいちばん活かせるのは、もちろん調理師免許だと思います。わたしは未経験で入ったので、始めの頃は何が何だかわからず、「お荷物」感がありましたが、調理師免許があれば、すぐにメインの方の作業も任せてもらえるので、「役に立っている」と実感できると思います。また、シフトもたくさん入れるので、稼げるとも思います。わたしのお店では、新メニューの開発などもさせてもらえました。

飲食店(個人店)のキッチン補助の仕事に向いている人・向かない人

キッチン作業は接客がないので、基本的には黙々と、コツコツと作業をできる人が向いていると思います。教えられることがとても多いので、吸収してどんどん成長しようという気持ちがあることも大切です。

個人的には、接客で使うようなサービス精神も、あったらよいのではないかと思います。「喜ばせたい。いい思い出にしてほしい。」というような気持ちがあると、おなじオーダーを作っても、ずいぶん印象が変わると思います。1グループのオーダーに差ができないように作ってあげようと配慮するのも、お客様だけでなくホールスタッフにとっても嬉しいことだと思います。わたしはホールからキッチンへ行ったのでわかるのですが、そういう動きができて良かったなと思っています。

キッチンと言えどサービス業の一環なので、「オーダーを出せばいいんでしょ。」という姿勢で臨んでいる人には、向かないかもしれません。

飲食店(個人店)のキッチン補助仕事でのキャリアパス

個人店の飲食店でのキッチン補助では、調理師免許や食品衛生責任者などの資格を取って、社員などに昇格できると思います。チェーン店などよりは、個人店の方が、人も足りていないことが多いので、昇格しやすいと思います。わたしは調理方面には進みませんでしたが、同僚の中には、個人店で経営を少し勉強して、自分のお店を構えた人もいました。また、経験がしっかり積めるので、お店をやめた後に、大手チェーンのキッチンに採用され、正社員として就職、店長などの管理職になった人もいたと思います。

たとえお仕事に活かさなかったとしても、単純に料理がうまくなりますので、家庭でもじゅうぶん活かせるスキルが身につくと思います。ちなみにわたしは、オムライスを巻くスキルが、今でも活躍しています。

飲食店(個人店)のキッチン補助業界の最近の動向

近年はコロナ禍だったこともあって、わたしが勤めていたような個人店の飲食店は、とても厳しい状況だったと思います。いくつものお店が閉店してしまいましたが、半面、その空店舗を利用して、どんどん新しいお店が開店しているという一面もあると思います。近年は、コロナが回復傾向にあり、人手や外食も戻ってきたようで、ここからどんどん盛り上がって行くのではないかと思います。

ですが、そもそも個人の飲食店には、経営が難しい店舗も多いと思います。実際に、わたしの勤めていた店舗は昔からある古いお店で、広告宣伝があまり得意ではありませんでした。お店のスタイルにはじゅうぶん話題性があり、SNSに映える目立つメニューもたくさんあったのに、うまく活かし切れていないという感じがあったと思います。

ここから、個人の飲食店で働こうと思う方には、「自分のお店を持ちたいから。」などと言う理由の方もいると思います。たとえそういう目標のない方でも、経営が不安定なお店で働くのは、心配だと思います。新しくお仕事を探すのであれば、お店の個性の際立たせ方、売り出し方がうまい店舗などを選んでいくと、安定したり、勉強になるのかなと思います。

飲食店(個人店)のキッチン補助仕事を未経験で目指すには?

飲食店のキッチン補助は、未経験でも挑戦できるお仕事が多いと思います。個人店であればなおさら、どんな方でも手を出しやすいのではないかと思います。ただ、マニュアルがないことが多いので、「自分でどんどん学ぼう、展開していこう。」という気持ちを持って、取り組んだ方が良いと思います。ただ、特に調理師になりたいわけではない人でも、お料理が好き、人に喜んでもらうのが好きという人であれば、楽しく働けると思います。個人の飲食店は小規模なので、アットホームでチームワークの良い店舗が多いと思います。一生つきあえる仲間もできるので、楽しんで取り組めると思いますよ!

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