土木系事務員での主な仕事内容
土木業界というと、土方や強面のおじさんたちが多い印象だと思います。
事実、私が働いていた職場でも男性が多く、部署に女性は一人きりでした。
しかし、働きにくかったわけではなく、むしろ可愛がってもらいました。
土木業界、特に中小企業の仕事内容は以下のようなものです。
来客・電話応対から書類作成、また営業職の方のお手伝い、掃除まで幅広い仕事内容があり、基本的に一人でこなします。
大企業ではなかったので秘書などもおらず、突然の来客や重複に慌てることもありました。
書類作成については、私の会社では現場の方が個人で見積もりなどを行っていたため、入力のお手伝いやPDFをエクセルやワードに落とす作業が多かったです。
また、営業のお手伝いもあり、直接現場へ書類を持って行ったり、打ち合わせの資料の作成をしたりとパソコンをよく使用しました。
その他には、文具から作業着、現場で使用する工具の申請、健康診断の日程の調整、買い出しなど、雑務もあります。
基本的に一人なので、難しい仕事以外は頼まれることが多かったです。
土木系事務員ならではのやりがい
まさに「縁の下の力持ち」というところです。
事務所や応接間の片付け、書類の整理など、目立たない仕事ですが、そうすることで社員やお客様が気持ちよく過ごせるようになります。
美味しいお茶やコーヒーの淹れ方を勉強して、疲れた時にリフレッシュしてもらいます。
小さなことですが、気遣いや心遣いをすることが、私の事務職でのやりがいでした。
また、現場一筋でパソコンに不慣れな社員もいましたが、そんな方に書類作成を頼まれることも嬉しいことでした。
営業の方が仕事をとれたときはお手伝いした自分も一緒に喜び、取れなかったときは一緒に悔しがりました。
一体感を感じられるのも、中小企業での事務職のやりがいかもしれません。
事務職はよく、何でも屋さんのように言われがちですが、どんなことでも「頼られる」ということがやりがいに繋がっていたと思います。
土木系事務員のマイナスポイント
キャリアアップできないのが残念なところでした。
やはり中小企業、そして土木となると女性の地位はそこまで高くなることはないようです。
年齢での給与アップはありましたが、大きく評価されることはありませんでした。
仕事も基本的には新しいものはなく、ひな形がありそれに沿ってやっていくので、新しい技術を身につけることには向いていないと思います。
また男性喫煙者が多い職場でしたので、煙草が苦手な方には厳しい職場かもしれません。
喫煙室があったのですが、打ち合わせをそこですることも多く、お茶を運ぶたびに匂いがつく心配をしなければなりませんでした。
また小さなことですが、女性が少ないので、休憩時間など楽しくおしゃべりをすることができず残念でした。
土木系事務員の仕事に活かせる経験・スキル・資格
基本的なパソコンスキルがあれば、事務仕事はこなすことができます。また、慣れもあるため、就職してからでも問題ありません。
重要なのは、笑顔で明るく対応できることです。来客や電話応対があり、事務所でも現場や営業の方とやりとりがあるため、必要なスキルだと思います。
そして何よりも、「気づく」ことができることが大切です。
個人的には、運動部のマネージャーなどを経験された方は、縁の下の力持ちとして事務職に向いていると思います。
土木系事務員の仕事に向いている人・向かない人
先ほども述べたように、学生時代に運動部でマネージャーを務めた方が向いていると思われます。
また、子育て経験のある方も向いているでしょう。
事務職において「気付く」というのは非常に重要なことであり、それができる方が向いていると考えます。
また、派手さがない職業ですので、我慢できる、地道に努力できる、優先順位を見極められる方なども向いているでしょう。
逆にワンマンプレーをしてしまうタイプの方は向いていません。
基本的に目立たず、評価されにくいのが事務職です。
そこを理解できずに自分を前面に出してしまうタイプの方だと、現場との衝突を起こしかねません。
また、自分のペースで仕事をしたい方も、あまり向いていないのではないかと思います。
土木系事務員仕事でのキャリアパス
中小企業の事務職では、あまり出世などは見込めないのではないでしょうか。
先ほども述べたように、年齢による昇給はありますが、役職が付くなどはよほどのことがない限りありませんでした。
ただ、対面でお客様とやりとりをすることも多いので、接客スキルやビジネスマナーなどは身についたと思います。
また、優先順位を感じ取る、今必要とされていることを感じ取る、そういった勘は鋭くなります。
ただ、やりたい、手伝わせてほしい、と言えば現場も快く教えてくれるので、見積もりやパソコンスキルなど、自分から学ぶ姿勢を見せれば成長は無限大ではないかと思います。
直接給与に反映される出世・成長はありませんが、個人としての能力の成長は大いにあると思います。
土木系事務員業界の最近の動向
土木業界全般としては、若者の離職率が高いと嘆かれています。
特に中小企業では、現場の職人は中年以降の働き手がほとんどで、後継者が育てられないと聞きます。
ここには、「厳しい、危険、休みがない」といった、土木業界のイメージが先行していることも関係しているのではないでしょうか。
改善策として、福利厚生の充実や適切な待遇を受けられるよう、指導もされていると聞きます。
大手企業ではAIなどの導入も視野に入れ、生産性アップを目指しているところもあるようです。
ただ、土木業界は公的な仕事が多いため、景気に左右されず、現在コロナ禍ではありますが仕事がなくなるという不安は少ないように思います。
また、給与に関しては手当がつくことが多いため、内勤の方よりも高給であると言えます。
業界全体としては、やはり若者を採用したいと考えているため、採用率は高いと考えます。
事務職においては例年と変わらず人気の職種ですので、求人倍率は常に高いままです。
また、中小企業では正社員ではなく、パートで雇用したいという会社も多くあります。
土木系事務員仕事を未経験で目指すには?
先ほども述べたように、未経験でも笑顔できききと行動することができるなら、事務職に就くことは大いに可能です。
ただし、事務職=楽そう、というイメージを持つことはおすすめしません。
中小企業では基本的に「何でも屋」な事務員さんが多く、雑務も山のようにあります。
頼まれた仕事があり、自分のペースで仕事ができないことも多く、それがストレスになることも多々あります。
「縁の下の力持ち」である自分を認めて、裏方で事務所を支えていくという気持ちを持てる方であれば、素敵な事務員さんになれることでしょう。
「気づき」を大切に、あなたも事務所の一員になれるように頑張ってください。
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