俺の屍を越えてゆけの評価

今回紹介する作品タイトル

俺の屍を越えてゆけ

あらすじ

「俺の屍を越えてゆけ」はPlayStation専用のロールプレイングゲームです。
「死」という概念がかなり身近で、ひととおりプレイする中で必ず何度もキャラクターの「死」に直面する、特殊な側面を持つゲームでもあります。
時は平安時代。京の都は「朱点童子」を筆頭とする鬼たちに苦しめられてきました。
そんな京に平和を取り戻すべく、打倒・朱点童子に立ち上がったお輪・源太夫婦。
ふたりは朱点童子の目前まで斬り込みますが、朱点童子に我が子を人質に取られ、源太は討ち死に、お輪は朱点童子に捕らわれてしまいます。
そして、人質となったお輪・源太の子=主人公は、朱点童子から「短命の呪い」と「種絶の呪い」をかけられてしまうのです。
そんな主人公に、下界の様子を見ていた神々が手を差し伸べます。
主人公は神々と交わり、神の血を宿した子を成すことで、一族を繫栄させていき、やがて朱点童子打倒を目指していきます。

おすすめする(見どころ)ポイント

このゲームは、壮絶なストーリーに反し、どこか淡々とした印象があります。
その理由として大きいのは、鬼=敵が発言することはあっても、主人公たち=味方が発言することが無いからと考えられます。
しかし、それによって逆に想像力を掻き立てられ、ものすごく感情移入してしまいます。そこがこのゲームの大きな見どころです。
さらに、このゲームでは戦闘中に「進言」というシステムがあります。
プレイヤーがキャラクターの行動を決める前に、キャラクター側から「攻撃」「術」「防御」といった行動の希望が出されるのです。
この内容がキャラクターによって傾向が分かれるため、プレイヤーは言葉もないキャラクター達に強い個性を感じ、強い愛着が沸きあがります。

改善してほしいと思ったポイント

このゲームに「改善してほしい」と思ったポイントはひとつもありません。
多少不便に感じる点もこのゲームの味だと感じます。
欲を言えばもう一度プレイしたいので、PlayStationだけではなく最新ゲーム機やパソコンでもプレイできるようになってもらいたいものです。

やるべき・観るべき

世の中には、創作物に対して「すべて説明してほしい派」と「想像の余地を残してほしい派」の人がいるかと思います。
このゲームは圧倒的に後者です。
ゲームを完走したあとにもある程度謎が残りますし、そもそも主人公たちの人間性が全くと言っていいほど描かれないため、そのあたりはプレイヤーの想像力にゆだねられています。
そういった、想像の自由度が高い作品が好きな人に、この作品はオススメです。

類似似作品

「俺の屍を越えてゆけ」の類似作品には、PlayStation 4・PlayStation Vitaで遊べるソフト「ザンキゼロ」があります。
「ザンキゼロ」は無人島に漂着した8人の男女が、死ぬ→クローンとして蘇る、を繰り返しながら強くなるゲームで、代を重ねながら目標を目指すという点が似ています。

総評

「俺の屍を越えてゆけ」は、プレイヤーの想像力を掻き立てられる名作ゲームです。
キャラクターたちに明確な人間性が与えられていないからこそ、戦闘時の「進言」などから滲み出すわずかな特徴に個性・人間的魅力を感じ、キャラクターに愛着を持ってしまいます。
ストーリー性も強く、様々な面で奥深いゲームなので、気になった方はぜひ一度プレイしてみてください。

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