病棟クラークでの主な仕事内容
入院病棟内における事務作業がメインのお仕事でした。
主に看護師長を始めとする看護師さん達から依頼される書類作成、医師記録や看護記録などの書類の整理、日報の作成や報告など毎日決まった仕事を中心として動いていました。他にも院内におけるメッセンジャー業務や病棟内の備品管理や請求、患者さん家族への対応、院内の内線電話の対応、他部署や他の病棟との連絡係りのような業務もあり、専門的に何かの作業をするというよりは多岐に渡った業務が多く、難しい仕事は少なかったですが、病棟内の他スタッフの動きに反応することにより、病棟内がスムーズに動くということもあり、常に神経を張り巡らしていることが必要とされていました。
また、他部署とのやり取りの橋渡し的存在になることもあり、また患者様の家族さんの対応も多くあったので、コミュニケーション能力も必要とされましたが、色んな人と対応する中で難しさを感じならも、そのコミュニケーション能力が自然と養われていったように思います。
病棟クラークならではのやりがい
この仕事に就く前に職業訓練校にてパソコンの資格をいくつか取得していたため、面接の中でもその資格を買われていました。 実際に仕事に入るとスタッフの中にはパソコンの操作が苦手としている方も多く、毎日の決まった仕事以外に書類作成を頼まれる事も多くありました。 いつしか、そういった作業を多く頼まれるようになり周りのスタッフの方達から頼りにされる事で私自身の仕事上のやりがいを感じるようになっていきました。 また、他部署や他病棟ともその場所のスタッフと仲良くなる事でやり取りがスムーズになり結果的に私の働きが評価される事が増えていきました。 看護師長からの信頼関係も強まり、看護師長が他病棟へ異動する時には私も一緒にと言ってくれるほどとなり、元々、人の役に立つ事や頼りにされる事が好きな性分であった事もあり今までの仕事の中で最もやりがいを感じられていたと思います。
病棟クラークのマイナスポイント
他の病院関係で働いた事がないので何とも言えない所もあるのですが、私が働いていた病院では医療系の資格を持っていないスタッフは給与や賞与で大きな差をつけられていました。
また、医師に直接話しかける事も暗黙の了解のような感じで禁止されており、医師はかなり別格の位置にいたような気がしています。病院全体がそのような意識をもっているので、仕事上では周りのスタッフ達から評価されても昇給や昇格に繋がる事はなく、本当に気持ちの上だけで自分を鼓舞しながら頑張っていました。
患者の立場であったなら普通に医師と会話できるのに職員となった瞬間に医師はそういう存在ではなくなったことにとても違和感を感じていて、その気持ちを抑えていることに慣れるまで結構な時間を要しました。
病棟クラークの仕事に活かせる経験・スキル・資格
身分としては看護助手という形でしたが、私の業務内容で言えば医療事務の資格や病棟業務の経験があると役に立つ場面があったと思われます。
また民間資格で病棟クラークや医療秘書のようなものがいくつかあったと思うのでそれらも仕事に活かせる事が出来ると思います。
病棟クラークの仕事に向いている人・向かない人
自分で自分の業務範囲を決めてしまうような考えがあると辛くなると思います。
現に他の病棟で私と同じクラーク業務をしている人がそんな感じの人がいて、看護師長達から良い評価がされていませんでした。
また、コミュニケーション能力があらゆる場面で要求されるので、人との関わりが苦手な人は向かない仕事と思います。
また、病院なのでどうしても患者さんの病状悪化といった命に関わる場面が避けられないので、そういった事に強いストレスを感じる方は向いていない仕事の現場と思われます。
人に頼られる事や縁の下の力持ち的な存在でいる事が好きな人には向いている仕事と思います。
他の職種のスタッフ達とも仲良くなれる環境でしたので人とのコミュニケーションをとる事が好きな人にも向いていると思います。
病棟クラーク仕事でのキャリアパス
私が行っていた業務だけでは出世は望めない業務内容でした。自分の成長や出世を望むのであれば医療系の資格をとるか医療事務の資格をとって事務の方へ異動させてもらうという方法がありました。
幸い、医療系の資格を取る門戸は開かれていましたので、本人のやる気があれば介護士、介護福祉士、看護師など色んなチャンスはありました。私自身は費用の問題や年齢の事、また子供を育てながら仕事をしていたという環境から挑戦はしませんでしたが、周りの方達のなかには多くそのキャリアアップのための挑戦をしている方は多く、また病院側としてもそのための応援をする体制が整っていましたので人によっては資格を取得したり、またそれによって自分の行きたい部署への異動なども出来ていました。
病棟クラーク業界の最近の動向
病院としてはかなり大手の病院で、私が辞めてからも業績を伸ばし他の病院を吸収合併したりしてさらに大きくなっています。
また、介護業界への進出も目覚ましくデイケア、グループホーム、特別養護老人ホームなどといった多くの介護施設を作っているようです。それに伴い、職員の採用も増えているようでおそらく倍くらいの人数になっているようです。
介護施設の併設が多くなる事で職員の業務の幅も広がっているようで上の資格を目指して学校へ行ったり資格を取ったりする事に挑戦している人たちも増えていると聞きます。
私自身ももし環境が整っていたらと思うと少し後悔もありますが、自分が勤めていた事業所が発展していく様子を見るのは嬉しく思います。
今後、病院や介護といった分野は事業所としてもまた働く職員としても将来性がある分野だと思いますので、資格なしで入職しても諦めず頑張っていける環境は変わらずにいってほしいと思います。
地域の医師会と繋がっているという強みもあり他の地域病院よりはかなりよい環境下の病院であったと思いますのでそういった良い所は変わらないでほしいとも思います。
病棟クラーク仕事を未経験で目指すには?
今は特にどんな職場でも先輩方が優しく業務を教えてくれると思いますので仕事を覚えるという事に関してはそれほど心配はいらないと思います。
やる気と一緒に仕事をしている仲間のスタッフのために役にたちたいという気持ちがある事で自然と自分の役割のようなものが見えてくるので、気持ちは大事かなと思います。
病棟内だけで仕事をしている看護師や介護士のスタッフとは違い、院内の他の部署のスタッフ達との関わりがあり多くの人と仲良くなれるのもこの業務の良い所なのでコミュニケーション能力を養い、また活かしてほしいと思います。
また、未経験であるからこそ見える景色があり、思わぬところでそれが何かの役に立つ事もありますので臆せず挑戦していただけたらと思います。