ホテル客室清掃スタッフの仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

ホテル客室清掃スタッフでの主な仕事内容

わたしが勤めたのは、だれもが一度は耳にしたことがあるような、
都心にある老舗の大型ホテルです。

階数が多く、複数の清掃会社がフロアごとに担当しており、
わたしが勤めたのは、高層の5~6フロアを担当する企業でした。

大きな商業施設に通じる裏の出入り口から入り、
エレベーターで事務所のあるフロアへ行きます。
着替えてタイムカードを打刻したら、
本日の担当フロアへ向かいます。

清掃スタッフは、フロアごとに、4人程度のグループに分けられます。
各チームにベテランさんと言われる、
人生の先輩方が必ず振り分けられているので、
その方たちの指示に従って清掃を始めます。

ひとりひとりに、本日の清掃は6部屋などと目標が決まっているので、
それぞれ別れて個人的に作業を開始します。

もちろん初日には、社員さんがマンツーマンでお掃除の仕方を教えてくれる、研修があります。

お部屋に入ったらシーツやバスタオルなどのリネンの交換、
ゴミ捨て、ベッドメイキング、洗面やお風呂の洗浄と水拭き、
アメニティのチェックと交換などを行います。

作業自体はそこまで難しいものではないと思いますが、
みなさん、とても作業が早いので、始めのうちは少し大変かもしれません。

ホテル客室清掃スタッフならではのやりがい

客室清掃のお仕事の一番のやりがいは、
やはりピカピカになることだと思います。
もともとホテル自体がきれいなので、
水滴を全部ふき取って、水場の壁や鏡、蛇口などがピカピカになると、
本当に気持ちいいです。

また、わたしのいたフロアは高層階だったので、眺めが良いのも楽しかったです。
作業は基本的に1人なので、ちょっと外を眺めて息抜きをしながら、
もってきたお菓子などをつまんで、プチ休憩をとったりして過ごしました。

スイートルームを担当した時は、ゴージャスなお部屋を見られて、面白い体験でした。

わたしのいたホテルは大手だったので、時々、廊下で有名人とすれ違うことがありました。
すましたお顔で道をあけながら、「実物はほそ~い。」と思ったり、
その方が利用したお部屋を掃除に行って、
「このくらいのランクのお部屋に入るのかあ。」などと思ったり、
日常で体験できないことも時々ありました。

ホテル客室清掃スタッフのマイナスポイント

ホテルの客室清掃のマイナス面は、
所属する清掃会社の雰囲気によると思います。

基本的にベテラン勢の年配の先輩方は優しく、
一緒に働く外国人スタッフも楽しくて、とてもよくしていただきました。

ですが、ホテルという職種には、独特な空気感があり、
会社側はいつも忙しく、バタバタとおわれている印象でした。
フロアのチェック担当になった社員さんがイライラしていると、
言い方が厳しくなることもありました。
研修があまりしっかりしていなかったのと、
情報の伝達が悪く、教えられていないことで失敗をして怒られてしまい、
嫌な思いをしたこともありました。
もちろん会社によるものだと思いますので、
研修システムがしっかりしている企業を選べば、そんなことはないと思います。

ホテル客室清掃スタッフの仕事に活かせる経験・スキル・資格

ホテルの清掃スタッフは、資格がなくても活躍できる、
貴重なお仕事だと思います。
よく「毎日の家事ができれば十分なレベルの作業」などのお仕事説明を見かけますが、
家事すらできなくてもマスターできるだろうと思うくらいの作業だと思います。
実際にわたしが勤務していた頃は、家事などをほとんどしていなかったのですが、つとまりました。
清掃経験があれば、なお良いかもしれませんが、必須ではないと思います。

ただ、ホテルを利用した経験があると少しなじみやすいかもしれません。
わたしは利用経験がほとんどなかったので、
チェックイン、チェックアウトや、ドアノブにかける札の意味、
利用中のお客様の部屋のメンテナンスがどんなものかを、
始めはイメージできませんでした。
ホテル利用になれている人は、お客様の目線がわかるので、
理解しやすいと思います。

ホテル客室清掃スタッフの仕事に向いている人・向かない人

ホテルの客室清掃に向いている人は、
もちろんお掃除やきれいにする作業が好きな人です。
ホテルはもともときれいな建物なので、
ピカピカにするのはそこまで大変ではありません。

それから、まわりにふりまわされずに、
マイペースでモクモクと作業ができる人にも向いています。
ホテルは日によっては稼働率が高く、ばたばたとした雰囲気になっていることがあります。
その雰囲気にのまれずに、焦らずに丁寧な仕事ができるとストレスが少ないと思います。

反対に向いていない人は、
お掃除が嫌いな人、きれいな部屋に興味がない人、人と関わりながら働きたい人、
まわりの雰囲気を無視できない人と言えるかもしれません。

ですがこれは、あくまで都心のホテルの話であって、
観光地や温泉宿であれば状況は違うと思います。

ホテル客室清掃スタッフ仕事でのキャリアパス

ホテルの清掃業のスキルアップは、
やはり正確な作業を素早くこなせるようになることだと思います。
おそらくどのホテルにもベテランと言われる、経験の長い先輩陣がいて、
その方々が、スタッフの目指すものなのだと思います。
そういった方々は、作業がとても素早く、後輩のお仕事も手伝ってくれます。
ホテルは利用者によって部屋の状況が違いますので、思いがけないことが起こります。
「その場合はこうすればいい。」と、状況ごとに判断してくれる能力も優れていると思います。

また、もともと客室清掃スタッフをしていた人が、
長く勤めたことで、管理会社の社員になるというパターンもあるようです。
実際にわたしのいた会社でも、
そのルートで社員になった方がいらっしゃいました。
客室清掃は、部屋の稼働率によって収入が変わってしまいますので、
安定した収入を確保するには良い方法だと思います。

ホテル客室清掃スタッフ業界の最近の動向

わたしがホテルの客室清掃スタッフをしていたのは、
コロナ禍の数年前のことです。
ですがそのころから、老舗とはいえ稼働していない部屋が多いことが気になっていました。
そのホテルは、老舗で価格も高く、大きな建物だったので、
いっぱいになるのは難しいのかもしれませんが、
特に平日や、禁煙専用フロアなど特別な部屋の稼働は少なかったと思います。

2020年になって、おそらくホテルは利用者が非常に減ったと思われます。
観光地では特にその影響が厳しく、
閉店に追い込まれたホテルや旅館が、とても多かったと聞きます。
客室清掃のお仕事は稼働率に影響されてしまいますので、
この時に、やめてしまった方も多かったのではないでしょうか。

ですが、近年、とうとうそんな状況も改善され、
国内旅行や海外からの観光客も増え始めました。
地方での大きなイベントも続々と開催され始めたので、
客室清掃のお仕事も、どんどんニーズが高まるのではないかと思われます。
むしろ、ここ数年我慢をしていた方が一気に動くこと、
円安で海外から日本への観光客が増えることなどを考えると、
スタッフを増やしたいと思うホテルや旅館が増えるのではないかと思います。

ホテル客室清掃スタッフ仕事を未経験で目指すには?

ホテルの客室清掃スタッフは、未経験の方でも挑戦できるお仕事のひとつだと思います。
基本的にはチェックインまでに清掃するので、昼過ぎに終了することが多く、
家庭のある方でも影響しにくいお仕事ではないかと思います。
スタッフは一般的に女性が多いので、人生の先輩に話を聞いてもらうこともできると思います。

ただ、ホテルのスタイル(都心、観光、部屋数など)によって、
社内の雰囲気は変わると思いますので、
事前にしっかり確認をして応募をしたら良いと思います。

個人的には、アットホームな雰囲気で、
しっかり研修をしてくれるホテルが初心者の方でも働きやすいかなと思います !

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