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金属機械加工での仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

金属機械加工での主な仕事内容

図面をもとに、旋盤、フライス盤、マシニングセンターなどの工作機械で金属を加工します。 金属は鉄、アルミニウム、ステンレスなど様々な種類があります。 また、加工後の仕上げとして、バリ処理や寸法測定を行い、仕様に合っているか確認します。

仕事内容としては、まず図面を読めるようになることが必要です。 次に、工作機械の操作方法を覚えます。

工作機械は、手動で動かすタイプからNC(数値制御による加工)などがあります。 NC加工機は、Gコードという簡単なプログラムを作成し、その指示に従って加工します。 最近では、CAD/CAMというパソコンで書いた図面を加工プログラムに落とし込むこともできます。 その場合は、図面を書く人と機械を操作する人が別れて作業します。 また、機械加工でも、工作機械の特徴からその加工しかできない問題があり、1つの図面でも、旋盤からフライス盤、マシニングセンターと工程を分けて作業することがあります。 そのため、出来上がったときの喜びを皆で分かち合えます。

金属機械加工ならではのやりがい

複雑な形状のものが、図面通り加工できたときに喜びを感じました。

良くも悪くも自分が作った製品が目で見えます。

失敗すれば一目瞭然です。

しかし、加工したあとに検査工程を経て問題なく納品されたときの喜びは最高にやりがいを感じます。

製品によって、寸法公差というものが設けられています。

寸法公差は、加工精度に関するもので、プラスマイナスのズレの幅の許容値が決められています。

機械加工において1ミリとは、とんでもなく大きなズレです。

それが、十分の一、百分の1、千分の1と目には見えない精度を求められる加工があり、その公差範囲の加工ができる人はなかなかいません。

正に、職人技という世界でGコードでプログラムしたら終わりではなく、その前段階の準備段階で工作物の取り付け方や、加工に用いる工具、刃物の選定や痛み具合の確認などすべてを把握する必要があります。

金属機械加工のマイナスポイント

機械加工では、機械油が飛び散り、作業服や髪、顔も汚れます。

機械油にアレルギーがある方がたまにいますが、手袋をしての作業は機械に巻き込まれる危険性から禁止されており、アレルギーで辞められた方もいます。

また、金属を加工する工具や刃物で手を切ることもあります。包丁のように切れ味が良いものでないと金属は加工できないため、深く切って何針か縫う怪我をした人もいます。

NC加工機などの機械制御で動くものは自動で動くため、動いている工作機械に不意に近づくと挟まれたり、巻き込まれたり、突き飛ばされたりする危険性があります。

また、機械油が飛び散る環境なので、機械油に滑りにくい靴を着用しますが、それでも滑って怪我をすることがあります。

金属機械加工の仕事に活かせる経験・スキル・資格

技能検定でその人のスキルを証明できます。旋盤作業では実技はもちろん、学科の試験もあるため、一級や特級などを合格していれば強みになります。その他、工学部卒であれば、機械図面を読めるので、CADでも機械加工でも重宝されます。

金属機械加工の仕事に向いている人・向かない人

機械加工は、他人と関わらないと思われがちですが、一つの図面で多数の工作機械が必要になることが少なくありません。 その人の遅れが後工程の人にも影響するので、他人と関わりたくないと言うだけの人には向きません。 また、実際に加工する時間は長いです。 コツコツ長く単調な作業でも飽きずに集中力を持って取り組めないと続きません。

向いている人は単調な作業でも集中力を持って取り組め、周りの状況を見てコミュニケーションを取り進捗確認をできる人が向いています。

職人的な仕事であることから、一つのことにこだわり、深く追求して問題を解決しようとする姿勢や、なぜ上手くできなかったのか原因を追求しトライアンドエラーをきっかり繰り返すことができる人も向いています。

金属機械加工仕事でのキャリアパス

まずは、様々な工作機械を覚え、操作できることが第一歩です。

その後は、渡された図面を見て、どの工作機械を使い、どの順番で加工すればよいかイメージできるようになることが大事です。

それができれば、工場全体を指揮することができます。

また、一方である機械を極めるというのも一つの方法です。

ものによっては千分の1レベルの高レベルの加工を求められます。

それを自分が効率よく、より精度が高いものが加工できるようになり、その人にしか加工できない職人になれば必然的に難しい加工は自分に集まりますし、もし転職をすることになっても、自分の実績を話すことによりどれだけの加工ができるか分かりますので、キャリアアップにつながります。

金属機械加工業界の最近の動向

コロナの影響で仕事の総数が減っているのは事実です。

しかし、身の回りの車や建物などは物質でできているため、何らかの加工が必要であり、需要があることに変わりはありません。

加工対象が金属からプラスチック樹脂に変わることもありますが、それでも工作機械による加工はなくならないと思います。

国内での工作機械の需要が減ってきても、アジア各国ではまだ需要があります。

また、加工者はNC数値制御という自動化により人手がいらなくなると考えられた時期もありましたが、それを扱うのは人であり、加工のイメージがわからないとプログラムできません。

また、工具の選定や取り付け、その時の気温や湿度などの外気の状態などを総合的に判断するには熟練した作業者が必要です。

自動車産業においても、電気自動車化が進み、産業構造が大きく変わる節目に差し掛かっています。

そんな中でも、モノづくりには加工技術が不可欠であり、機械加工の経験や知識を深めて持っていることは、これからの時代にとってとても重要なことだと思います。

大きな成長はないかもしれませんが、なくなることのない大切な業界です。

金属機械加工仕事を未経験で目指すには?

未経験でも、ものづくりが好きであれば大丈夫です。

図面と聞くと難しそうですが、どこをどのくらい加工して削るかが分かればいいので、やりながら覚えることは十分可能です。

機械加工を覚えることにより、機械設計にキャリアアップすることも可能です。

加工することがイメージできないと図面はかけませんからね。

全てのモノづくりのベースは機械加工にあると言っても過言ではありません。

未経験でもやってみようという気持ちがあれば、経験が知識になります。

自分が加工したものが自分で見られるというのは、なかなかやりがいを感じるものです。