研修インストラクターの仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?

研修インストラクターでの主な仕事内容

自分が勤務していた企業とその関連会社の使っていたシステムが更改されることとなり
県下の全店舗の職員および管理職にオペレーション研修を実施することになった
金融関係になるので顧客あいての窓口業務、融資、支店長などの管理職における管理業務など
全般において理論(事務)と機械操作の打鍵を合わせて研修することとなる
またこれまでの事務についての変更点や対応など実務面でのフォローも必要であり
一般的な知識やスキル習得のみの研修とはことなり
対顧客への対応および説明についてもカバーする必要があった
研修期間は10か月限定
環境は専用の施設に端末を配備し、各コース数日かけての宿泊研修である
対象者は全職員のため、年齢、性別、キャリアなどさまざま
また店舗の規模や形態も一定ではなく想定される環境も固定されたものではない
研修は1回につき40名以下でメインインストラクターとアシストするインストラクターが1名ついて行う
おもにオペレーション中心に一日の業務をこなす想定である

研修インストラクターならではのやりがい

毎週研修に来る職員(生徒)により多く理解してもらえるところ
県下全域にわたり、自分が携わるカテゴリの研修を受講するが、複数コースを受けることになるので
生徒数がかなり多く、ひとりひとりにあった説明をすることは難しい
ただ、相手が聞きたいことは一定の傾向があるので、実務上問い合わせの多いケースを想定して
それをベースに説明していくと過半数の生徒の疑問に答えることができる
あとはそこから派生するであろうケースを想定し、「こういう場合もありうる」など先回りして説明を加えると
実務においての知識として役立ててもらえる
それまで少ない知識で上司や先輩からいわれるままに事務をこなしていた新人が、研修で得た知識をもとに
根拠を理解して顧客の要望に応えられたとき、あるいは顧客から感謝されたときなど
生徒とともに達成感を得られる
また、それまで荷電による説明では要領をえなかった生徒がピンポイントの説明で理解できるようになり
それが店舗全体に波及して質の高いサービスができるようになったとき、ミスが激減したときはとてもうれしかった
管理職や支店長クラスにも研修するが、相手が自分を覚えていてくれてたよりにしてくれることも励みになった

研修インストラクターのマイナスポイント

説明はパターン化できても質問はなにを聞かれるかわからないので
幅広い知識を要求されるが、準備等に追われて自己研鑽の時間がとりにくい
研修期間は限られているので説明がたりなくてもそこで終わらなければならないが
実際に店舗にいるわけではないのであとあとのフォローをすることができず
中途半端に終わってしまうこともある
自分がいくら入念に準備して理解してもらおうと思っていても、相手にそれを受け入れられないこともあり
結局なにも得ないまま帰してしまうようなときはとても落ち込んだ
インストラクターは二人ペアであたるのであるが、メインの講師はひとりであって相方はフォローするだけにすぎないので
孤独な戦いであり、またインストラクターどうしの考え方の相違があって見解を合わせることはできなかった
時間がいくらあってもたりなくて、研修期間を限定していなかったらどんどんはまってしまったと思う

研修インストラクターの仕事に活かせる経験・スキル・資格

教育実習もしくは塾の講師など
生徒はいろんな人がくるので、子供のいる人、高齢者の家族を持つ人、兄弟が多い人など
いろんな人と接してきた経験のあるひとはそれなりに有利
逆に本をたくさん読むなど、人間の思考について観察や考察をする習慣のあるひとは
個々の生徒になかに踏み込んでいくことができるので対応の幅が広がる
お話が得意な人は聞きやすいけれど、自分が話すことに傾いてしまっては逆効果なので
多少、説明がたどたどしくてもそこはマイナスにはならないと思う
むしろそのほうがなじみやすいとうけとる生徒もいるので気にしなくてよい

研修インストラクターの仕事に向いている人・向かない人

語彙を多くもっていて、さらに相手にあわせた形でアウトプット(言い換え)ができるひと
一度や二度の説明では定着したように見えてもすぐ忘れてしまうので、根気強く地道に繰り返し教える持久力のあるほうがよい
相手の言語感覚に合わせて説明できればとてもスムーズに理解が得られるが
そのとき理論に偏ってはダメ
いくら正しい理論でも相手の理解できることばで説明しなければ吸収してもらえない
インストラクターは間違ってはいけないわけではない
正しいことを教えることに執着する必要はないので、たまには間違えてみせることで
正しいものを見つけさせるような柔軟性もあったほうがよい
相手が予備校生であれば正しいものを提示しなければならないが
インストラクターの場合は完璧主義に走ってはいけない
生徒の二歩くらい先をのんびり歩けるくらいがよい

研修インストラクター仕事でのキャリアパス

本人が研修インストラクターとしてなにをめざすかにもよるが
生徒の育成に楽しさを感じるのであれば、ずっと現場で生徒と直接かかわる業務をこなすことになる
教材の準備やテキストの作成にはじまり、まずはメインインストラクターのアシスタントからはいる
メインになってからはできるだけ多くの生徒を判別し、各人にあった説明ができるような講師をめざす
個別の店舗から指名で研修依頼がくるようになれば合格
生徒に直接かかわらない企画分野のルートもある
研修を実施するための計画、事務を遂行するための手続きの作成と配布
施設や宿泊を含めた全体の手配など全体のスケジュール管理も必要
インストラクターが指名で出講するのに対し、
企画をもって研修計画を提案する営業的存在になる

研修インストラクター業界の最近の動向

以前は集合研修がメインであったが、いまどきはオンライン授業のほうが多いかもしれない
対面でカバーできていたことができなくなる点、相手の特性を把握しにくい点など留意することは多い
また、紙配布と違って研修資料もデータ配布になることが多い
一覧性のある資料を作る際には書き込みすぎに要注意
容量が増えすぎるのも生徒の手に余ることになるのでメインの資料は主要なことがぼやけないよう
シンプルな構成とし、サブ資料でその都度補足説明を加えるなど漫然とならないような配慮が必要
生徒の反応をみることができにくいので、事前にEラーニングなどを実施し、
どの程度の理解があるのかを把握するのもよい
研修のシステムが双方向であるかによっても対応は異なってくるので
まずはそこを踏まえて全体を企画することが必要となる
研修終了後、感想など生徒からのフィードバックを受けて分析しておく必要がある
オンラインになるとある程度生徒が均質化されるものの、ついてこられなかった生徒を拾うことが難しくなるので
埋没することがないよう個々人からの反応を把握しておくことが重要

研修インストラクター仕事を未経験で目指すには?

人になにかを教えることは日常でもよくあることですが
教えることが目的になっていてはいけません
最終目的は相手が理解することです
そのためには相手のなかにはいっていかなければなりません
生徒個人をよく把握しなければ相手の望む形で知識を提供することはできないのです
教える前に、相手のことを教えてもらってください
教育のかたちは相手次第です
生徒の数だけ教えるかたちがあると思ってもよいでしょう
そのひとにいちばん適したかたちはどれなのか、
まずは生徒からそれを学んでください
それから自分の中にある知識を伝えてください
そして、いま、このときにそれを理解できなくてもあせらないでください
教育は点です
点はいくらたくさんおいても点のままですが
点をつなぐことができれば線となり、面となります
点は教えてすぐにつながらなくても
ある日突然つながり始めます
それまで生徒を見守りながら点をはぐくみ続けてください

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