ライターでの主な仕事内容
広告代理店に勤めており、おもに雑誌、フリーペーパー、リーフレット、ホームページなどの文章を書いていました。社内の営業担当から仕事を依頼されたら、まずは取材へ行きインタビューをします。取材先はほとんどが飲食店、美容院、エステ店でした。その取材をメモして会社へ戻り、企画の意図や文章量に合った記事を書いて社内のウェブデザイナーへメールします。仕事はおもにこの流れで繰り返しおこなわれます。多いときで1日7件ほどの取材が入ります。取材場所や時間を考慮して遅れないように、また無駄な空き時間が出ないように効率よく取材のスケジュールを調整します。この作業が意外に大変で、道を熟知していたり高速道路を走り慣れていなければ、遅刻しそうになり焦ります。取材のない時間は会社に戻り、ひらすら溜まりに溜まった記事を書いていきます。会社にいれば電話対応や来客対応もせねばならず、案外集中してライティングが出来ず進みません。
ライターならではのやりがい
自分の書いた記事をクライアントや営業担当やウェブデザイナーに褒められると素直に嬉しいですし、やりがいを感じます。クライアントによってはいつもライター担当を指名されたりするので、選ばれたときはモチベーションがあがります。そしてなんといってもやりがいを感じる瞬間は、自分の書いた記事が雑誌やホームページに載ったのを見たときです。何年続けていても嬉しいもので、見るたびにもっともっと文章が上手になりたいとやる気もみなぎります。広告代理店に所属しているときは企画会議から参加させてもらえ、ライターながら企画案を出させてもらう機会もありました。自分の企画が採用されたこともあり、その雑誌を見たときはいつも以上に興奮しました。そして社内にいる営業、エディター、ライター、ウェブデザイナー、経理担当さんたちとはチームであり戦友のような関係を築け、校了のたびに達成感を感じて喜び合っていました。学生が文化祭前に一致団結して徹夜で準備している感覚に近く、同じ志の仲間たちと楽しい時間を過ごせやりがいもありました。
ライターのマイナスポイント
広告代理店はひたすら忙しいです。1日が24時間だと足りない感覚で、毎日4〜5時間睡眠が当たり前でした。入稿前はさらに激務で36時間勤務なんてザラでした。男性社員はそこらへんのソファやら床でキャンプのように気軽に寝てますが、女性はお風呂に入れなかったり化粧がおとせなくて辛かったです。それと若くてもそんな生活を続けていたらやはり心身共に不調になってきます。そもそも休日も週に1日とれるかとれないかの上に、休日は消化器科、婦人科、皮膚科、眼科、歯医者など病院巡りでした。睡眠が足りていないことによるストレスで、次から次へ身体に異変が現れました。当時まだ20代ですから、今も続けていたらと思うと少しゾッとします。
ライターの仕事に活かせる経験・スキル・資格
専属のライターとして広告代理店や印刷会社に所属していれば、そんなに資格はいらないと感じます。なぜなら営業は担当者がいて努力や実力がなくても絶えず仕事がもらえるからです。経験や知識はあればあっただけ幅広く記事が書けため有利です。
ライターの仕事に向いている人・向かない人
なにげに体力勝負です。体力や健康に自信のある方しかできないと思います。あと夜にライティングすることが多いため、夜型人間の方がライターに向いているように感じます。あとは好奇心旺盛だったり、トレンドに敏感だったりとフットワークが軽くアクティブな人が多い印象です。ライターはデスクワークで引きこもってずっと記事を書いているイメージかもしれませんが、案外人脈が大切だったり世の中や他人に関心を強くもった上でコミュニケーション能力が問われると職業だと思います。文章を書くことが得意というのは大前提なのですが、それだけではライターの仕事は難しいのが現状です。書く内容や語彙力は自分の引き出しからしか出ないので、そこの容量を常に大きく持っておかないと何万件もの記事は書き続けることが難しいと思います。
ライター仕事でのキャリアパス
まずは広告代理店や新聞や雑誌の出版社などで専属ライターとして実績を積むことをおすすめします。実はライターは独立が最もしやすい職業とも言われているのです。初期投資はパソコンもしくは現代ならスマホやタブレットさえあれば誰でもライターを名乗れます。明確な資格や技術がないことも独立しやすい理由だと思います。理由があってあまり外で働けない方や本職があっても隠れて副業したい方にも敷居の低い職業です。しかし仕事の依頼が継続するかは別問題で、やはりコツコツ積み上げてきた実績が物を言います。いずれフリーライターになったとき、書ける記事に大差がでます。そこから自分の得意を伸ばして、シナリオライターや小説家になる方もいます。
ライター業界の最近の動向
広告代理店や出版社に勤務するライターは、雑誌や新聞などの紙媒体への記事作成が近年急速に減少しています。変わってインターネットの電子媒体が増えていますが、紙媒体と違い無料コンテンツも多いため出版業界などは大打撃です。一方で感染症の流行以降、ウェブライターが急増したとよく耳にします。確かに自宅で初期投資があまりかからず気軽に始められる職業だと思います。また本業とは別で副業だったり、主婦の方が隙間時間を利用して気楽に始めることが多いようです。理由はスマホアプリの普及により需要が増えたからです。単価の安い記事ばかり書く初心者ライターも目立ちますが、スキルを磨き続ければ継続的に高単価の仕事もできます。近年はさまざまな仕事をAIがやっていますが、クリエイティブなライターの仕事は難しいと言われています。日本語は言い回しなどが繊細で表現方法も多岐に渡るため、やはり語彙力やスキルのあるライターは重宝されます。専門分野をいくつか持っているライターは強みになるので、どれだけライターが飽和状態になっても生き残れると思います。
ライター仕事を未経験で目指すには?
ライターはなろうと決めた日から名乗れる職業ですし、資格も経験もまったくいりません。しかしさまざまな知識や経験は大切です。いろいろなことに興味を持ったり追求することで自分の引き出しは増えていきます。時間や労力さえあれば、出版社や広告代理店でライターとして実績を積むことをおすすめします。ライティング以外の全体の流れを把握することもできるし、クライアントや営業担当の意向も知ることができます。時にはエディターや企画の仕事を任されることもあり、長い目で見て自分にとってクリエイティブで有意義な時間になると思います。
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