今回紹介する作品タイトル
それでも夜は明ける
あらすじ
実在する黒人音楽家ソロモンが家族と幸せに暮らす中、突如誘拐され奴隷として約12年過ごします。奴隷制度が禁止される前のニューヨークで起こった実体験に基づいた作品です。ソロモンは狂信的選民主義のエップスが仕切る南部の大農園に売り飛ばされます。そこで体験する凄まじい差別、奴隷としての扱いは目を塞ぎたくなるほど酷いものでした。そこで出会った奴隷制度撤廃派である良心的なバスに、北部の友人に手紙を送ってもらえる事になります。奴隷生活を送りながらバスを信じて待ち、ついにソロモンの故郷から迎えが来ます。故郷へ帰り、家族と感動的な再会を果たします。しかしその12年間は戻る事のない期間で、他の奴隷とされる者たちは変わらぬ日々を過ごします。
おすすめする(見どころ)ポイント
ブラッド・ピットが制作に関わった作品で、カナダ人の大工士バスとして作中にも登場します。登場場面は少ないですが物語のとても重要な人物で、存在感も抜群です。ダークで悲しいシーンが多く続く中、バスの登場は救いの光のような希望にも見え、唯一和むシーンになっています。ブラッド・ピットは見どころの一つです。
実体験に基づいているので、実際に起こっていた事だと思うと本当に恐ろしいです。酷い扱いを受け、痛々しい場面も多いです。
改善してほしいと思ったポイント
終始暗く悲しい印象の作品ですが、ラストは家族の元に戻れるので、その幸せを取り戻していくシーンを多く取り扱ってもらいたかったです。傷は残りつつもソロモンの幸せな笑顔や、バスとの再会などもっと深く追ってほしかったと思います。
やるべき・観るべき
奴隷制度が廃止になる前の現実を知る事ができる作品です。アカデミー賞を3部門受賞した映画なので、見応えはあります。逃れられない暗闇から希望を捨てずに、何とか抜け出すソロモンの姿に観た後も考えさせられるものがあります。
農園の支配者エップスの演技力も、冷酷さや卑劣さを見事に表現していて作品に入り込めます。
類似似作品
黒人の差別を題材にした作品は他に、アメリカの息子、デトロイト、ヘルプ~心がつなぐストーリー~があります。ヘルプは、差別はあるが前向きに差別を無くしていこうとする白人女性の物語です。救いのある見やすい作品です。
総評
実体験というのが嘘だと思いたくなるほどの、辛い日々が赤裸々に描かれています。現在もこういった奴隷制度は私達の知らない場所で起きているのかもしれません。平凡に過ごせている事に改めて感謝しようと思える作品です。農園で同じ奴隷として過ごすパッツィとのお別れシーンは切ないです。逃れる側の罪悪感と残される側の絶望感を感じました。ヘビーな内容が続き最後は救われますが、やはり何か考えさせられる作品です。
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