人生で一番印象に残っている恋愛
地方都市には、未だに暴走族がいる。
私が学生だった数十年前は暴走族全盛期で、友達には暴走族の構成員・準構成員が沢山いた。
〇〇高校を志願すると、中学の先生に言われたのが、「〇〇高校にはヤンチャな生徒が多いけど、大丈夫か?」。
家が貧しかった私は、手に職を付けられる〇〇高校に進学した。
卒業生の多くが就職をする〇〇高校には、案の定、ヤンチャな生徒が多かった。
ヤンチャな生徒が多いと分かっていて、入ってくるのだから、クラスメイトの殆どがバリバリのヤンチャな生徒。
そのヤンチャな生徒らに、私がジロジロ見られるのは、どうしてだろう?
私、「どうかした?」
クラスメイト達、「お前、邪魔だ」
邪魔なら私のことを見なければ良いのに、とは思っても相手はバリバリのヤンチャな生徒、思うだけで口には決して出せない。
授業が始まっても、ヤンチャなクラスメイトらは私のことを見ているのだが、先生は注意をしない。それどころか、先生までもが私に「お前、邪魔だ」。
担任の先生にまで邪魔者扱いされヘコタレている私に、「一緒に帰ろう」と声を掛けてくれたのが、隣の席に座るクラスメイト。
そのクラスメイトと一緒に登下校するようになると、私は学校中を敵に回した。
なぜなら、私に優しくしてくれるクラスメイトは、地元では知らぬ者がいないと言われているメッチャ可愛い女の子だったから。
クラスメイトらに「お前、邪魔だ」と言われたのは、私がいるとメッチャ可愛い女の子が見えないから。
一番嬉しかったこと
ヤンチャな生徒が多いと、それらを取り締まる先生はメッチャ、ガラが悪い。
今と違って、当時は体罰が容認されており、先生が生徒をボコボコにすることは日常茶飯事。
校門には、生活指導の先生が必ずおり、タバコを吸って通学したらボコられる。吸ってなくても、シンナーの匂いがしただけでボコられる。
高1の2月14日、地元では知らぬ者がいないと言われているメッチャ可愛い女の子(隣の席のクラスメイト)が、正規のカバンとは異なるカラフルなバックを持って通学すると、生活指導の先生が「それは、何だ?」。
メッチャ可愛い女の子、「彼にあげるチョコレートです」
それを聞いて学校中がザワついた。
体育の授業は、女子が教室で着替えるため、男子は廊下で着替えなくてはならない。
着替え終えて教室に戻ると、私の机の上に、あのカラフルなバックが置いてあった。
皆も、そのことに気付いており、私がどうリアクションをするのか見ている。
当時の若者には義理チョコの文化がなかったため、2月14日にチョコレートをもらうということは、何を意味するかは非モテな人生を送って来た私でも分かったのだが、周囲の目が怖かった。
リアクションに困っていると、チャイムが鳴り先生が来て私に言った、「(チョコレートをもらったのが)どうして、お前なんだ!」、それを聞いて他のクラスメイトは大きくうなずいた。
印象的な喧嘩の内容
私、「一緒に登下校をするのをヤメない?」
彼女(地元では知らぬ者がいないと言われているメッチャ可愛い女の子)、「どうして?皆にイジメられるの?」
10代の男子が、皆にイジメられているとは言えず、「他の子と通学したいから」と心にもないことを言ってしまった。
チャイムが鳴り先生が来ると、
先生、「A子は何処に行った?」
私、「・・・」
先生、「お前に聞いているんだよ」
私、「分かりません」
先生、「分かりませんって、お前達、付き合っているんだろ」
私、「・・・一応」
この「一応」が保健室で休んでいた彼女の耳に入ると
彼女、「一応、付き合っているって、何?」
私、「仕方がないじゃない」
彼女、「意気地なし!」
10代の男子だった私に、彼女から言われた「意気地なし!」は、心に「グサっ」と突き刺さった。
一番悩んだこと
地元では知らぬ者がいないと言われているメッチャ可愛い女の子と付き合うと、心配事が多い。
私と一緒に歩いていても、メッチャ可愛い彼女は、他校の生徒からファンレターをもらうことは珍しくなかった。
担任や生活指導の先生から言われていたのは、「彼女に何かあったら、お前、◯すぞ!」
学校の先生が教え後に「◯すぞ!」なんて普通は言わないのだが、ヤンチャな生徒が集まる学校の先生はマトモではなかった。
「彼女に何かあったら、お前、◯すぞ!」と先生達に言われていたため、雨の日も雪の日も彼女を自宅近くまで送って行った。
彼女、「ここで良いから」
私、「自宅まで送って行くよ」
彼女、「もうすぐだから、ここで良い」
自宅まで送るのを頑なまでに彼女が拒むため、彼女の実家が気になりコッソリ後をつけると、彼女の実家は大豪邸だった。
大豪邸だと、彼女が家に近付くと、勝手に門が開く。
コッソリ後を付けていた私が、「凄えなー」と思っていると羽交い締めにされた。
私、「苦・し・い」
私を羽交い締めにしている人、「二度と来るな、分かったな」
私、「分・か・り・ま・し・た」
私を羽交い締めにする人は、腕が太く、しかも、怖そうな絵が腕に描いてあった。
この人は、何者?
酒やけした声のため、学校の生徒ではない。腕に怖そうな絵が描いてあったため、学校の先生でもないような気がする。だったら誰だ?
その悩みをどうやって解決したか
ある日、彼女の使いの者から「彼女は遅くなるから先に行くように」と言われた。
彼女が遅くなる理由より気になったのが、彼女の使いの者の腕には、怖そうな絵が描いてあったから。
気になるのは、腕に描いてある怖そうな絵が、以前見たものとは違ったから。
以前見たものとは違うと言うことは、描き直したということか?
学校で授業を受けていると、クラスがザワついたのは、彼女が遅れて来たから。
クラスメイトの女子が遅れて来たくらいでは、ザワつかない。
クラスメイトがザワついたのは、彼女が乗って来た車が、やたらと長かったから。
クラスメイト①、「初めてリムジンを見た」
クラスメイト②、「俺も」
都会と違って地方都市ではリムジンは珍しく、
担任の先生、「俺も初めてだ」
ザワ付いたのは、私のクラスだけでなく、学校中がザワ付いた。
授業が終わり、個室トイレで用を足していると、
生徒①、「リムジンに乗って来たA子(私の彼女)って、親が〇〇なんだろ?」
生徒②、「そうらしいね」
生徒①、「いくら可愛くても、親が〇〇の娘とは俺は付き合えないな」
生徒②、「俺も」
この会話を聞いて、彼女の実家が大豪邸だった理由が分かった。
その相手との後日談
先生達から、「彼女に何かあったら、お前、◯すぞ!」と言われていたため、私から「別れる」ということはあり得なかった。
高校を出てお金を稼ぐようになった私は、中古のコンパクトカーを買った。
その車に最初に乗せたのは、もちろん彼女。
私、「ボロい車でごめんね」
彼女、「ううん。二人きりでいられるから嬉しい」
車の中では二人っきり。しかし、何処へ行くにも、黒塗りの車が付いて来る。
彼女、「ごめんね」
私、「ううん、なんとも思ってないよ」
とは言っても、バックミラーには常に黒塗りの車が映っている。
ある日
彼女、「付いて来ている車をまいちゃおうか?」
私、「ダメだよ」
彼女、「意気地なし」
その言葉にカチンと来てしまった私は、アクセルを強く踏んだ。
数分後
彼女、「大丈夫?」
アクセルを強く踏んだせいで、ボロい車は故障して停まってしまった。
腕に怖そうな絵が描いてある男、「お前も乗って行くか?」
お言葉に甘えて、生まれて初めてリムジンに乗った。
着いたのは、彼女の実家である大豪邸。
彼女、「上がっていけば」
私、「でも・・・」
彼女、「お父さんなら留守よ」
お言葉に甘えて、家に上がらせてもらうと、
彼女、「ママ、なんて格好をしているの!」
彼女が母親に怒ったのは、彼女の母親は風呂から出たばかりで上半身裸だったから。
彼女の母親は、私に気付くと、私に背を向けたのだが、その背中にはキレイな〇〇の絵が描いてあった。
私は、彼女の母親に気に入られ、彼女の親が経営する会社に転職をした。
諸事情あって、彼女の父親に会うのは、転職してから数年経ってから。
その時には会社を任されるようになっていたため、彼女の母親が勧めてくれて、彼女と一緒になることが出来ました。
長く付き合っていくためのアドバイス
人を外見で判断をしたらダメ!
世の中には、悪い人もいれば、良い人もいる。
厄介なのは、良い人ぶった悪い人がいるとういうこと。
私が通った高校にはヤンチャな生徒が多かったのだが、それらの生徒は今、真面目に働いている。
学歴がないとブルーカラーの仕事にしか就けないため、クラスメイトの多くは、いわゆる3K(キケン・きつい・汚い・)の仕事をしている。
昔、リーゼントヘアだったヤツが、ヘルメットを被って額に汗して働いている。
額に汗して働いていると、体はクタクタに疲労する。
私、「体はシンドクない?」
クラスメイト、「体がシンドいのは性に合ってる」
私、「悩みはある?」
クラスメイト、「体がシンドいと、悩む余裕なんてないよ(笑)」
彼女と一緒になった私は、彼女の親の仕事を手伝っている。
クラスメイト、「彼女の親と一緒だと大変だろ?」
私、「大変なのは、俺たち同じじゃない」
職場や住む世界が違っても、共に、額に汗して働ける仲間が身近にいると、そのことが彼女の安心材料になっている。
クラスメイト、「浮気をしたことはある?」
私、「仕事が充実しているから浮気なんてしたいと思わないよ。君は?」
クラスメイト、「あるわけないだろ(笑)」
昔、ヤンチャだったヤツほど、仕事も恋も一途が多い。
今当時を振り返って、過去の自分や同じような状況の方にかけたい言葉
ネットが普及した今日、昨日まで一般人だった者が、突如として有名人になることはあり得ること。
有名人になった者を、世間は色眼鏡で見るようになるだろう。
見られた者は、どうだろう?気分が良いだろうか?
望んで有名人になった者なら、色眼鏡で見られて気分が良いだろう。
しかし、今日は流行り廃りが激しく、いつまでも有名人ではいられない。
望んで有名人になった者が有名人でなくなった時、別の意味で、世間はその者を色眼鏡で見るようになるだろう。
望まないで有名人になった場合は、世間から色眼鏡で見られて、どうだろう?
都市部に住んでいれば、流行り廃りが激しいのだが、地方都市では、いつまでも色眼鏡で見られてしまう。
いつまでも色眼鏡で見られてしまう環境から逃げ出すのか?
逃げられるのか?
色眼鏡をはめているのは世間なのか?もしかしたら、自分ではないか?
メガネを外してごらん、視界が開けるから。
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