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市のボランティアセンターの受付業務の仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには

市のボランティアセンターの受付業務での主な仕事内容

ボランティア団体が利用する会議室の予約受付や部屋の貸し出しのほか、相談窓口に座っての相談対応、印刷機の貸し出し、ボランティア団体に向けた情報誌の作成など。ほかに、市内各地の公民館へ出張しての出前講座や出張相談、交流会の開催なども担当していました。

利用者としては企業などを定年退職された60代後半からの男性が「NPOやボランティア団体を立ち上げたい」と相談に来られたり、子育て中の20代から30代の母親が「子育てサークルで会議室を使いたい」のような目的で来館されたりすることが多かったです。

おそらくあまり広く知られた場所ではないですが、誰でも無料で使えるため、中学生が宿題をしにきたりお年寄りが本を読みに来たり、まったりしたところでした。

「世の中を変えたい!人助けをしたい!」みたいな運動家というか、熱い利用者が多いのかなと思っていましたが、意外にみなさん静かに過ごされていて、窓口に相談に来られる方も普通の人や、穏やかで知的な方が多いなという印象でした。

市のボランティアセンターの受付業務ならではのやりがい

なにかを解決したい、良くしたいという人たちが集まってくるので、その人たちのボランティア活動がうまくいけば世の中がよくなるんじゃないかなという漠然とした印象がありました。
自分が直接なにか社会貢献をするわけではないので、陰ながら社会をよくすることに携われるような良いイメージを感じていました。

難病児の支援をしている団体さんから活動内容について話を聞いたときは、「そんな子どもたちがいるのか」と今まで気づかなかったことを知ることができました。

ボランティア団体向けの情報誌をまとめるときに、その日の新聞や自治体が発行する広報誌からお役立ち情報をまとめることがあったのですが、日常では意外にそういうものをしっかり読み込む機会がないので、「こんな制度があったのか」「こんなイベントをやっているなら行ってみよう」という、自分の気づきになることも多かったです。

センターの利用者さんの活動が県から表彰されたり、メディアで紹介されたりしているのを見かけるととっても嬉しかったですし、その後来館されたときにその活動について詳しく話を聞かせてもらえたりしたことも、役得でやりがいにつながっていたなと感じています。

市のボランティアセンターの受付業務のマイナスポイント

漠然とした「なにかやりたい」という思いを持っている人や、既存の社会の仕組みに不満を持っている方も相談窓口に来られるので、話が長引いたり怒りがヒートアップしてしまったりすることが多々ありました。そんな方とも落ち着いて対応しながら話のゴールを見つけないといけないので、そこは大変でした。

話を聞いている間はほかの事務作業ができないので、相談が長引いた日は残業になることもありました。

マイナス面として、お給料はとても低かったです。正規職員でしたが、そのときの自治体の最低賃金で雇用されていました。行政の施設なので仕方がないかなと思いますが、若い人や子育て中の方には働きにくい条件だと思います。

土日や夜間・21時まで空いている施設だったので、家族や友人と予定が合わせられないところも少し辛く感じました。ただ、ボランティアセンターといっても自治体によってさまざまだと思うので、土日や夜間は休みというところもあると思います。

市のボランティアセンターの受付業務の仕事に活かせる経験・スキル・資格

特別な資格は求められませんでしたが、「ボランティア団体の会計をどうしたらいいかわからない」という相談が多かったので、
経理の経験がある人は喜ばれるかもしれません。

あとは各団体さんや利用者さんの活動がうまくいかないときに、
一緒に情報を探したり、一緒に解決策を考えたりできる人はとてもありがたがられると思います。

市のボランティアセンターの受付業務の仕事に向いている人・向かない人

障がいのある人や外国人労働者の支援をしている人なども利用されるので、そういう人たちに対して偏見のある人は向かないかなと思います。困っている人をなんとかしたい、みたいな人たちが利用者としてやってくるので、「自己責任でなんとかしてほしい」みたいな気持ちで接するのはよくないかなと思います。

マイナーな業界だと思うので、ノウハウの本みたいなものも全然ありません。自分で調べたり考えたりができる人のほうが向いているかなと思います。

あとはマイナス面でも書きましたが、待遇があまりよくないので、この仕事で食べていきたいみたいな人はちょっとしんどいかなと思います。副業や定年後の仕事としては、やりがいもあってよい仕事だと思います。

市のボランティアセンターの受付業務仕事でのキャリアパス

出世は見込めないと思います。
ずっとボランティアセンターにいて、そこのセンター長になるくらいしか思いつかないです。

私がいた当時のセンター長はフルタイムで働く50代でしたが、月収は25万円くらいと言っていました。お給料を上げてほしいと行政に交渉もされているようでしたが、法律に決められた単価で運営されているため賃上げはむずかしいようです。

センターを利用している団体の中には有名な大手NPO法人で働いているという方もいて(国際機関のような)、その方たちは人並みのお給料をもらわれているようでしたので、そういったほかのボランティア団体やNPO団体へ転職するということはありかなと思います。

資格取得のための支援などは受けられなかったので、出世したい人は自分でがんばって能力をつけて、自分でがんばって転職をすることになるかなと思います。

市のボランティアセンターの受付業務業界の最近の動向

NPOやボランティア団体の数は増加傾向にあるということで、ボランティアセンターの役割も、そこで働く人の存在も大切になってくると思います。

ただ実際には、行政の計画が変わってセンターが廃止されてしまえばもう働けませんし、依然として不安定で薄給な職場だなあとは感じています。正直私も2年ほどで転職してしまいましたが、人材は定着しづらいところではないかなと思います。それでも役に立ちたい、自分でお給料を生み出してやる!みたいな人はとっても向いていると思います。

最近聞いた話では、SDGsの流行もあって、企業さんとセンターとで一緒にごみ拾いをしたり、なにかイベントをやったりする機会が増えているそうなので、そういった意味でも盛り上がっている業界なのかなと思います。

最近は行政系のボランティアセンターだけでなく、民間でボランティア団体を支援しているところもありますので、そういった民間のほうが労働条件はいいのではないかなと思います。

慢性的に人手が足りない職場ではあるので、就職したいという人がいたら大歓迎はされると思います。

市のボランティアセンターの受付業務仕事を未経験で目指すには?

社会貢献を仕事にしたいという人が増えていると聞いたことがありますが、不安定でお給料も多くなく、研修制度などが整った職場はあまりないのではないかなと思っています。

一度企業へ就職して、それからこういった非営利の職場へまずはボランティアとして参加してみて、そこから転職をされても遅くはないかなと思いますので、ぜひ気になる方は挑戦してみてほしいです。

最近はボランティアやNPOの職業に特化した転職サイトなどもありますので、気になる方は検索してみてください。ハローワークだと、社会福祉協議会の仕事なども近いのではないかなと思います。