Googleはスマートフォンやタブレット向けのOSとして「Android」を開発する一方で、PC向けには「ChromeOS」を開発しています。ChromeOSを搭載したChromebookではAndroidアプリを使うことができますが、Android端末では基本的にChromeOS向けアプリを使うことはできません。しかし、GoogleのAndroid担当責任者がテクノロジー系メディアのTechRadarに語った内容によると、GoogleはChromeOSとAndroidを統合することを予定しているそうです。
‘I think you see the future first on Android’ – Google’s Android leader Sameer Samat | TechRadar
https://www.techradar.com/phones/android/i-think-you-see-the-future-first-on-android-googles-android-leader-sameer-samat
Google exec: ‘We’re going to be combining ChromeOS and Android’ | The Verge
https://www.theverge.com/news/706558/google-android-chromeos-combining-sameer-samat
GoogleのAndroidエコシステム担当プレジデントであるサミール・サマット氏は、TechRadarによるインタビューの中で、Androidのビジョンについて語りました。インタビュアーを務めたランス・ウラノフ氏によると、ウラノフ氏が使用しているMacBook ProやApple Watch、録音に使ったSamsung Galaxy Z Fold 7のテスト機について、なぜそれらのデバイスを選択したかサマット氏が問いかけたそうです。
サマット氏はデバイスについて質問した理由について、「ChromeOSとAndroidを単一のプラットフォームに統合する予定なので、最近人々がノートパソコンをどのように使用し、何をしているのか非常に興味があります」と明かしました。
ChromeOSとAndroidを統合する計画は、以前からウワサされていました。Android関連のニュースを提供するメディアのAndroid Authorityは、Google内部の情報筋から得たリークを元に、「GoogleはiPadに対抗するためChromeOSをAndroidに改造中」と2024年11月に報道しています。また、Googleは「Pixel」ブランドの新製品としてハイエンドノートPC「Pixel Laptop」を開発中というウワサも流れており、Pixel LaptopにこれまでノートPC向けOSとして搭載されていたChromeOSではなく、ChromeOSとAndroidを統合した「PC版Android」が採用される可能性があるとAndroid Authorityは予測していました。
GoogleがハイエンドノートPC「Pixel Laptop」を開発中とのうわさ、OSは「PC版Android」か – GIGAZINE
また、Googleは2024年ごろからスマートフォンメーカーに対して、Android上でChromeOSを実行するための仮想化ツールを提供していると報じられていました。Googleも2024年6月に「ChromeOSは、まもなくAndroidスタックの大部分をベースに開発される」と発表しており、Androidフレームワークなどを「ChromeOSの基盤の一部として」採用していく方針を明らかにしていました。
GoogleがAndroid端末でChrome OSを仮想的に動かすテストを実施中、AndroidでChromebookアプリが使用できるようになる可能性 – GIGAZINE
TechRadarによるインタビューの中で、サマット氏はChromeOSとAndroidの統合については一言触れたのみで、具体的な時期や詳細について明かしていません。一方で、iOSユーザーがAndroidに移行する難しさを語りつつも「iOSからAndroidに乗り換える努力をするなら、その努力に見合う価値があると確信しています」と述べたり、GoogleのAI「Gemini」がAndroidと連携できる部分はiPhoneより優れていると強調したりと、Appleとの競争を意識した発言が見られました。
そのほか、サマット氏は自身が担当しているXR(クロスリアリティ)向けのOS「Android XR」についても語っています。サマット氏はまず、GoogleがVRやARを統合したXRの分野に参入する理由について、「私たちの使命は、コンピューティングを変革し、世界中の人々がコンピューティングを利用できるようにすることです。Androidデバイスは30億台以上存在します。人生で初めて、そして唯一のコンピューターがAndroidデバイスである人もいます。これは重要なことですが、コンピューティングにはハイエンドという側面もあります。ハイエンド端末は可能性の限界を押し広げます。そうすることで、コンピューティングの新たな可能性を切り開くのです」と述べました。
さらに、2023年に販売とサポートが終了したGoogleのARスマートグラス「Google Glass」について、サマット氏は「Google Glassは早すぎる段階で限界に挑戦しすぎたことが明らかでしたが、それはGoogleにとって学びの経験となり、その後もGoogleは決して諦めずに開発に取り組んできました。Google で働くことで私が気に入っていることの一つは、非常に自己を振り返ることができる場所だということです」とプロジェクトから得た成果について語りました。
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