by Dan Farber
顧客管理ソフトウェア等を販売するSalesforceのマーク・ベニオフCEOが、同社の新しいAI製品「Agentforce」を本格的に導入したことで人間の(ソフトウェア)エンジニアを雇う必要がなくなったと発言しました。2025年度のエンジニア新規採用は行わない予定だそうです。
Marc Benioff says Salesforce will hire no engineers this year
https://sfstandard.com/2025/02/27/salesforce-marcbenioff-layoffs-tech-agents/
AgentforceはSalesforceのプラットフォーム上で使用できるAIツールで、顧客とのやりとりを解決したり、自社製品への関心が高い顧客を選別したり、マーケティングを見直したりといった意思決定やアクションを実行できます。従来の一般的なチャットボットとは異なり、高度な推論能力を駆使して自律的にタスクを実行するAIエージェントを構築できるという製品で、人間に代わって仕事をさせることが可能とされています。
2025年2月に行われた決算発表会で、ベニオフCEOは「ほぼ半年でAgentforceの契約が5000件を超えた」と発表。自社でもAgentforceを使用していると話して製品の有用性をアピールし、さらに「Agentforceが成功したので今年エンジニアを採用する予定はない」と付け加えました。
ベニオフCEOによると、「Fortune 100」に並んだ企業のほぼ半数がSalesforceのAI・データクラウド製品を使用していて、合計38万件におよぶ顧客の案件を84%の解決率で管理してきたとのことで、「この3カ月はAgentforce四半期と言える」と話しました。
by Dan Farber
なお、Salesforceは全世界に7万2000人以上の従業員を擁していますが、2023年には全従業員の10%に当たる7000人を解雇し、2025年には新たに1000人を解雇して人員整理を図っています。
一方で、Agentforceの売上を促進するため、2024年には営業担当職を1000人雇用しています。
テック企業Salesforceが営業マンに代わる営業AIを販売するため営業マン1000人を雇用 – GIGAZINE
ベニオフCEOは、「今、他社のCEOに伝えたいのは、我々は社内で人間だけを管理する最後の世代になるということです」と述べ、未来の企業は人間とそれ以外の労働力を同時に抱えることになるだろうと示唆しました。
なお、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが「おそらく2025年には、私たちMetaも他の企業も、中堅エンジニアのようなコードを書くことができるAIを持つことになるでしょう」と発言していて、Googleのスンダー・ピチャイCEOは2024年の時点で「社内で作成されたコードの25%がAI製」だと話しているなど、コーディングを行うエンジニアがAIに取って代わられる可能性があることは他の企業幹部からも指摘されています。
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