1学年あたり最低8時間のAI授業を小中学校で実施するプログラムが中国北京でスタート – GIGAZINE


メモ


2025年3月7日、中国の北京市教育委員会が「北京市の小中学校における人工知能(AI)教育推進作業計画」を発表しました。2025年9月1日に始まる新学期から、北京の小中学校では1学年あたり少なくとも8時間のAI関連授業が行われることとなります。

北京市教育委员会关于印发《北京市推进中小学人工智能教育工作方案(2025—2027年)》的通知
https://jw.beijing.gov.cn/xxgk/2024zcwj/2024qtwj/202503/t20250307_4028227.html


Beijing to Roll Out AI Courses for Kids to Build on DeepSeek Boom – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-03-09/beijing-to-roll-out-ai-courses-for-kids-to-build-on-deepseek-boom

中国は長らくAI業界のリーダーになることを望んできました。2025年1月には中国を拠点とするAIスタートアップのDeepSeekが、AI業界を牽引するOpenAIの最新推論モデルである「o1」と比較してわずか3%のコスト効率というオープンソースの推論モデル「DeepSeek R1」を発表しました。これにより、AI業界における中国の存在感がこれまでにないほど高まっています。

DeepSeekはどのようにしてOpenAIの3%のコストでo1を超えたのか? – GIGAZINE


そんな中、2025年3月7日に北京市教育委員会が「北京市の小中学校におけるAI教育推進作業計画」を発表しました。「北京市の小中学校におけるAI教育推進作業計画」は、大規模なAIモデルの広範な応用と新世代のインテリジェント端末および製造設備の開発を支援するという全国人民代表大会での政府の公約に従うものです。

「北京市の小中学校におけるAI教育推進作業計画」では、大まかに以下の7点が実施されます。

◆1:多段階のAI教育カリキュラムシステムの構築
・ 市町村レベルで共通の基礎コースを開発する。
・学区および学校独自のカリキュラムを探求、拡大する。
・先進的なイノベーションコースを多数設置する。

◆2:標準化されたAI教育・指導システムの構築
・教室での授業の組織と実施を調整する。
・科学的かつ標準化された教育パラダイムを探求する。
・AI教育の範囲を拡大する。

◆3:ユビキタスAI教育支援システムの構築
・市町村レベルの基礎支援プラットフォームを構築する。
・スマート教育のための支援環境を最適化する。
・AIアプリケーションへのアクセスを規制する。

◆4:マルチチャネルAI教育教師システムの構築
・AI教師のチームを設立する。
・AIの教育と研究を強化する。
・専門的中核教員を育成・選抜する。

◆5:三次元AI教育応用システムの構築
・教育統合訓練システムを強化する。
・生徒が身体的にも精神的にも健全に成長できるように支援する。
・優れた革新的人材育成システムを強化する。

◆6:多次元AI教育推進システムの構築
・いくつかの実証地域と実証学校を創設する。
・各種交流活動を企画、実施する。
・AI教育環境を構築する。

◆7:AI教育の実施を強化
・システムサポートを強化する。
・フォローアップ指導を強化する。
・開放性と協調性を強化する。
・セキュリティと制御性を強化する。


このプログラムは2025年9月1日から始まる新学期以降、小中学校に対して「1学年あたり最低8時間のAIに関する授業」の実施を義務付けます。学校側はAI授業を独立した授業として実施してもOKですが、情報技術や科学といった既存の授業の一環としてカリキュラムに含めることもできます。

中国政府の教育部部長を務める懐進鵬氏は、全国人民代表大会の中で「AIが主導する技術革新は教育に大きなチャンスをもたらすものである」と発言しており、2025年内にAI教育に関する白書を発表予定であると語りました。

なお、日本でも「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議」が設置され、生成AIの利活用に関するガイドラインが策定されています。

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