デンマークの郵便サービスプロバイダー「PostNord Denmark」が2025年3月6日に、従業員1500人を解雇し街中に設置された郵便ポスト1500個を撤去することを発表しました。そのほか、2025年12月30日をもって手紙の配達事業を終了することを発表しています。
PostNord will deliver its final letter at the end of 2025 | PostNord
https://www.postnord.dk/en/postnord-will-deliver-its-final-letter-at-the-end-of-2025/
Danish postal service to stop delivering letters after 90% drop in numbers | Denmark | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2025/mar/06/danish-postal-service-stop-delivering-letters-drop-numbers
デンマークの郵便局は、1624年のサービス開始以来、国内で手紙を配達する業務を請け負ってきました。しかし、近年ではデジタル化が急速に進み、配達される手紙の数が年々減少しています。以下はPostNord Denmarkが取り扱った手紙の数で、2000年から2024年にかけてその量が約90%減少したことが報告されています。
PostNord Denmarkのキム・ペデルセンCEOは「持続可能なビジネスを生み出すためには、時代に適応する必要があります。残念ながら、これは一部の同僚に別れを告げるという難しい決断を意味します」と述べ、従業員1500人の解雇と設置された1500個の郵便ポストを撤去することを発表しました。
さらにPostNord Denmarkは2025年12月30日をもって手紙の配達事業を終了することを発表。これに伴い、手紙やビジネスレター、ダイレクトメールなどを配達する必要がある場合は、2025年12月18日までに投函(とうかん)しなければなりません。また、速達郵便や書留、返信領収書付き郵便の受け付け期限は2025年12月29日です。
デンマークでは、市場自由化に向けた動きが進んでおり、2024年にはPostNord Denmark以外の事業者が手紙の配達事業を請け負うことが可能になりました。そのため、2026年1月1日以降は、PostNord Denmark以外の事業者が手紙の配達を手がけることになります。2024年に公共サービス郵便物の配達契約を獲得したDAOは「今回のPostNord Denmarkによる手紙の配達事業の終了を受け、郵便物配達サービスを強化する準備が整っています」と語りました。
ペデルセン氏は「私たちは約400年にわたりデンマークで郵便事業を行ってきました。その歴史にピリオドを打つことは非常に難しい決断でした」と述べています。一方でPostNord Denmarkは「デンマーク人はかつてないほどオンラインショッピングを楽しんでいます。これは、デンマーク国内での小包の迅速かつ良好な配達に対するニーズが高まっていることを意味し、PostNord Denmarkではそのお手伝いをするための十分な設備が整っています。だからこそ、私たちはデンマークの人々が私たちを最も必要としている分野、つまり小包の配達でさらなる成長を遂げることに焦点を当てています」と述べ、今後は小包宅配便業者としての地位を確立するという目標を掲げています。
なお、日本などに向けた国際郵便についてPostNord Denmarkは「運輸省から2025年12月31日まで国際郵便の取り扱いを委託されています。その後、誰がその業務を処理するかは、入札などを通じて運輸省が決定することになります」と伝えています。
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