Amazonプライム・ビデオで「映画やテレビシリーズをAIで吹き替えるシステム」のテストが開始 – GIGAZINE


Amazonが現地時間の2025年3月5日、Amazonプライム会員が利用できる動画配信サービスのAmazonプライム・ビデオで、「AI-aided dubbing(AI支援吹き替え)」システムのパイロットプログラムを開始すると発表しました。

Prime Video tests AI-powered dubbing in English, Spanish
https://www.aboutamazon.com/news/entertainment/prime-video-ai-dubbing-english-spanish


Prime Video tests AI dubbing for select movies and TV series | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/03/05/prime-video-tests-ai-dubbing-for-select-movies-and-tv-series/

Prime Video is beginning an AI dubbing pilot program for select movies and series
https://www.engadget.com/entertainment/streaming/prime-video-is-beginning-an-ai-dubbing-pilot-program-for-select-movies-and-series-190252188.html

Amazonプライム・ビデオでは各国で制作されたさまざまな映画やテレビシリーズが配信されていますが、中には吹き替え版がなく字幕版だけしか存在しないケースもあります。この場合、吹き替え派の人は我慢して字幕版を見るか、いつか吹き替え版が出ることを期待するしかありません。

Amazonは新たなブログで、「プライム・ビデオはその膨大なストリーミングライブラリをさらに多くのお客様にお楽しみいただけるよう、他の方法では吹き替えられなかったライセンスのある映画やシリーズに、『AI支援吹き替え』を提供開始します」と述べました。

3月5日から、「El Cid: La Leyenda」や「Mi Mamá Lora」といった12のライセンスされた映画やシリーズで、英語とラテンアメリカスペイン語のAI支援吹き替えが利用できるようになります。AmazonはAI支援吹き替えを「パイロットプログラム」と位置づけており、プログラムがうまくいけば大規模な展開が行われる可能性があります。

Amazonプライム・ビデオおよびAmazon MGM Studiosのテクノロジー担当ヴァイスプレジデントのRaf Soltanovich氏は、「プライム・ビデオは実用的で有用なAIイノベーションにより、お客様の体験を向上させられると信じています。AI支援吹き替えは、吹き替えに対応していないタイトルでのみ利用可能です。私たちはシリーズや映画をより身近で楽しいものにする新しい方法を探求したいと思っています」と述べました。


AI支援吹き替えのパイロットプログラムは、ローカライゼーションの専門家がAIと協力して品質を管理する吹き替えのハイブリッドなアプローチだとのこと。Amazonは、「このようなAI支援プロセスは、適切な量の人間の専門知識を組み込んでおり、他の方法では顧客がアクセスできないタイトルのローカライゼーションを可能にします」と述べています。

テクノロジー系メディアのEngadgetは、ストリーミングサイトで配信される映画やシリーズの数が増え続けている昨今では、字幕版や吹き替え版の作成は大きなビジネスになっているため、コンテンツにアクセスしやすくするプロセスの合理化は理にかなっていると認めています。その上で、映画やテレビシリーズではプロの声優による吹き替えが一般的であり、たとえAIの進歩が著しいとはいえ品質の面で懸念が残ると指摘しました。

なお、2025年2月にはマーティ役を宮野真守が、ドク役を山寺宏一が務めた「バック・トゥ・ザ・フューチャー 新吹替版」が放送されて話題を集めましたが、Amazonではマーティ役を山寺宏一が、ドク役を青野武が務めた吹替版をレンタル可能です。

Amazon.co.jp: バック・トゥ・ザ・フューチャー (吹替版)を観る | Prime Video

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