Appleがイギリスの「バックドア作成命令」について裁判所へ異議申し立て – GIGAZINE


イギリス政府セキュリティ当局がAppleに対して、高度に暗号化されたiCloudストレージにバックドアアクセスを設けるように要求しました。これについて、要求を拒否するAppleが「イギリス政府当局の要求は違法である」として、イギリス法執行機関への苦情を審査する独立司法機関の捜査権限裁判所に異議申し立てを行ったと報じられています。

Apple launches legal challenge to UK ‘back door’ order
https://www.ft.com/content/3d8fe709-f17a-44a6-97ae-f1bbe6d0dccd


Apple reportedly challenges the UK’s secretive encryption crackdown | The Verge
https://www.theverge.com/news/623977/apple-uk-encryption-order-appeal


Apple Fights UK’s Demand for iCloud Data Backdoor – MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/03/04/apple-legal-complaint-uk-backdoor/

イギリスでは2016年に捜査権限法が施行され、法執行機関が証拠を収集する際に企業へ協力を強制することが認められました。この捜査権限法はイギリス以外の国で提供されているサービスについても要求可能で、この法に基づいてイギリス政府当局がAppleのiCloudストレージにバックドアアクセスの提供を命じたと報じられています。

イギリス政府がAppleに「全ユーザーのデータを取得できるバックドア」を設けるように求めていたことが報じられる – GIGAZINE


AppleがiCloudで提供している「高度なデータ保存」はiCloudに保存したデータをエンドツーエンドで暗号化して保護する機能で、Appleですらデータを閲覧できなくなります。イギリス政府当局の指示通りにバックドアアクセスを設けると、「高度なデータ保存」というサービスそのものの信頼度が下がってしまうことから、Appleはイギリス政府当局の要請を拒否し、イギリスでの「高度なデータ保存」の提供を停止しました。

Appleが「高度なデータ保護」機能をイギリスで提供終了へ – GIGAZINE


海外メディアのFinancial Timesによると、Appleはイギリス政府当局に対する異議申し立てを捜査権限裁判所に提出したとのこと。この審理は捜査権限法の条項が検討される初めてのケースであり、もし裁判所がAppleの訴えを認めれば、バックドアアクセス作成の命令は取り消される可能性があります。

審理は早ければ2025年3月中に開始されるとのことですが、最終的に審理内容が公開されるかどうかは不明です。

なお、アメリカの国家情報長官であるトゥルシ・ギャバード氏は、イギリス政府当局がAppleに対してバックドアアクセスの作成を要求したことについて、アメリカとイギリスの2国間協定となっているCLOUD法に違反しているかどうかを調査中であることを書簡で明らかにしています。

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