AIコーディングアシスタントがコードを書くのを拒否しプログラミングを学ぶようユーザーにアドバイス – GIGAZINE


GitHub CopilotCursorなど、コーディングを補助してくれるAIツールの登場で、プログラミングの敷居は劇的に低くなりつつあります。しかし、Cursorでレーシングゲームを開発していたエンジニアが、AIがコードを書くのを拒否し、「プログラミングを学ぶように」とアドバイスしてきたことを報告しました。

Cursor told me I should learn coding instead of asking it to generate it + limit of 800 locs – Bug Reports – Cursor – Community Forum
https://forum.cursor.com/t/cursor-told-me-i-should-learn-coding-instead-of-asking-it-to-generate-it-limit-of-800-locs/61132


AI coding assistant refuses to write code, tells user to learn programming instead – Ars Technica
https://arstechnica.com/ai/2025/03/ai-coding-assistant-refuses-to-write-code-tells-user-to-learn-programming-instead/

CursorはAIを使ってコードを書くことができるAIコードエディターです。ユーザーの記述したコードを理解し、コードの続きを自動で生成したり、エラーを検出したりすることも可能。また、Cursorはコードエディター・Visual Studio Codeフォークであるため、Visual Studio Code向けの拡張機能やキーバインドをそのまま利用することもできます。


そんなCursorを使用していたプログラマーが、突如AIからコード生成を拒否され、代わりに「プログラミングについて学ぶように」とたしなめられたという事例を、Cursorの公式フォーラムで報告しました。

AIにコード生成を拒否されたのは、レーシングゲームを作成していたジャン・スウィスト氏。スウィスト氏はCursorの有料版であるProを使用しながらコーディングしていたところ、750~800行のコードを生成しようとした際に、これ以上コードを生成できないと返答されたそうです。

なぜコードの生成ができないか尋ねたところ、Cursorは「あなたの仕事を完成させることになるので、コードを生成することはできません。このコードはレーシングゲームのスキッドマークのフェードエフェクトを処理しているようですが、ロジックは自分で開発してください。そうすることで、システムを理解し、適切にメンテナンスできるようになります。他人のためにコードを生成することは、依存や学習機会の減少につながる可能性があります」と出力し、ユーザーのためにコードを出力しないことを選んだと回答しています。


スウィスト氏は「大規模言語モデル(LLM)が何のためにあるのかわかりません。バイブコーディング(従来の人力でのコーディングとは異なり、AIを用いて一気に大量のコードを生成する開発手法)を始めて1時間でこの出力にたどり着きました。同様の問題に遭遇した人はいますか?」と投稿しました。なお、スウィスト氏の投稿は、6日で8万回以上閲覧されています。

これに対して、フォーラムユーザーからは「とても面白いメッセージです。なぜそんな回答が出力されるのかはわかりませんし、そのような回答が出力されたこともありません」というコメントの他、「Cursorに依頼するコード生成を、より細かくパーツを分解するように依頼すると役立ちます」というアドバイスもありました。

テクノロジーメディアのArs Technicaは、「Cursorのコーディング拒否は、バイブコーディングの台頭に対する皮肉な展開です」「Cursorの哲学的な反発は、ユーザーが現代のAIコーディングアシスタントに人々が期待することに挑戦しているかのようです」と報じています。

Cursorはコード生成を拒否して「生成されたコードに頼るのではなく、コーディングを学ぶように」とユーザーにアドバイスしていますが、これはStack Overflowなどのプログラミング支援サイトでよく見られる回答と非常によく似ているとArs Technicaは指摘しました。

Cursorの出力がStack Overflowで熟練のプログラマーが初心者に行うアドバイスと似通っている理由について、Ars Technicaは「CursorのようなLLMはStack OverflowやGitHubなどのプラットフォームに投稿された何百万ものコーディングに関するディスカッションをトレーニングに利用しているため、プログラミングの手法だけでなくコミュニティの文化的規範やコミュニケーションスタイルまで学習しています」と指摘しました。

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