
AIモデルの性能を独自に評価しているArtificial Analysisが、OpenAIの「GPT-6 Astra」のベンチマーク結果を公開しました。コーディングエージェントとしての性能を測る「Artificial Analysis Coding Agent Index」でGPT-6 Astraは67点を記録し、Claude Opus 5やFable 5、Muse Spark 1.3とほぼ同等の水準に達した一方、首位のFable 5.1が記録した70点には届きませんでした。
Benchmarking GPT-6 Astra | Artificial Analysis
https://artificialanalysis.ai/articles/benchmarking-gpt-6-astra
GPT-6 Astra makes significant gains in the Artificial Analysis Coding Agent Index, scoring equal to Fable 5 at lower cost. In the Intelligence Index, it uses fewer tokens than GPT-5.6 Sol for similar performance, but this is outweighed by higher prices
Pricing is 2.5x GPT-5.6… pic.twitter.com/BE5uEXl5Y6
— Artificial Analysis (@ArtificialAnlys) September 3, 2026
Artificial Analysisは2026年9月3日、GPT-6 Astraについて、コーディングエージェントとしての能力を評価するArtificial Analysis Coding Agent Indexと、幅広い知的能力を評価するArtificial Analysis Intelligence Indexの結果を公開しました。両指数ではGPT-6 Astraについて異なる傾向が確認されており、コーディングでは高いコスト効率を示した一方、総合的な知的能力の評価では料金の高さがコスト効率を悪化させています。
Artificial Analysis Coding Agent Indexでは、Codex上で動作させたGPT-6 Astraが67点を獲得しました。これは67点のFable 5と同点で、68点のClaude Opus 5や64点のMuse Spark 1.3とも近い水準です。一方、Claude Code上で動作するFable 5.1は70点を記録して首位となっています。
GPT-6 Astraで特に大きく改善したのがトークン効率です。最大の推論強度でCodexを利用した場合、GPT-6 Astraが消費するトークン数はGPT-5.6 Solの約3分の1、Claude Opus 5の約7分の1でした。Artificial AnalysisはGPT-6 Astraについて、GPT-5.6 Solと比べてトークン使用量が約70%減少したと評価しています。
このトークン効率の高さは、タスク当たりのコストにも反映されています。最大推論時のGPT-6 AstraはGPT-5.6 Solとほぼ同じタスク当たりコストでありながら、Coding Agent IndexではGPT-5.6 Solを2ポイント上回りました。また、Fable 5と同じ67点を記録しながら、1タスク当たりのコストはFable 5の半分未満となっています。トークン単価のみに着目するとGPT-6 AstraよりGemini 3.8 Flashの方が安価ですが、タスク当たりのコストではGPT-6 Astraの方が低コストなのも特長です。
このためGPT-6 Astraは、Coding Agent Indexのスコアとタスク当たりコストを比較した場合の「パレートフロンティア」に位置しています。つまり、GPT-6 Astraは同等コストのモデル中で最もスコアが高く、同等スコアのモデルの中で最もコストが低いというコスト効率に優れたモデルというわけです。
一方、Artificial Analysis Intelligence IndexではGPT-6 Astraの評価はやや異なります。GPT-6 Astraは61点でGPT-5.6 SolおよびMuse Spark 1.3と同点となり、66点のFable 5.1を5ポイント下回りました。
Intelligence IndexでもGPT-6 Astraのトークン効率自体は改善しており、最大推論時の出力トークン数はGPT-5.6 Solより約10%少なくなりました。
しかし、GPT-6 AstraのAPI料金は入力100万トークン当たり10ドル(約1500円)、出力100万トークン当たり50ドル(約7500円)で、GPT-5.6 Solの入力4ドル(約600円)、出力20ドル(約3000円)から2.5倍に引き上げられています。その結果、最大推論時の1タスク当たりコストはGPT-5.6 Solより75%高くなりました。
そのほかの評価では、モデルの知識とハルシネーションを評価する「AA-Omniscience」において、最大推論時のハルシネーション率がGPT-5.6 Solの92%からGPT-6 Astraでは51%まで低下しました。同時に正答率も4ポイント上昇しており、単に回答を控えることでハルシネーションを減らしたわけではないとArtificial Analysisは説明しています。
長期間にわたる複雑な知識作業を評価する「AA-Briefcase」では、GPT-6 AstraはGPT-5.6 Solから約80Eloポイント改善しました。一方、44職種にまたがる経済的価値のある作業を評価する「GDPval-AA v2」では約80Eloポイント低下しました。
このほか、銀行のカスタマーサポートを扱うτ3-Banking、科学分野のPython問題を扱うSciCode、大量の文書を対象とする長文脈推論のAA-LCRでも、GPT-6 AstraはGPT-5.6 Solから2~3ポイント程度低下しました。
Artificial Analysisの結果を見ると、GPT-6 Astraはすべての能力で前世代を大幅に上回ったモデルというより、特にコーディングエージェントとしてのトークン効率を大きく引き上げたモデルといえます。Coding Agent Indexではトップクラスの性能を低いタスク当たりコストで実現している一方、Intelligence IndexではGPT-5.6 Solと同じ61点にとどまり、2.5倍になったトークン単価によってトークン効率向上のメリットが相殺されています。
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。








