「サム・アルトマンCEOはAIモデルの安全基準について社内でウソをついた」と元OpenAI幹部が証言 – GIGAZINE


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OpenAIの立ち上げに携わったイーロン・マスク氏はOpenAIとサム・アルトマンCEOおよびグレッグ・ブロックマン社長に対し、「AI研究組織を恒久的に非営利団体として維持するという誓約を破った」と主張して1340億ドル(約21兆3400億円)規模の損害賠償を求める法廷闘争を提起しました。裁判で公開されたビデオ証言の中で、OpenAIの元CTOで一時的にCEOに任命されたこともあるミラ・ムラティ氏が「アルトマン氏は社内で幹部にウソをついて混乱をもたらしていた」と証言しました。

Mira Murati tells the court that she couldn’t trust Sam Altman’s words | The Verge
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/925338/openai-musk-v-altman-mira-murati


In OpenAI trial, former technology chief says Altman sowed ‘chaos,’ distrust among top executives | Reuters
https://www.reuters.com/legal/litigation/openai-trial-former-technology-chief-says-altman-sowed-chaos-distrust-among-top-2026-05-06/?utm_source=chatgpt.com

OpenAIは2015年にマスク氏とアルトマン氏らによって設立された組織で、当初は巨大テック企業に対抗して強力なAIを独占せず人類全体の利益に資する形で開発することを構想していました。しかしOpenAIの内部では2017年ごろから最先端AIをオープンソースで公開すること自体が危険であるという懸念が強まったほか、2018年にマスク氏はテスラが開発するスーパーコンピューターを使ってAIを構築する案を示しましたがアルトマン氏らがマスク氏に経営権を渡すことを拒んだため、マスク氏とOpenAI側の対立が決定的となりマスク氏はOpenAIを去り資金支援も打ち切ったとされています。

その後マスク氏は2024年に、「OpenAIはオープンソースとしてAGI(汎用人工知能)を開発する非営利組織であり、『人類の利益のため』に組織を立ち上げたにもかかわらず、実際にはOpenAIは世界最大のテクノロジー企業であるMicrosoftの事実上のクローズドソースな子会社に変わってしまった」と主張してサンフランシスコの高等裁判所にOpenAIを訴えました。マスク氏は裁判所に対して、OpenAIをオープンソースのソフトウェアを開発する非営利団体に強制的に戻し、アルトマン氏とブロックマン氏が財務上の利益のためにOpenAIやその資産を利用すること、あるいはMicrosoftやその他の団体の利益のためにOpenAIを利用することを禁止する命令を出すよう求めました。

イーロン・マスクがChatGPTの開発元OpenAIを訴える、「Microsoftの事実上の子会社」と主張 – GIGAZINE


この訴訟は一度取り下げられましたがその後復活し、2026年4月にはOpenAIが「AI研究組織を恒久的に非営利団体として維持する」という誓約を破ったとして1340億ドル(約21兆3400億円)規模の損害賠償をマスク氏は求めています。

「OpenAIを非営利団体として維持するという誓約をサム・アルトマンCEOが破った」とイーロン・マスクが非難し1340億ドルの損害賠償を請求 – GIGAZINE


この裁判の中で、OpenAIの元CTOであるミラ・ムラティ氏が質疑に応答したビデオ証言が2026年5月6日に公開されました。ムラティ氏は「OpenAI在籍中の私は非常に複雑な組織の中で、信じられないほど大変な仕事をしていました。サムにはリーダーシップを発揮し、明確な指針を示し、私の仕事の遂行能力を損なわないように求めていました」と述べた上で、アルトマン氏が自分の仕事をより困難にしたと非難しました。

「仕事を困難にした」という具体例として、ムラティ氏はOpenAIのGPTモデルの一つをめぐる安全性の問題を挙げました。ムラティ氏はアルトマン氏と安全性の審査について話したところ、「法務部に確認を取ったが、安全審査委員会を通す必要はない」とアルトマン氏は発言しました。しかし、その後に当時法務顧問を務めていたOpenAI幹部のジェイソン・クォン氏に確認したところ、アルトマン氏の発言と食い違いがあったそうです。結果としてムラティ氏は、念のためモデルが安全審査委員会の承認を得るようにしたとのこと。

「アルトマン氏はその発言をした際に真実を述べていたのですか?」と尋ねられたムラティ氏は「No」と回答し、アルトマン氏がウソをついていたと証言しています。

アルトマン氏が社内でウソをついたと非難されたケースは他にもあり、共同創設者の1人であるイリヤ・サツケバー氏は証言録取で読み上げられたOpenAIの取締役会宛てのメモの一部で「アルトマン氏が嘘をつき、幹部を弱体化させ、幹部同士を対立させるという一貫したパターンを示している」と述べています。OpenAIの元取締役であるヘレン・トナー氏も2024年のポッドキャストで「OpenAIの幹部が取締役会に対し、アルトマン氏がさまざまな状況で嘘をつき人を操ろうとしているという証拠を共有していた」と語りました。そのほか、元OpenAIの従業員でアルトマン氏の下で2年間働いたというジェフリー・アーヴィング氏によるXの投稿でも、アルトマン氏はウソをついて人を操ろうとする傾向にあったと述べられています。


ムラティ氏は「私が懸念していたのは、サムがある人には一つのことを言い、別の人には全く逆のことを言っていた点です」とも証言しており、アルトマン氏が社内に混乱や不信感を生み出していたと主張しました。またムラティ氏は、アルトマン氏がウソをついて幹部同士を対立させ、ムラティ氏のCTOとしての権限を弱体化させるような行動をしていたという指摘に同意しています。

裁判ではマスク氏やアルトマン氏、ブロックマン氏のほか、OpenAIの元チーフサイエンティストであり共同創設者裁判のイリヤ・スツケバー氏、マスク氏との間に4人の子どもがいると宣誓証言したシヴォン・ジリス氏など複数の人物が証言する予定です。法廷証言の最新情報については、海外メディアのThe Verveがリアルタイムで更新しています。

Altman vs. Elon for the future of OpenAI | The Verge
https://www.theverge.com/tech/917225/sam-altman-elon-musk-openai-lawsuit

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