Waterfoxの15周年を作者が振り返る – GIGAZINE


WaterfoxはFirefoxをベースとして64ビットに特化したオープンソースブラウザです。2011年3月にFirefoxの公式64ビット版アプリが存在しないことに不満を持ったAlex Kontos氏によってリリースされ、記事作成時点で15周年を迎えています。長きにわたって独立系ブラウザを運営してきたモチベーションは何だったのかについてKontos氏は、15周年を迎えた日にWaterfoxのブログで公開しています。

15 Years of Forking – Waterfox Blog
https://www.waterfox.com/blog/15-years-of-forking/

◆Waterfoxの歩み
Waterfoxの歴史は2011年3月27日に、「MrAlex」を名乗っていたKontos氏によるコミュニティフォーラムサイトのOverclock.netへの投稿から始まりました。SourceForgeで公開するや一週間で5万ダウンロードを達成するという「全く予想外」な成功を収めました。当時Kontos氏は地中海の島に住んでいたためサポート体制も相談できる相手もなく、多くの苦い教訓から独学で学びながら開発を進めたとのこと。公開から15年が経過した記事作成時点では累計ダウンロード数は2500万を超え月間アクティブユーザーは約100万人程度と推定されています。


◆プライバシー重視ブラウザの実情
プライバシー重視の独立系ブラウザを運営する経済状況は厳しい状況にあるとKontos氏は打ち明けています。特に Bingがすべてのサードパーティ検索契約を打ち切ったことは大きな打撃となっており、検索パートナーシップに依存する独立系ブラウザの収益は低迷しWaterfoxも数ヶ月間赤字が続いているそうです。ただ、他のブラウザが採用するような収益化の方法は「どうにも気持ち悪いと感じる」とKontos氏は語っており、Waterfoxが追随することはないとのこと。そして寄付ページに優しいメッセージが送られたり初めてWaterfoxに触れて喜ぶユーザーの投稿を見たりすることで開発を続けるモチベーションを維持できるとも語っています。今後Kontos氏がどのような行動をとることになっても常にWaterfoxとそのサステナビリティーを念頭に置いて行動することを氏は表明しています。

◆2026年の展望
15周年を迎えたWaterfoxが目指すものについてKontos氏は以下のように語っています。

・ネイティブ広告ブロッカーの搭載
2026年の目標として、Braveの広告ブロックライブラリーを基盤としたネイティブ広告ブロッカーを搭載することを挙げています。ブロッカーはブラウザのメインプロセスで動作するため、拡張機能ベースのブロッカーが抱えるリソース制限を受けることはなく、より高速に動作しブラウザとの緊密な統合を実現できます。加えてBraveの広告ブロックライブラリーはWaterfoxと同じMPL2ライセンスで提供されているため相性の面でも抜群です。デフォルトの検索パートナーであるStartpageのページではブラウザの運営維持のために初期状態ではテキスト広告が表示されますが、設定によりブロックすることもできます。既に別の広告ブロッカーを利用している人はそのまま利用でき、新規ユーザーまたは広告ブロッカーをまだ利用していないユーザーに対してネイティブ広告ブロッカーが有効になります。なおネイティブ広告ブロッカーは設定を切り替えるだけで簡単に無効にできます。


・ブラウザ本来の役割を守る
WaterfoxはGoogleやOperaとともにBrowser Choice Allianceに加盟しておりブラウザ市場における公正な競争と真のユーザー選択を推進しています。また AIを搭載しない方針を堅持し、ブラウザ本来の役割であるウェブページ読み込み・プライバシー保護・邪魔にならない体験の提供に注力しています。さらに、LinuxやARM64などのパッケージ・アーキテクチャーのサポートにも注力していくとのことです。


◆まとめ
独立したブラウザの運営は困難になりつつある一方で、プライバシーを重視し自分たちのプライバシーを尊重してくれるソフトウェアを求める人は着実に増加しています。「Waterfoxは16歳の少年がより高速なブラウザを求めたことから始まった。15年経った今もなお存在しているのはAI企業や他の誰かのためではなく、自分たちのために使えるブラウザを求める人が大勢いるからだ」とKontos氏は語っています。

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