半導体や電化製品などの製造拠点として知られる中国ですが、ここで働く労働者は賃金の低下と雇用機会の喪失に苦しんでいると、経済メディアのBloombergが報じています。
China’s Tariff-Defying Export Boom Leaves Its Factory Workers Behind – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/features/2026-03-09/china-s-tariff-defying-export-boom-leaves-its-factory-workers-behind
ドナルド・トランプ大統領が中国に対する関税をほぼ1世紀ぶりの高水準に引き上げたにもかかわらず、2025年に中国は1兆2000億ドル(約190兆円)の貿易黒字を記録しました。ヨーロッパや南米に至るまで、世界中の指導者たちは止まらない中国の輸出が国内産業を破滅させる恐れがあると警告しています。2026年の最初の2カ月間も、中国の輸出は前年比で約22%増加し、過去最高の貿易黒字を記録しました。
しかし、長らく中国の製造業の原動力となってきた広東省では、一般労働者の生活水準が急激に低下しているそうです。これについて現地の労働者に直接インタビューすることで、賃金の低下と雇用の喪失が起こっていることが明らかになったと、Bloombergは報じています。
輸出は好調であるにもかかわらず、国内の労働者の賃金が低下し、労働機会の減少している理由のひとつが、AIとロボットの爆発的な普及により誕生した、人間の労働者を必要としない「ダークファクトリー」と呼ばれる工場です。
記事作成時点で、中国には200万台以上の産業用ロボットが導入されており、これは他のすべての国の合計を上回る数字だそうです。つまり、中国では生産ラインで働いていた労働者が、かつてないレベルでロボットに置き換えられつつあるというわけ。
北京大学の研究によると、ロボットの台頭は労働者の必要性を減らしただけでなく、工場における短期雇用の増加にも寄与しているそうです。広東省のような主要産業集積地では、ピーク注文期には最大3分の2の労働者が臨時雇用されており、これは工場がピーク注文期に必要とするのは、まだ自動化されていない低スキルの手作業であることを示しています。
スタンフォード大学の中国経済制度センターで上級研究員として働くチェンガン・シュー氏は、「現在、共産党は経済成長のために社会の安定をますます損なっています。表面的には、中国は好調でアメリカとの差を縮めているように見えるかもしれません。しかし、その代償は社会全体が負っています」と指摘。
なお、広州にある工場で働く女性は、アメリカと中国の貿易戦争の中で給料が40%も下落したと報告しています。
しかし、広東省の労働者の一部はアメリカによる関税引き上げと、トランプ大統領による「低価格の輸入品への関税免除の停止措置」が、中国国内における賃金低下の原因であると主張しているそうです。
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