現代の自動車は車輪のついたコンピューターのようなもので、数えきれないほど多くのセンサーを搭載しています。自動車メーカーはこれらのセンサーを用いて収集したデータを販売することで、収益化しています。これに対処するべく、セキュリティアーキテクトのアルカディ・テテルマン氏が、自身の自動車に搭載されているモデムおよび内蔵GPSを物理的に取り外したと報告しました。
Removing the Modem and GPS from my 2024 RAV4 Hybrid
https://arkadiyt.com/2026/05/13/removing-the-modem-and-gps-from-my-rav4/
2024年式のRAV4(ハイブリッド)に乗っているというテテルマン氏は、自動車メーカーによるデータ収集を阻止するために、データ通信モジュールであるモデム(DCM)と内蔵GPSを物理的に取り外すことで、データ送信元を断ち切ったそうです。これにより、自動車がテレメトリデータを送信することができなくなります。
自動車メーカーによって配線方法やソフトウェアおよびファームウェアの書き方などは異なります。そのため、モデムとGPSを取り外すと、機能に影響が出るケースもあるそうです。テテルマン氏のRAV4の場合、データ接続に依存するすべての機能が動作しなくなる模様。機能しなくなるものには、無線アップデート・トヨタのクラウドベースサービス・SOS機能・自動衝突通知・緊急通報などが含まれます。
RAV4のマイクはDCMを介して配線されているため、DCMを取り外すと車載マイクが機能しなくなるという問題もあります。車内で通話する予定がある場合は不便ですが、マイクを正常に動作させるためにDCMバイパスキットを取り付けることも可能です。
スマートフォンは独自のGPSを使用していますが、CarPlayの場合はスマートフォンだけでなく自動車の内蔵GPSユニットからの位置情報信号も受信します。そのため、DCMを取り外すと自動車が位置情報を誤認し、時々ユーザーの位置がおかしくなってしまうこともあるそうです。この問題を解決するには、自動車のGPSを完全に切断し、スマートフォンに誤った位置情報が送信されないようにする必要があります。
これに加えて、DCMとGPSを取り外すと保証の一部が無効になる場合があるとのことです。なお、テテルマン氏は「ありがたいことに車内のあらゆる機能は、前述のクラウドベースのサービスを除いて100%正常に動作しています。クラウドベースのサービスはそもそも必要ありませんでした」と記しています。
モデムを取り外した後でも、Bluetoothでスマートフォンを自動車に接続すると、自動車はスマートフォン経由でテレメトリデータをすべてトヨタのサーバーに送信してしまう模様。ただし、有線接続を使用すると、そのようなことは起きないそうです。
そこで、テテルマン氏はCarPlayをUSB経由で使用することで、個人情報がトヨタのサーバーに送信されることを防いでいます。テテルマン氏は「自動車のBluetooth機能を完全に無効にする方法があれば良いのですが、ヘッドユニットに深く統合されているため、それはできません」と説明しました。
モデムとGPSを取り外すのに、テテルマン氏はトリム取り外しキット、ラチェット、エクステンション、10mmソケット、8mmソケット、マイナスドライバー、DCMバイパスキットを準備。
DCMはシフトレバー下部に内蔵されており、取り外すには狭いスペースでの細かい作業と忍耐が必要だそうです。テテルマン氏がRAV4から取り外したDCMが以下。
内蔵GPSを機能しないようにするにはカーナビを分解する必要があり、カーナビ内部の単線ケーブルの以下のものを抜く必要があります。他のケーブルを抜くと、自動車のバックカメラが映らなくなったり、CarPlayが完全に利用できなくなったりしたそうです。
全てを元通りに組み立てたら、自動車のエンジンをかけてカーナビの画面右上にインターネット接続がないことを示す以下のアイコンが表示されているか確認します。
さらに、ルームミラー上部にあるSOSランプは消灯していればOK。
テテルマン氏は「モデムとGPSが自動車にさらに深く統合されるようになる」「モデムやGPSを取り外すと自動車に深刻な故障が発生するようになる」「この種の行為を抑制するための法律が可決される」のいずれかが実現するのは時間の問題だと思うと指摘。それでもモデムとGPSを取り外すことでテレメトリデータが外部に流出しなくなったことに「非常に満足している」と語りました。
なお、モデムを取り外してもBluetooth経由でスマートフォンを自動車に接続すると、自動車はスマートフォン経由でテレメトリデータをトヨタのサーバーに送信してしまうという点について、「問題点はCarPlayとAndroid Autoの両方が、独自に車両テレメトリデータを収集することです。自動車がスマートフォンを一般的なデータ伝送路として使用できなくても、接続されている間はGoogleとAppleがこのデータにアクセスできてしまいます」という指摘がHacker News上で寄せられていました。
なお、Firefoxの開発元として知られるMozillaは、2023年9月に自動車をプライバシーの観点からレビューしたレポートを公開しました。このレポートでは「日産が性的な情報をビジネス活用」などと指摘されています。
「日産が性的な情報をビジネス活用」など自動車業界のプライバシーポリシーはあらゆる業種の中で最悪 – GIGAZINE
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