スタンフォード大学出身のOpenAIの共同設立者が「学校のテストで良い成績を取る方法」を解説 – GIGAZINE


メモ


OpenAIの共同設立者であるアンドレイ・カーパシー氏は、カナダのトロント大学で計算機科学および物理学の学士号を取得し、ブリティッシュコロンビア大学でコンピュータービジョンを中心に修士号を取得した後、スタンフォード大学でディープラーニングとコンピュータービジョンの研究を行い博士号を取得しています。そんなカーパシー氏が、スタンフォード大学のサイト上で公開している学生向けのアドバイス記事として、「自身が学部生だった頃に誰かに教えてほしかったこと」をまとめています。

Andrej’s advice for success
https://cs.stanford.edu/people/karpathy/advice.html


カーパシー氏はまず一般論として「睡眠は素晴らしい効果をもたらします」と述べ、最低でも4時間、理想的には7.5時間の睡眠時間を推奨しており、徹夜は「まったく意味がない」と断言しています。チュートリアルや復習セッションには、たとえ内容が退屈でも参加すべきだと述べています。

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そしてカーパシー氏は、学校のテストで良い成績を取る方法として、「テスト前」「テスト当日」「テスト中」の3セクションに分けて具体的なアドバイスをまとめています。

・テスト前
カーパシー氏によると、課題に挑むときは、たとえそれに従うわけではなくても、全体像を把握して学習スケジュールを立てることが重要とのこと。例えば、カーパシー氏はテストをクリアするために必要な知識をすべて箇条書きで明確に書き出すことで、すべてのポイントを検討し、どこにどれくらい時間をかけることができるかを日程と相談して考えていたそうです。

また、勉強の方法として、ただ本を読むだけではなく、過去のテストを確認して出題傾向を把握したり、実際に問題を解いたりすることが重要です。持ち込み不可の試験だとしても、重要な点を自分の言葉でまとめて「カンニングペーパー」を作る作業は、単なる理解ではなく「再現力の訓練」として記憶を定着させる役に立つとのこと。特に数学の場合は、読書よりも練習問題を解く時間を増やすことが望ましいです。

そのほか、自分だけで勉強することの限界を知ることも重要だとカーパシー氏は述べています。勉強の初期段階は1人で行うべきですが、終盤には他の人と意見を交換したり、自分より成績の良い生徒にアドバイスをもらったり、自分より成績が悪い生徒には教えたりと、さまざまな人と接することで多方面に理解が深まります。大学の図書館など、他の人が勉強している場所で勉強するのも、刺激としてはアリ。さらに、試験の前に教授ともコンタクトを取ることで、テストについて何らかのアイデアを受け取れる可能性があるほか、教授に自分のことを知ってもらう良い機会になるとカーパシー氏は述べています。


・テスト当日
カーパシー氏はテスト当日の飲食にも注意を払うべきだと述べています。コーヒーを全く飲まないのも良くない一方で、テスト直前に摂るのは避け、試験開始の2時間前に食事とカフェインを摂るのが最適だとしています。コーヒーに関してはあくまでカーパシー氏の主観ですが、心理的ストレスのかかるテスト直前に何を摂取すべきかなどは、一度考える余地があります。そして、試験直前の30〜45分は「短期記憶が最も活性化する時間」なので、軽く復習しておくのが効果的だと述べています。

・テスト中
テストが開始したら、いきなり問題に取り掛からず、まず全体を数分かけてざっと確認し、問題ごとの配点や難易度を把握して戦略を立てます。テスト全体の規模感を把握したら、簡単な問題から解いて後から戻って解き直すことを繰り返すことで、簡単な問題がウォーミングアップとなって最初は思い浮かばなかったアイデアが出てくることがあります。全体を把握することで、難しかったり苦手だったりする問題なのに採点が低いものには、時間をかけすぎないなどのコントロールも可能になります。

また、カーパシー氏は自身もティーチングアシスタント(TA)として教授に代わって採点をした経験から、「人間が採点することを意識する」ことの重要性を説いています。複雑な記述でも採点者とコミュニケーションを取ることを意識し、解法の筋道を丁寧に示したり、解答を丸で囲んで明確に示したりと、採点者の気持ちになって解答する意識が必要です。


カーパシー氏は最後に、「私が学部生だった頃に誰かに教えてほしかったこと」として、「学部生は良い成績を取りたいと考えがちだが、成績が悪くない限り、誰も気にしないということ」を挙げています。カーパシー氏は「全ての科目で85%を取るくらいで十分」と述べています。残りの15%を埋める努力に時間を使うよりも、そのエネルギーを研究プロジェクトや個人の開発、現実世界の問題解決に向けることが、真に価値のある学びにつながると強調しています。

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