倉庫物流自動化の最後の一歩「トラックの荷物積み下ろし」に複数のロボティクス企業が挑戦中 – GIGAZINE


Amazonの倉庫に代表されるように、倉庫内の荷物輸送はかなり自動化が進められていますが、「トラックからの荷物下ろし」「トラックへの荷物積み込み」に関しては自動化が遅れていて、最後まで手が届かない「聖杯」と化していました。ところが、いよいよこの部分にもメスが入り、複数のロボティクス企業が荷物の積み下ろしの自動化を目指しています。

The Holy Grail of Automation: Now a Robot Can Unload a Truck – WSJ
https://www.wsj.com/business/logistics/the-holy-grail-of-automation-now-a-robot-can-unload-a-truck-ad527ba8

物流はさまざまな部分が自動化されていますが、トラックの荷物の積み下ろしはどうしても人の手や目が必要となってきました。ところが、センサーの性能向上やアルゴリズムの改善、画像処理技術の高度化などによって、自動化の目が出てきています。

たとえば、ロボティクス企業として有名なボストン・ダイナミクスは、重さ最大50ポンド(約22.7kg)の荷物を吸盤で持ち上げられる「Stretch」というロボットアームを開発・提供しています。

ボストン・ダイナミクスが商用物流ロボ「Stretch」の商用販売を開始するも2022年分が一瞬で売り切れ – GIGAZINE


すでに運送会社のDHLはアメリカの3つの州にある物流センターに合計7台のStretchを導入しているとのこと。オハイオ州コロンバスにあるセンターに導入されたStretchは「Johnny 5」と名付けられ、1台で1時間におよそ580個というスピードで荷下ろしを行っています。この速度は、人間の担当者が作業するのに比べて2倍の速さだとDHLは説明しています。ただ、Stretchはまだ薄型の荷物を扱うのは苦手だそうです。

DHLは2025年5月、さらに1000台のロボットを導入する内容の契約をボストン・ダイナミクスと結んだとのことです。

DHLでサプライチェーン担当グローバル情報最高責任者を務めるサリー・ミラー氏は「DHLは、さまざまな製品を扱う柔軟性があり、トレーラーからの荷物の出し入れができて、大規模な設備投資を必要としないロボットを求めてきました。(荷物の積み下ろしの)仕事は重労働で、特に暖かい季節の荷下ろしは大変です」と語っています。

このほかに、Ambi Roboticsはロボットスタッキングシステム「AmbiStack」をトレーニングするためのゲームを設計したとのこと。共同創業者でCTOのジェフ・マーラー氏は「重い小包や変わった寸法の箱など、難しい状況をシミュレートしました」と語っています。

AmbiStack: AI-Powered Robotic Stacking | Ambi Robotics
https://www.ambirobotics.com/ambistack/


また、DHLのライバルのUPSもトレーラーの積み下ろしを含む施設の自動化を強化しているとのこと。同様に、FedExもロボット企業・Dexterityと組んで、トラック積載のプロセスの自動化のテストを行っているそうです。

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