PCを使ったデジタルアート「デモシーン」がスウェーデンでユネスコの無形文化遺産に登録される – GIGAZINE


「デモ(メガデモ)」は主に1970~80年代のPCでリアルタイムに音楽や映像をレンダリングするプログラムのことで、デモを作成するグループやデモを見せ合うデモパーティーなどを総合した文化のことをデモシーンと呼びます。デジタルアートのサブカルチャーとして古くから人気を集めてきたデモシーンが、スウェーデンで国際連合教育科学文化機関(ユネスコ:UNESCO)無形文化遺産に登録されました。

Demoscenen – Levande kulturarv
https://levandekulturarv.se/forteckningen/element/demoscenen


The demoscene as a UNESCO heritage in Sweden | GOTO8O
https://www.goto80.com/the-demoscene-as-a-unesco-heritage-in-sweden

Demoscene now also recognized in Sweden as UNESCO cultural heritage – Demoscene – The Art of Coding
https://demoscene-the-art-of-coding.net/2025/03/31/demoscene-now-also-recognized-in-sweden-as-unesco-cultural-heritage/

デモはApple IIやコモドール64、Amigaといった初期PCの普及期におけるゲームのクラッキングをルーツとする文化です。当初は、主に北欧に住む若者たちの間でソフトウェアをクラッキングして自分の名前を署名として残す行為が流行し、次第に署名の代わりに音楽やグラフィックスを挿入するようになってデモへと発展したとのこと。

デモやデモシーンについては以下の記事で詳しく説明されており、有名なデモ作品についても視聴することができます。

デジタルアート文化「デモシーン」とはなんなのか? – GIGAZINE


スウェーデンのデモアーティストであるGoto80氏は自身のブログで、「デモシーンは間違いなく最も古いクリエイティブなデジタルサブカルチャーです」と述べており、デモシーンでの活動からゲーム制作や音楽活動、ソフトウェア開発に軸足を移した人々も多数いるとのこと。

2020年にはデモシーンが盛んだったフィンランドで、デモシーンがユネスコの無形文化遺産に登録されました。

ゲームのクラッキングから始まったレトロPCのデジタルアート文化「デモシーン」がユネスコの無形文化遺産に登録される – GIGAZINE


そして2025年3月、同じく北欧のスウェーデンもデモシーンをユネスコの無形文化遺産に登録しました。すでにフィンランド・ドイツ・ポーランド・スイス・オランダでデモシーンが無形文化遺産として登録されており、スウェーデンが6カ国目ということになります。

Goto80氏は「デモシーンはセカイの技術的・経済的な変遷の中でも独自の価値観と伝統を守り続けてきました。このような一貫性は、デジタルの世界では非常に珍しいことです」「デモシーンには一般化するのが難しい多様性があります。高給取りのプログラミングの仕事に就き、忙しい家庭生活を送っているスウェーデン人のコーダーは、デモシーンを10代の頃の逃避先と考えるかもしれません。一方で、LSDを摂取して掲示板で海賊版ゲームを取引し、奇妙なピクセルアートを作っているフランス出身の自由人は、デモシーンを企業やアート界のたわ言と無縁の自由な文化と考えるかもしれません。デモシーンは非常に保守的であると同時にオープンであるため、両方を受け入れる余地があります。それがおそらく、デモシーンが無形文化遺産と見なされるべき理由のひとつなのでしょう」と述べました。

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