現地時間の2025年6月20日(金)、Appleが証券詐欺の疑いで株主から集団訴訟を提訴されました。原告側はAppleが高度なAIを音声アシスタントのSiriに統合するのに必要な時間を軽視し、iPhoneの売上と株価に打撃を与えたと非難しています。
Apple sued by shareholders for allegedly overstating AI progress | Reuters
https://www.reuters.com/sustainability/boards-policy-regulation/apple-sued-by-shareholders-over-ai-disclosures-2025-06-20/
Apple sued over delays to AI-powered Siri
https://appleinsider.com/articles/25/06/20/apple-shareholders-sue-over-siri-delays-and-massive-losses
Appleは2024年6月に開催されたWWDC24で、独自のパーソナルAIとなる「Apple Intelligence」を発表しました。AppleはWWDC24の中で、Apple Intelligenceと統合することでSiriを強化すると発表しており、これが2024年に発売されたiPhone 16シリーズの売上促進につながると期待されていました。
しかし、AppleはApple Intelligenceのリリースに苦戦しており、機能は段階的に緩やかにリリースされることになりました。また、当初予定されていたApple IntelligenceをSiriと統合する計画も、2026年に延期されています。
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この影響か、iPhone 16は予想よりも需要が少ないことが度々指摘されることとなり、iPhone16シリーズの予約注文が前年比で12.7%も減少していることが明らかになっています。
AI強化版Siriのリリース遅れがAppleの株価に打撃を与え、株主は1年間で数千億ドル(約数十兆円)もの損失を被った可能性があるとして、エリック・タッカー氏ら株主がAppleの経営陣を相手に訴訟を起こしました。
訴訟を提起されたのは、Appleのティム・クックCEO、ケバン・パレクCFO、ルカ・マエストリ前CFOらで、原告側は「AppleはAIベースのSiri機能のプロトタイプが存在しないにもかかわらず、その機能がiPhone 16に搭載されるかのように発表した」「Apple IntelligenceとSiriの統合に必要な期間を意図的に短く見積もっていた」と指摘しています。
実際、Appleの株価は2024年12月26日に過去最高値を記録して以来、記事作成時点では4分の1近く下落しており、時価総額は約9000億ドル(約130兆円)も失われています。ただし、Apple関連メディアのAppleinsiderは「Appleの株価下落の大部分はAI導入のスピードではなく、アメリカによる相互関税への懸念によるもの」と指摘しています。
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なお、AppleはApple IntelligenceとSiriの統合について2026年に遅らせることを発表していますが、その理由をAppleの元社員が語っています。
Apple元社員が「AIによる機能強化版Siriの開発が遅れている理由」を語る – GIGAZINE
ロイターはAppleにコメントを要請していますが、記事作成時点で返答は得られていません。
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