Appleは2019年、ゴールドマン・サックスやMasterCardと提携して、iPhoneと連携させて使用する独自のクレジットカード「Apple Card」の展開を開始しました。ゴールドマン・サックスがApple Cardから撤退する動きを見せる中、新たな決済ネットワークに名乗りを上げたVisaやAmerican Expressによる争いが激化していると、経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
Exclusive | Visa Offers Apple Roughly $100 Million to Take Over Credit Card From Mastercard – WSJ
https://www.wsj.com/finance/banking/apple-card-visa-mastercard-deal-3ce762da
Visa and American Express Vying to Win Apple Card Deal in ‘Fierce’ Fight – MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/04/01/visa-american-express-apple-card-deal/
Mastercard may be in for a fight to stay Apple Card network
https://appleinsider.com/articles/25/04/01/mastercard-may-be-in-for-a-fight-to-stay-apple-card-network-provider
Apple CardはiPhoneと連動させることでApple Payでの支払いが可能になり、Apple Pay経由であれば2%、Apple Musicの支払いであれば3%のキャッシュバックを行うという特典で話題を集めました。また、2023年には年間利回り4.15%の普通預金サービスを提供することを発表し、大きな話題を集めました。
なんとAppleが利回り4.15%の普通預金サービスを提供開始 – GIGAZINE
ところが、提携先であるゴールドマン・サックスはApple Card事業によって多額の損失を被っており、一部の幹部は普通預金サービスについて「私たちはこのようなサービスに参入すべきではありませんでした」と語ったとのこと。2023年11月には、Appleがゴールドマン・サックスとの提携を終了する方針であることが報じられました。
Appleがゴールドマン・サックスとの提携を終了か、Apple Cardの将来は不透明に – GIGAZINE
過去数カ月にわたって、ゴールドマン・サックスの役割を引き継ぐ金融機関として、JPモルガン・チェースやSynchrony Financialなどが名乗りを上げています。しかし、ゴールドマン・サックスの撤退に伴って変更されるのは金融機関だけでなく、これまでMasterCardが担ってきた決済ネットワークも切り替わる可能性があります。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Apple Cardの新たな決済ネットワークとして名乗りを上げているVisaは、Appleに対して1億ドル(約150億円)もの支払いを申し出たとのこと。また、かつてApple Cardの提携について協議していたAmerican Expressは、ゴールドマン・サックスの役割と決済ネットワークの両方を担うことを狙っているそうです。
また、既存の決済ネットワークであるMasterCardも、その地位を維持しようと懸命に努力していると報じられています。
各決済ネットワークがApple Cardを狙っているのは、Appleが共同ブランドのクレジットカードプログラムの中でも最大級の規模を誇り、その分だけ決済ネットワークの売上も高くなるためです。
また、Appleはますます多くの消費者の支払いや金融サービスの中心地となっており、大手銀行や決済ネットワークはAppleの野心と金融サービスへの進出を警戒しつつ、Appleに近づこうと試みているとのこと。Apple Cardの決済ネットワークになることで、Appleが将来構築する支払いの取り組みでも、他社より有利になる可能性があるとウォール・ストリート・ジャーナルは指摘しました。
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