Linux開発プロジェクトのメーリングリストではリーナス・トーバルズ氏による強烈なフレーズを含んだメッセージが飛び交っていることが知られていますが、Linuxのソースコード自体にも「fuck」「crap(クソ)」「idiot(ばか、まぬけ)」といったフレーズが大量に含まれています。Linuxのカーネルのソースコードにどれだけの暴言が含まれているのかを可視化できるウェブアプリ「Linux kernel word count」が話題になっていたので、実際に使ってみました。
Linux kernel word count
https://www.vidarholen.net/contents/wordcount/
Linuxの生みの親であるトーバルズ氏は過激な発言が話題になることも多く、Linux開発プロジェクトのメーリングリストにはトーバルズ氏の怒りのメールが頻繁に投じられています。最近では2025年4月に「不要な一時ファイルを生成するコード」が提出されたことを受けて「汚物をバラまくクソコードは消えろ」という旨のメッセージを送信したことが話題になりました。
リーナス・トーバルズがLinux 6.15-rc1のテストコードを汚物呼ばわりして激怒 – GIGAZINE
トーバルズ氏は現実世界でも過激な発言を繰り返しており、2012年には出身地のフィンランドで行った講演で中指を突き立てながら「NVIDIA Fuck You!(くたばれNVIDIA!)」と言い放っています。
Linux開発者リーナス・トーバルズ氏がNVIDIAに対し中指を突き立てFワード発言 – GIGAZINE
トーバルズ氏が「NVIDIA Fuck You!」と発言するシーンは以下の動画の49分56秒から確認可能。会場は拍手喝采です。
Aalto Talk with Linus Torvalds [Full-length] – YouTube

そんなトーバルズ氏の言動が影響してか、Linuxのソースコードは「fuck」などの攻撃的な単語が数多く含まれています。GitHubで公開されているLinuxカーネルのソースコードに含まれる「fuck」というワードを検索してみた結果が以下。コードに付与されたコメントの中に「fuck」が多数紛れ込んでいることが分かります。
「Linux kernel word count」はLinuxカーネルのソースコードに任意の単語がどれだけ含まれているかを視覚化できるウェブアプリで、「Linuxのソースコードに暴力的な単語がどれだけ含まれているのか」などを分析するのに役立ちます。Linux kernel word countには以下のリンクからアクセスできます。
Linux kernel word count
https://www.vidarholen.net/contents/wordcount/
Linux kernel word countでは、複数の単語を指定して、その単語が各リリースにどれだけ含まれていたかを知ることができます。初期状態だと「fuck*(青)」「shit*(オレンジ)」「crap*(緑)」「bastard(赤)」「penguin(紫)」の出現回数がグラフ化されていました。「*」はワイルドカードで、「fuck*」の場合は「fuck」「fucking」「fucker」など「fuck」から始まるすべての単語が検索対象となっています。グラフを見ると「crap*」の出現回数がかなり多いことや、2018年頃から「fuck*」の出現回数がガクッと下がったことが分かります。
画面上部の入力欄に気になる単語を入力して「Custom」をクリックすれば、その単語の出現回数をグラフ化できます。単語を複数入力したい場合は「,」で区切ればOK。ワイルドカードとして「*」を入力することもできます。
「fuck*,shit*,damn*,idiot*,crap」と入力して「fuck*(青)」「shit*(オレンジ)」「damn*(緑)」「idiot*(赤)」「crap(紫)」の出現回数をグラフ化するとこんな感じ。やはり2018年頃の「fuck*」の出現頻度の減少が目立ちます。
「ソースコードに暴力的な単語が多く含まれている」という状況はLinux開発コミュニティでも問題視されることがあり、2018年には暴力的な単語を「hug」に置き換えるパッチが話題になりました。
Linuxコード内の罵詈雑言を「ハグ」に置き換える試みが賛否両論 – GIGAZINE
また、2018年にはトーバルズ氏が「人の気持ちを勉強してくる」という言葉を残して36日間にわたって開発コミュニティから距離を置く事態が発生しました。これらのパッチやトーバルズ氏の「勉強」が「fuck*」の登場頻度減少に関係している可能性があります。
「人の気持ちを学んでくる」とLinuxコミュニティを離れていたリーナス・トーバルズが1カ月の空白期間ののち復帰 – GIGAZINE
なお、Linux kernel word countは暴力的な単語を以外を入力して、Linux開発コミュニティのトレンドを探る使い方もできます。「intel(青)」「amd(オレンジ)」「nvidia(緑)」の登場回数をグラフ化すると、2012年頃から「nvidia」の登場頻度が急増して2018年頃に「intel」を追い抜いたことが分かります。
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