2001年に発売されたニンテンドー ゲームキューブの「どうぶつの森+」には、住人に言葉を教えたり日記を書いたりと、テキストを入力する場面があります。しかし、この入力方法はニンテンドー ゲームキューブコントローラーのアナログスティックを使ったもので慣れていないとかなり時間がかかってしまいます。そこで、開発者のハンター・アーヴィン氏が、ニンテンドー ゲームキューブのキーボードコントローラーで文字入力を爆速にするツール「pico-crossing」を開発しました。
GitHub – hunterirving/pico-crossing: hack Animal X-ing with a Pi Pico and a GameCube Keyboard Controller
https://github.com/hunterirving/pico-crossing
Hacking Animal Crossing Beyond Reason – YouTube

実際にニンテンドー ゲームキューブ版のどうぶつの森+で、コントローラーを使って文字を入力するところは、以下のムービーで見ることができます。

入力に使うのは、アスキーから発売されていたキーボードコントローラー。もともとはニンテンドー ゲームキューブでリリースされていたオンラインRPG「ファンタシースターオンライン」でチャット入力を可能にするためのものです。
そして、制御に使うのはRaspberry Pi Pico W。
配線はこんな感じ。ニンテンドー ゲームキューブと、コントローラーとキーボードコントローラーをRaspberry Pi Pico Wを介して接続する仕組み。
Raspberry Pi Pico Wは、コントローラに対しては「ニンテンドー ゲームキューブ本体」を装い、逆に本体に対しては「標準パッド」を装うという二枚腰構成となっています。
そこで、ニンテンドー ゲームキューブコントローラ用延長ケーブルを2本購入し、途中で切ってそれぞれをRaspberry Pi Pico W側にはんだ付け。
そして、Raspberry Pi Pico Wを収納するケースを3Dプリンターで出力します。
完成するとこんな感じ。3層×10列×n行のゲーム内キーボードをメモリ上に完全再現し、現在カーソル位置→目標文字の「最短経路」を都度計算して入力するという仕組みです。
実際にキーボードコントローラーに入力すると、画面上のカーソルが目まぐるしく動き、確かにテキストが入力されます。
ただし、アスキーのキーボードコントローラーは英数字とひらがな入力が可能ですが、特殊文字や絵文字には対応していないという問題があります。
そこで、ファンクションキーの位置に特殊文字や絵文字を入力できる切り替えボタンを設置。
これで特殊文字や絵文字も入力できるようになりました。
さらに、「どうぶつの森+」はカードeリーダー+を挿したゲームボーイアドバンスを使ってカードを読み込むことができました。このカードの一部にはゲーム内で入力できる楽譜が記されているものもあります。
pico-crossingでは、データベースに楽譜のコードを登録しておくことで、そのまま楽譜入力を爆速でできるようになっています。
また、雑誌などに記載されたコードを入力することでゲットできた一部のアイテムもあります。
Ctrl+Alt+鍵キーを押すと、コード入力モードに切り替えが可能。
アイテム名を入力することで、データベースから自動でそのコードを引っ張ってきて入力してくれます。
そして、服や壁紙などを自由にデザインできる機能を使って、Pythonで32×32ピクセルに変換した任意の画像を自動で入力することもできるとのこと。
なんとフレームをその都度描き直すというかなり無理やりな方法で、動画の再生もできるようになっています。ただし、フレームレートは最大でも0.0056FPS。
同様の方法で、ゲームをプレイすることも可能になるそうです。以下はヘビゲームをプレイするところ。
pico-crossingのソースコードはGitHubで公開されています。なお、アーヴィン氏は任天堂に向けて「このプロジェクトの制作にはエミュレーションは一切使用されていません。また、ゲームバイナリの配布や改変は一切行われていません。すべての映像は、改造されていないハードウェアと、改造されていない正規のソフトウェアで撮影されています」とコメントしています。
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