Wikipediaで行われていた、記事冒頭にAI生成の要約を表示するテストが、編集者コミュニティからの否定的な意見を受けて一時停止になったことがわかりました。
Wikipedia Pauses AI-Generated Summaries After Editor Backlash
https://www.404media.co/wikipedia-pauses-ai-generated-summaries-after-editor-backlash/
Wikipedia suffers backlash from human editors over AI summaries, prompting feature pause – Neowin
https://www.neowin.net/news/wikipedia-suffers-backlash-from-human-editors-over-ai-summaries-prompting-feature-pause/
Wikipediaを運営するウィキメディア財団は、Wikipediaの個別記事上部にAIが生成した要約を表示するテストを開始する予定でした。
しかし、このテスト実施の意向を明らかにしたところ、2人の編集者がたちどころに「うわっ」とコメントしたほか、他の編集者は「GoogleがAI要約を表示しているからといって、我々が彼らを追い抜かなければいけないということはありません。モバイル版でも他でも、こんなテストはしないでください。AI要約は、我々の読者と、まともに信頼できる情報源としての我々の評判に、取り返しのつかない損害を与えるでしょう」と反応。
また、「だめです。編集者の議論の対象になる余計なものを追加したくありません。役に立たないか、単純な要約よりもダメです」というコメントも寄せられました。
Wikipedia:Village pump (technical) – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:Village_pump_(technical)#Simple_summaries:_editor_survey_and_2-week_mobile_study
発表翌日も編集者からは否定的な意見が寄せられたため、ウィキメディア財団は計画を撤回しました。
ウィキメディア財団の広報担当者はニュースサイトの404 Mediaの取材に対し、「ウィキメディア財団はWikipediaや他のWikimediaプロジェクトを世界中の読者がもっと利用しやすいものにするための方法を模索してきました。2週間にわたる(AI生成要約の)オプトイン方式の実験は、Wikipedia上の複雑な記事を、さまざまな読書レベルの人が読みやすくすることに焦点が当てられたものです。要約はCohereによるオープンウェイトのAyaモデルで生成されました。テストは、機能への関心を測り、Wikipediaで表示される情報をどう決定するかにおいて、人間が中心であり続けることを保証する、適切なコミュニティ管理システムを検討するのに役立てることを意図したものでした」と述べました。
また、「ボランティアからさまざまなフィードバックを受けて、意志決定に反映したり、ときには方針を変更するというのは、よくあることです。今回のような思慮深いフィードバックは大歓迎です。これこそが、Wikipediaを人類の知識の真の共同プラットフォームに位置づけ続けるものです」とも語ったとのことです。
なお、ウィキメディア財団はAIを活用して、人間の編集者が作業しやすくする機能を構築する方針を示しています。
Wikipediaが技術的障壁を取り除きボランティアが作業しやすくする「人間第一」の新AI戦略を表明 – GIGAZINE
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