老舗ブラウザ「Firefox」の利用規約が2025年2月25日に初めて発効されたところ、その内容に問題があるとして利用者から懸念の声が寄せられました。後日、Firefoxを開発するMozillaが利用規約について改めて説明し、規約の内容を一部更新したことを明らかにしました。
An update on our Terms of Use
https://blog.mozilla.org/en/products/firefox/update-on-terms-of-use/
2月25日に発効された利用規約では、ユーザーがMozillaに付与する権利と許可について「皆様はMozillaに、Firefoxを運営するために必要な全権を付与するものとします。これには、Firefoxのプライバシーに関する通知に記載されているようにデータを処理することや、皆様がインターネットを使いやすいように皆様に代わって操作することなどが含まれます。Firefoxを介して情報をアップロードまたは入力する際、皆様は、Firefoxの使用について皆様が指示したようにオンラインコンテンツを移動、体験、および操作するため、当該情報を使用する非独占的で使用料免除の、世界的な許可をMozillaに与えるものとします」との記述がありました。
この記述について、Firefoxを使用するにあたり入力した情報のライセンスがとられるのではないか、カメラメーカーがユーザーの撮影した写真にライセンスを主張するようなものではないか、といった懸念が寄せられたため、Mozillaはすぐにコメントを寄せ、「ライセンスはFirefoxの基本的な機能の一部を実行するために必要で、ユーザーのデータ所有権やプライバシー通知に記載されている以外の目的によるデータ使用権限をMozillaに与えるものではない」と説明しました。
上記の内容について、Mozillaは英語版利用規約の記述を変更する対応を行いました。日本語版では記事作成時点で記述の変更はありませんが、今後英語版に合わせて改訂されるものと考えられます。新しい記述は以下の通りです。
「皆様はMozillaに、Firefoxを運営するために必要な権利を付与するものとします。これには、Firefoxのプライバシーに関する通知に記載されているようにデータを処理することが含まれます。また、Firefoxに入力されたコンテンツを皆様の指示通りに処理することを目的とした、非独占的で使用料免除の、世界的なライセンスも含まれます。これはMozillaにコンテンツの所有権を与えるものではありません」
さらに、Acceptable Use Policy(利用規定)への言及は、「明確さよりも混乱を招いていると考えられるため」という理由で削除されました。以前は「FirefoxはMozillaの利用規定に従って利用されなければならない」と記されており、その利用規程に「ポルノへのアクセスを許諾するためにFirefoxを利用してはならない」といったものがあったため、「Firefoxでポルノを閲覧すると利用規約違反になるのか」といった懸念が寄せられていました。
「Firefoxの利用規約」が発効されるも「ポルノ視聴が規約違反になるのでは?」「Mozillaに過剰な権限を与えるのでは?」といった不安の声が寄せられる – GIGAZINE
また、Mozillaが「私たちは決してあなたのデータを販売しません」という記述を修正していたために、「ユーザーの情報が販売されることになるのでは」との懸念が寄せられたことについて、Mozillaは以下のように釈明しています。
「Mozillaはあなたに関するデータを売りませんし、買いません。私たちが表現を変えたのは、特定の地域が『販売』という単語を広義に捉えているからです。一例として、カリフォルニア州消費者プライバシー法では、『販売』は『金銭またはその他の価値ある対価と引き換えに、事業者が消費者の個人情報を他の第三者等に販売、貸与、公開などすること』と定義しています。Firefoxは広告の提供などでデータをパートナーと共有する場合があり、これが広義の販売に該当しますが、データを共有する場合は常に個人を特定する可能性のある情報を取り除くなどしています」
Mozillaは「私たちは新しい利用規約の一部、特にライセンスに関するコミュニティからの懸念に耳を傾けてきました。私たちの意図は、Firefoxの機能について可能な限り明確にすることでしたが、そうすることでいくつかの混乱や懸念も生じさせてしまいました。そのことを念頭に置いて、より明確にするために文言を更新しました」と伝えました。
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