往年の「マジックのトリック暴露番組」で活躍した覆面マジシャンは臨死体験を経てブラジルに移住した – GIGAZINE


メモ


1997年から1998年にかけて、アメリカでマジックのタネやトリックを覆面マジシャン「Mr.M」が暴いていく番組が人気を博しました。このMr.M、2001年には来日して特番にも出演しているのですが、身元を明かしてシリーズを途中降板。その後、紆余曲折あって、2020年からはブラジルに移住しています。

How a Blacklisted American Magician Became a Hero in Brazil – WSJ
https://www.wsj.com/lifestyle/careers/magician-brazil-national-celebrity-d31f547a

Mr.Mことヴァル・ヴァレンティノ氏は1956年生まれ。かつて存在した公式サイトの情報によると、10代のころからマジックに親しみ、20代でナイトクラブの常連として活躍。さらに、ラスベガスでもショーをしていたとのこと。

the masked magician official website
http://www.themaskedmagician.com/


そして1997年から、ヴァレンティノ氏はFOXで放送された「Breaking the Magician’s Code: Magic’s Biggest Secrets Finally Revealed(マジシャンの掟を破る:ついに明かされたマジック最大の秘密)」に出演。数々のマジックのトリックを暴いていく覆面マジシャンとして活躍しました。

番組は1997年9月24日の初回放送で13のトリックを明かし、FOXで放送された特番として過去最高の評価を受けたそうです。その後、1998年3月3日、1998年5月5日、1998年10月29日と全4回放送されました。4回目の放送後、ヴァレンティノ氏は覆面を外して正体を明かしています。

なお、トリックを暴露するという活動の性質上、マジシャンからは強い反発があり、トリックを守るために1998年に世界マジシャン連盟(WAM)が設立されました。WAMは番組の2回目の放送後時点で、覆面マジシャンの正体をヴァレンティノ氏であると看破。スポンサーに対しては降板を呼びかける運動を行い、実際に12社がスポンサーを降板したとのこと。

W.A.M. – letters from former FOX sponsors
http://www.magiciansalliance.com/sponsors.html

抗議を受けたのは番組だけではなく、ヴァレンティノ氏を相手取った訴訟も起こされていて、少なくともブラジルではヴァレンティノ氏が敗訴しています。

「Breaking the Magician’s Code」シリーズはその後、2002年と2008年~2009年に復活していますが、ヴァレンティノ氏は出演していません。ただし、海外も含めて、ヴァレンティノ氏が覆面マジシャンとして出演していたころのシリーズが再放送されています。

2025年時点で、ヴァレンティノ氏はその因縁の地といえるブラジルに居住していて、穏やかな生活を送っているとのこと。ウォール・ストリート・ジャーナルが本人にインタビューした内容によると、2015年ごろ、ヴァレンティノ氏がロサンゼルスの兄の家にいたところ、およそ3分半の臨死体験の中で、亡くなった母親が「ブラジルに行くように」と告げたそうです。

ヴァレンティノ氏は2020年2月、パンデミック発生の直前にサンパウロへ渡航。2024年に政治補佐官でインフルエンサーのフアビア・ロマーニ氏と婚約したのちは、ロマーニ氏とともに、ブラジル全土に「Mr.Mマジックスクール」を開設するべく活動しているそうです。

ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ヴァレンティノ氏は「ブラジルにとどまる運命なのだと思います」と語ったとのことです。

ちなみに、「Breaking the Magician’s Code」シリーズの制作会社、ナッシュ・エンタテインメントがYouTubeに番組公式チャンネルを開設しており、トリックごとの動画が公開されています。

Magic Secrets Revealed – YouTube
https://www.youtube.com/@MagicSecretsRevealed

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