アメリカの若者は「銃乱射事件世代」と呼ばれている、15人に1人が「銃乱射事件」の現場に居合わせたことがあるとの調査結果で – GIGAZINE


メモ


年間500件、つまり1日に1~2件のペースで銃乱射事件が起きているほど銃犯罪が深刻なアメリカでは、銃乱射事件の現場に居合わせた経験がある人の割合が非常に高く、銃弾やその破片などで負傷したり精神的なショックを受けたりする人も少なくないことが、調査で浮き彫りになりました。

Direct Exposure to Mass Shootings Among US Adults | Public Health | JAMA Network Open | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2831132

One in 15 U.S. adults have been on the scene | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/1075966

アメリカ医師会が刊行する月刊医学誌・JAMA Networkに掲載された論文の研究で、コロラド大学ボルダー校の犯罪学者であるデイビッド・ピルーズ氏らは、アメリカの成人1万人を対象とするオンライン調査を実施しました。調査が行われたのは2024年1月で、1月が選ばれたのはアメリカで最も銃乱射事件が落ち着く時期だからとのこと。

調査では、銃乱射事件は「学校、ショッピングモール、職場、礼拝所などの公共の場で4人以上が銃で撃たれる銃関連犯罪」と定義し、アメリカに住むさまざまな人種や年齢を代表するよう選ばれた対象者らに「あなたはこれまで実際に銃乱射事件の現場にいたことがありますか?」などの一連の質問をしました。


回答をまとめた結果、調査対象者の6.95%が銃乱射事件の現場に居合わせたことがあるほか、2.18%が銃弾や破片、避難時の雑踏などによる負傷を経験していたことがわかりました。また、身体的な外傷だけではなく心の傷も深刻で、事件で負傷しなかった人のうち約75%が精神的苦痛を経験したと答えました。

ピルーズ氏は、「約7%というのはアメリカの国民15人に1人の割合です。銃による暴力という一見すると特異的で範囲が狭いグループとしては、本当に高い数値です」と話しました。

回答者の約4分の3にあたる76.15%は銃乱射事件が「地元」で起きたと答えています。現場として最も多かったのは「近所」の34.69%で、2番目以降は「バーやレストラン」の12.38%、「学校」の12.09%、「コンサートや野外イベント」の11.05%となりました。


調査ではほかにも、中高年より若い世代の方が銃乱射事件に遭遇したと報告する可能性が高い傾向がありました。長く生きている年配者よりミレニアル世代やZ世代の方が銃乱射事件に遭遇する割合が高いということは、銃犯罪が激化していることを如実に反映しています。

また、性別で見ると女性より男性の方が銃乱射事件に巻き込まれる確率が1.5倍高いことや、人種別では黒人・白人・アジア人の順に銃乱射事件の現場に居合わせる可能性が高いこともわかっています。具体的には、黒人は銃乱射事件の現場に居合わせる確率が白人の1.87倍でした。一方、アジア人は白人の0.36倍だったとのこと。また、銃による負傷には人種や民族の差は見られませんでした。

ピルーズ氏は「私たちの研究結果は『銃乱射事件世代』があるという考えに信ぴょう性を与えています。特に、1999年のコロンバイン高校銃乱射事件の影響の中で育った人々は、年配の世代とはまったく異なる独特の経験をしています」と話しました。

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