未成年がSNSアカウントを作成する前に保護者の許可を得ることを義務付けるソーシャルメディア安全法は憲法修正第1条の権利を侵害していると判事が判決を下す – GIGAZINE


メモ


アメリカのアーカンソー州で発効される予定だったソーシャルメディア安全法について、表現や報道の自由を保障する憲法修正第1条に違反しているとの判決が下され、同法を永久に差し止める命令が出されました。この法律は、18歳未満の人が保護者の同意無しにSNSアカウントを作成することを禁じていました。

Court-Permanently-Halts-Arkansas-Age-Verification-Law_NetChoice-v-Griffin_Mar-31-2025.pdf
(PDFファイル)https://netchoice.org/wp-content/uploads/2025/04/Court-Permanently-Halts-Arkansas-Age-Verification-Law_NetChoice-v-Griffin_Mar-31-2025.pdf

Arkansas Social Media Verification Law Struck Down by Judge (1)
https://news.bloomberglaw.com/privacy-and-data-security/arkansas-social-media-age-verification-law-struck-down-by-judge


Federal judge declares Arkansas social media age-verification law unconstitutional • Arkansas Advocate
https://arkansasadvocate.com/2025/04/01/federal-judge-declares-arkansas-social-media-age-verification-law-unconstitutional/

Arkansas social media age verification law blocked by federal Judge
https://www.engadget.com/social-media/arkansas-social-media-age-verification-law-blocked-by-federal-judge-194614568.html

アーカンソー州の「(PDFファイル)Act 689」、通称ソーシャルメディア安全法は、18歳未満のユーザーの年齢確認を行うことをプラットフォームに義務づけた法律で、18歳未満の人は保護者の許可なしに特定のサービスのアカウントを開設することが禁止されます。

同種の法案は複数の州で制定されていて、可決されたものはアーカンソー州のものが国内で2番目になります。この法律はサラ・ハッカビー・サンダース知事が就任1年目に優先課題としたもので、未成年者を不快なコンテンツから守るという目的の下、2023年9月に施行される予定でした。

ところが2023年6月、インターネット上での自由な表現と自由な事業を求める業界団体のNetChoiceが「オンライン上の言論の自由を侵害する」として州を相手取り訴訟を提起。同法はプラットフォーム側にもユーザー側にも多大な負担を強いるもので、情報へのアクセスを遮断することは憲法修正第1条の権利に違反するものだと訴えました。この訴訟により、施行日の約2週間前に法律の仮差し止め命令が出されました。

本訴訟が進行し、2025年3月31日、アーカンソー州西部地区連邦地方裁判所のティモシー・L・ブルックス判事により「法律は無効」と判断されました。


ブルックス判事は「Act 689は、未成年者にとって有害なコンテンツを対象とするのではなく、単にコンテンツへのアクセスを妨げるものである」と指摘。41ページに及ぶNetChoiceの意見書を勘案し、「オンラインで発言したり発言を見たりする能力を奪うだけでなく、親の同意がない、または同意を証明できない未成年者がインターネット上のフォーラムにアクセスできないようにしている」「プラットフォームとユーザーの両方にとって最大限の負担になる」と判断しました。

またブルックス判事は、法律の定義が曖昧なためどのサービスが具体的に規制の対象となるのかがあやふやになっており、政府による恣意(しい)的な執行を招いてプラットフォームを萎縮させる可能性があるとも指摘しました。

なお、原告であるNetChoiceは、カリフォルニア州、ミシシッピ州、ユタ州で同様の法律をめぐり勝利を収めています。この団体にはMetaやX、Snapなどが加盟しています。

16歳未満の子どもがSNSを始めるのに親の同意が必要になるという法律の施行を連邦判事が阻止 – GIGAZINE


今回の判決が下されたことを受け、NetChoiceのクリス・マーチース氏は「憲法に違反することなく未成年者を保護するという州の目的には引き続き協力します」と述べました。

ブルックス判事も、「裁判所は、未成年者をソーシャルメディアへ自由にアクセスさせることで危害を招く可能性があり、実際に危害が加えられているという現実を疑ってはいません」と述べ、未成年者を保護することには強い関心があると付け加えています。このため、政策立案者が形を変えて未成年者保護法案を再提出する可能性があります。

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