自分の顔に不満を持っている人はビデオ会議で「Zoom疲れ」を感じやすいという研究結果 – GIGAZINE


近年はZoomやMicrosoft Teamsを用いたビデオ会議が一般的なものとなっていますが、中にはビデオ会議特有の疲労感である「Zoom疲れ」を覚えてしまい、ビデオ会議を極力避けたいと考える人もいます。アメリカの研究チームが発表した新たな論文で、「自分自身の顔の評価」がZoom疲れと関連している可能性があると示されました。

Examining attitudes about the virtual workplace: Associations between zoom fatigue, impression management, and virtual meeting adoption intent | PLOS One
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0312354


Zoom Fatigue: Scientists Say Your Face Might Be The Problem : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/zoom-fatigue-scientists-say-your-face-might-be-the-problem

多くの労働者は職場に出勤するよりもリモートワークを好んでいますが、Zoom疲れを感じてしまうビデオ会議には否定的な印象を持っている人も多くいます。過去の研究では、女性や有色人種の人がZoom疲れを感じやすいという結果も示されていますが、Zoom疲れはすべての労働者に影響を及ぼす可能性があります。

ビデオ会議は多くの業界や労働者にとって有益なものですが、Zoom疲れの問題は労働者がビデオ会議の採用をためらう一因になります。そこで、アメリカのミシガン州立大学メディア情報学部の博士課程に在籍するChaeyun Lim氏らの研究チームは、Zoom疲れが「自分自身の顔の評価」に関連しているのではないかと考えて調査を行いました。

2018年の研究では、長時間のスクリーンタイムやソーシャルメディアのエンゲージメント、自分の写真を投稿する前に加工する行為などが、自分の外観への不満に関連していることが示されています。ビデオ会議では相手の顔が見えるだけでなく、「相手に見えている自分の顔」もスクリーンの隅に表示されているため、これが自分自身の顔への否定的な評価につながり、結果としてZoom疲れを引き起こしている可能性があるとのこと。


研究チームはアメリカの労働者2448人を対象に、ビデオ会議に関するアンケートを実施しました。労働者はさまざまな専門的・技術的・科学的分野で働いており、少なくとも時々はリモートワークを行い、仕事のために定期的にビデオ会議に参加していたとのこと。

アンケートでは、「自分自身の顔に不満を持っているかどうか」「Zoom疲れをどの程度感じるか」「自分の顔を調整したりアバターを使ったりできる機能がビデオ会議ツールに搭載されている場合、どの程度使用するか」といった項目について尋ねました。

研究チームが構造方程式モデリングという手法で各要因の関連性を分析した結果、「自分自身の顔に対する不満が強い被験者は、Zoom疲れのレベルも高い」という関連性が明らかになりました。これらの被験者はビデオ会議の際に自分の顔を調整したり、アバターを使ったりする可能性も高かったと報告されています。

また、顔への不満によって引き起こされるZoom疲労は、「ビデオ会議は役に立たない」と考えるなど、ビデオ会議そのものに対する否定的な認識にも関連していました。これにより、仕事におけるビデオ会議の使用が減り、結果として職場におけるテクノロジーの不平等の一因になる可能性もあるとのこと。


もちろん、被験者らはZoom疲れを発症する前から、自分の顔に不満を覚えていたかもしれません。しかし、ビデオ会議ツールの使用が増加した結果、自分の顔を見つめ続ける機会が増えて、それが顔への不満につながった可能性もあると指摘されています。

研究チームは論文で、「ビデオ会議に費やす時間が長くなると、自己イメージに対する否定的な認識や、他者からの批判的な評価に対する懸念が悪化する可能性があります」と述べました。

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