VPNサービスや暗号化メールサービスを提供するスイス企業のProtonが、大手テクノロジー企業に科せられた罰金をまとめた上で、Googleの親会社であるAlphabetが科せられている総額約29億ドル(約4360億円)の罰金はわずか2週間ちょっとで支払うことができると指摘しています。
Big Tech fines tracker | Proton
https://proton.me/tech-fines-tracker
Protonによると、2024年にAmazon・Meta・Microsoft・Apple・Googleに科せられた罰金は以下の通り。最も高額なのがGoogleで、総額約29億ドル。2位がAppleで約21億ドル(約3160億円)、3位がMicrosoftで約16億ドル(約2400億円)、4位がMetaで約14億ドル(約2100億円)、5位がAmazonで5750万ドル(約86億5000万円)でした。
しかし、Protonは各企業のフリーキャッシュフロー(純現金収支)に注目しています。フリーキャッシュフローは、事業で得られた現金収支から運営資金や投資分を引いたキャッシュ分で、企業が自由に使える現金の量になります。Protonは、フリーキャッシュフローと比較すると各企業に科せられた罰金額は非常に小さいと指摘しました。
以下のグラフは、横軸が2024年の時系列、縦軸が罰金の金額で、吹き出しで各企業が受けた罰金額とその罰金分のキャッシュフローを生み出せるのにかかる時間が示されています。例えば、Googleが2024年3月に科せられた2億6310万ドル(約395億円)は1日と11時間51分で、2024年10月に科せられた約25億ドル(約3760億円)は14日と8時間48分で払えてしまうことになります。
Apple・Google・Microsoft・Meta・Amazonが2024年に科せられた罰金の総額(Total fines 2024)と、それらを各企業が生み出すフリーキャッシュフロー(2024 free cash flow)に基づいて、払い終えるまでの時間(Time to pay off its fines)を示した表が以下。約29億ドルという最も高額なGoogleでさえ、約16日21時間25分で払い終えてしまいます。つまり、巨額の罰金がビッグテック企業の財務状況に与える影響はごくわずかで、罰金は企業にとって実質的な抑止力として機能していないということになります。
Protonは「巨大テクノロジー企業に私たちのプライバシーを優先させたいのであれば、罰金を増額するか、規制当局が企業側に慣行を変えるよう強制する必要があります」と述べました。
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