ハーバード大学が現地時間の2025年3月17日に、年間収入20万ドル(約2990万円)以下の家庭の学生は授業料を無料にすることを発表しました。年間収入10万ドル(約1494万円)以下の家庭には授業料に加えて住居費や食費、医療サービスなども支給される予定です。
Harvard expands financial aid — Harvard Gazette
https://news.harvard.edu/gazette/story/2025/03/harvard-expands-financial-aid/
Harvard says tuition will be free for families making $200K or less – ABC News
https://abcnews.go.com/Business/harvard-tuition-families-making-200k/story?id=119874241
ハーバード大学のアラン・M・ガーバー学長と文学部・理学部学部長のホピ・フクストラ氏は、年収20万ドル以下の家庭の学生には授業料を無料に、年収10万ドル以下の家庭の学生は「学生生活にかかる金」を無料にすると発表しました。「学生生活にかかる金」とは授業料のほか食費、住居費、健康保険、交通費など請求すればすべての生活費用が対象となるとのこと。ガーバー学長は「より多くの人々が経済的にハーバード大学を選択できるようにすることで、すべての学生が出会う背景、経験、視点の多様性が広がり、知的かつ個人的な成長が促進されます。将来が期待される優れた人材を集め、互いに学び合うことで、大学の大きな可能性を真に実現することができます」とプログラムの意義について述べています。
発表によると、年間収入20万ドルはアメリカの家庭の約86%を対象としているそうです。フクストラ氏は「ハーバード大学は長い間、経済状況に関係なく、最も才能のある学生に門戸を開くよう努めてきました。この奨学金への投資は、入学したすべての学生がハーバード大学で教育を受けられるようにし、彼らが学問への情熱を追求し、私たちの将来に良い影響を与えることができるようにすることを目的としています」と語りました。
同様の学費支援プログラムは、2024年11月にマサチューセッツ工科大学(MIT)が発表しました。MITでは2024年まで世帯年収14万ドル(約2090万円)未満を対象として授業料を免除していましたが、2025年度からは対象を20万ドル未満まで広げた上で、世帯年収10万ドル未満の学生には学生生活にかかる費用全額を免除することになります。
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ハーバード大学の学部生の年間平均授業料は5万6550ドル(約845万円)で、食費や住居費、その他学生サービスや医療サービスを含めた合計の学生生活にかかる平均額は8万2866ドル(約1240万円)と推定されています。
ハーバード大学の奨学金拡大は、2025年秋~2026年夏の年度から開始予定。ハーバード大学の奨学金担当ディレクターであるジェイク・カウフマン氏は「私たちのチームは、ハーバード大学での経験に完全に参加できるよう、各学生と緊密に連携しています。奨学金プログラムは、ハーバード大学の学生が最小限の制約で、勉強やトレーニング、研究、創作、その他ハーバード大学でのすべての経験に参加できるよう設計されています」と述べています。
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