オーストラリアで心臓移植を待つ男性が、臓器の準備ができるまで、BIVACORのチタン製人工心臓を取り付けた状態で100日間生存したことがわかりました。男性は2025年3月に無事ドナーが見つかっています。
Australian man survives 100 days with artificial heart in world-first success | Health | The Guardian
https://www.theguardian.com/australia-news/2025/mar/12/australian-man-survives-100-days-with-artificial-heart-in-world-first-success
Australian becomes first in world discharged with durable artificial heart – ABC News
https://www.abc.net.au/news/2025-03-12/sydney-hospital-artificial-heart-implant-operation-success/105036154
BIVACORはオーストラリア・クイーンズランド州出身のダニエル・ティムズ博士が設立した医療機器メーカーです。
ニューサウスウェールズ州在住の男性は重度の心不全に苦しめられ、心臓移植を待つまでのあいだ、BIVACORのチタン製人工心臓「BIVACOR Total Artificial Heart(TAH)」を取り付けることになりました。2024年11月に手術を受けるまで男性はとても体調が悪く、トイレに行くのも一苦労で、移植まで持たないのではないかとすら思われていましたが、人工心臓を埋め込んでからは状態がよくなり、臓器移植まで100日間以上生存しました。
「BIVACOR TAH」は2024年7月、アメリカ・テキサス州で埋め込まれたのをはじめ、その後、4例の埋め込み例があります。しかし5例とも、長くて27日でドナーから心臓移植を受けていて、これほど長く人工心臓を埋め込んでいた事例はなく、また、人工心臓を取り付けたまま退院したのは、今回の男性が世界初の事例となりました。男性はその後、2025年3月に心臓移植を受けています。
BIVACOR TAHは、磁気で浮かせたインペラが分間2000回転することによって血液を送り出す、「健康な心臓の血流を再現」している人工心臓です。
磁気で浮いたインペラが1分間に2000回転して血液を送り出す人工心臓 – GIGAZINE
部品の摩耗がなく、技術的には失敗や「適合しない」ことはないそうで、外科医のポール・ジャンツ氏はBIVACOR TAHを「聖杯」と表現しています。
ティムズ博士がBIVACOR THAを思いついたきっかけは、子どものころ、配管工の父親と行っていたウォーターポンプをいじくり回した経験があるとのこと。また、その父親が心不全で亡くなったことも、ティムズ博士が人工心臓を作る原動力になったそうです。
BICAVOR TAHの重さはおよそ650g。バッテリーの駆動時間は4時間で、将来的にはスマートフォンがワイヤレス充電できるように、胸の上に充電器を置くだけで充電できるようにすることが考えられています。
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