OpenAIが「開発者と企業が有用で信頼できるエージェントを構築するのに役立つ、最初のビルディングブロックのセット」を発表しました。
New tools for building agents | OpenAI
https://openai.com/index/new-tools-for-building-agents/
New tools for building agents with the API – YouTube

この1年間、OpenAIは高度な推論やマルチモーダルインタラクション、新しい安全技術などの新しいモデル機能を導入して、エージェントを構築するために必要になる、複雑な複数のタスクを処理するモデルの基礎を作ってきたとのこと。
しかし、こうした機能を本番環境で使用可能なエージェントにすることは難しく、多くの場合、十分な可視性や組み込みのサポートがないまま、大規模プロンプトの反復やカスタムオーケストレーションロジックが必要になっているということが顧客からの情報で共有されています。
こうした課題に対処するため、OpenAIはエージェントアプリケーション開発を簡素化するために特別に設計された新たな一連のAPIとツールをリリースしたとのこと。
「Responses API」はOpenAIの組み込みツールを活用してエージェントを構築するための、新しいAPIプリミティブです。シンプルなチャット補完とアシスタントAPIのツール使用機能を組み合わせていて、1つのResponses APIを呼び出すことで、開発者は複数のツールとモデルターンを使用して複雑化するタスクを解決できるようになります。以下のツイートに埋め込まれている例では、ユーザーの「新しい本を探す」というタスクのために「file_searchツールを使用してユーザーの好みを取得する」「web_searchツールを使用してウェブを検索して本を選定する」「本の表紙を表示するdisplayBookList関数を実行する」という3つのステップを実行しています。
Introducing the Responses API: the new primitive of the OpenAI API.
It is the culmination of 2 years of learnings designing the OpenAI API, and the foundation of our next chapter of building agents.
🧵Here’s the story of how we designed it: pic.twitter.com/Qee6YEisFb
— Atty Eleti (@athyuttamre) March 11, 2025
Responses APIでは、GPT-4oおよびGPT-4o-miniを使用するにあたってウェブ検索を利用することができます。短い事実に対するLLMの回答精度を測るベンチマーク「SimpleQA」によると、ウェブ検索を利用したGPT-o4は90%、GPT-o4-miniは88%と、GPT-4.5の63%よりも高い数値を記録したとのこと。
このウェブ検索ツールはResponses APIのプレビュー版で開発者なら誰でも利用可能。また、「gpt-4o-search-preview」と「gpt-4o-mini-search-preview」を通じて、Chat Completions APIで微調整されたモデルへのダイレクトアクセスが提供されています。価格はGPT-o4が1000クエリあたり30ドル(約4450円)、GTP-o4-miniが1000クエリあたり25ドル(約3700円)です。
また、改良されたファイル検索ツールで、大量のドキュメントから関連情報を簡単に取得することができるようになりました。ツールはResponses APIで利用可能で、価格は1000クエリあたり2.5ドル(約370円)。ファイルストレージは1日・1GBあたり0.1ドル(約15円)で、最初の1GBは無料で利用可能です。
さらに、コンピューターを操作できるエージェントを構築するための、コンピューター使用ツールも利用できるようになっています。リサーチプレビューモデルはマルチモーダルエージェントのベンチマークを行うOSWorldで38.1%の成功率だったほか、WebArenaで58.1%、WebVoyagerで87%と、それぞれ高いスコアを示しました。
コンピューター使用ツールはResponses APIでリサーチプレビューモデルとして、より高額なプランを利用しているティア3からティア5のユーザーに対して提供されます。利用価格は入力が100万トークンあたり3ドル(約445円)、出力が100万トークンあたり12ドル(約1780円)です。
このほかにAgents SDKも提供されます。
OpenAIは今後の目標について「あらゆる業界のさまざまなタスクを支援できるエージェントを構築するための、シームレスなプラットフォーム体験を開発者に提供すること」と述べています。
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