ソニーが「Horizon Forbidden West」の主人公、アーロイを使い、ゲームキャラクターにAIを統合する技術に取り組んでいると報じられました。
Sony is experimenting with AI-powered PlayStation characters | The Verge
https://www.theverge.com/news/626695/sony-playstation-ai-characters-aloy-horizon-forbidden-west-prototype
Sony Uses Horizon’s Aloy To Demonstrate New AI Tech, And It’s About As Impressive As You’d Expect – GameSpot
https://www.gamespot.com/articles/sony-uses-horizons-aloy-to-demonstrate-new-ai-tech-and-its-about-as-impressive-as-youd-expect/1100-6530023/
テクノロジー系メディアのThe Vergeは、匿名の情報提供者から、AIを搭載したアーロイの動画を提供してもらったそうです。
問題の動画では、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のソフトウェアエンジニアリングディレクターでAIと顔技術に携わるシャーウィン・ラゴバルダジャル氏がナレーションを担当し、AI搭載バージョンのアーロイをデモンストレーションしていたとのことです。
このアーロイはラゴバルダジャル氏の声を聞いて会話し、顔を動かすなどのジェスチャーをしていました。具体的には、「こんにちは」とあいさつをしたり、ゲーム内設定に基づくアーロイ自身の心情を話したり、今ゲーム内のどの場所にいるのかを説明したりしました。
ラゴバルダジャル氏は動画内で「これはGuerrilla Gamesと共に開発されたプロトタイプに過ぎず、社内で技術を実証するために作成したものである」と説明。音声合成にOpenAIのWhisperを、会話と意思決定にはGPT-4とLlama 3の両方を使用していて、音声合成には独自のEmotional Voice Synthesisシステムを内蔵しており、音声と紐付いた顔のアニメーションはソニー独自のMockingbird技術を利用していると話しました。
以下の画像をクリックすると、AIで動作を付けられたアーロイの様子を確認できます。
デモはPC上で実行されていましたが、一部動作をPlayStation 5上で直接実行する実験も行われているとのことです。
The Vergeは動画をYouTubeに公開しましたが、SIEがクライアントだという著作権処理代行企業・Musoからの申し立てにより、動画はYouTubeから削除されました。
The Vergeは「アーロイと話すことに意味があるのか、このような技術が声優やゲーム開発者にどのような影響を与えるかなどの疑問が生じる」と指摘しました。ゲーム業界では、ちょうど「Apex Legends」の声優ら31人が自分たちの声をAIに学習させる契約の拒否を表明するなど、一部でAIに反発する動きが強まっていました。
加えてThe Vergeは「サンフランシスコで開催されるGame Developers Conferenceを前に、ソニーがAIを搭載したキャラクターの実験を行ったことで、ビデオゲーム制作におけるAIの役割についてさらなる議論が巻き起こるに違いない。この流出した社内ビデオについて、ソニーに何度もコメントを求めたが、同社からの回答はなかった。我々は、このビデオを取り下げたのがソニーなのか、またさらなるコメントがあるかどうかを確認するため、再度問い合わせた」と伝えました。
この記事のタイトルとURLをコピーする
ソース元はコチラ
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。